表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
禁固365年の男  作者: 獅斬武
第5章 変な王族
41/106

364年目、金髪王様のターン2

「指輪なんて、どうだ?」


「へ?あ、いや、ど、どうですかね」


竜馬の言葉に曖昧に答えたが、入学祝いに指輪ってなんだ!?指輪って、特別っぽくね?ただし、俺は言葉には出さず心の中でツッコミするのみ。


「なら大洋は何が良いと思う?俺様が納得するものであるからな」


「え、か、鞄とか」


「鞄…か」


目の前に座る王様である竜馬が俺の言葉に考える姿を見せる。無下にはされないようだ。


「どんな鞄だ?」


「ど、どんな…?え、っと、まァ…竜馬が選ぶんだったら、その子も嬉しいんじゃ?俺が選ぶより」


「二人で選んだ方が喜ばれる、俺様だけで選ぶなら最初から頼まん」


ふん、とばかりに偉そうな態度で俺に告げる。ちょいちょい、疑問に思っていたが、その子、何で俺や竜馬が長く生きてるって知ってんだ?何で俺を気にするんだ?俺は確か、閲覧禁止事項とかそんな話じゃなかったか?


俺が考えに耽ると、苛ついたように竜馬の指先が机を叩く。その音に顔を上げ、相手の表情を見ると唇をへの字に。拗ねた様にも見えるがそこは言わない、禁固伸びるのだけは勘弁願いたい。


「俺は、その、竜馬の言う子がどんな子か知らないんで、うん。何か情報とか」


と、聞いた途端にその子について話し出す。やれ、声が心地好いやら、柔らかい表情した子やら、それから出会いや彼女の助言により学園を作って彼女も通わせるやら、何やら……って、彼女の為に学園作ったのか!?王様、半端ねェな。


竜馬が彼女の事を話す表情は、俺が見ていても愛しいとかそんな表情を見せている。竜馬の彼女の位置はやっぱり俺で言う所の葵さんだろうな。


ところどころ、しどろもどろになり突然キレた様に叫ぶがこれは竜馬の照れ隠しだと最近では解ってはきた。


「貴様も、此処を出たら()()()()だぞ」


「へ?」


また、とんでもない事を言う竜馬に、俺は反射的に言葉を返した。


俺も通う学園だって?いやいや、無理あり過ぎじゃね!?と思うも、続く言葉が出ずに相手を見詰めるのみ。


俺の視線に気付いてるのか、気付いてないのか竜馬は言葉を続ける。


「彼奴から色々と聞いておる内容も、意味が解らぬものがあるが、俺様と大洋の為には必要な学園らしいな。彼奴から言われる前に漠然としてはいたが作ろうとは思っていた学園だ、彼奴から聞いて現実味を帯びたと過言ではないが」


一旦言葉を止め、竜馬は頬杖えを付く。その仕草を俺は眺めるだけ。


「国々の若き王と庶民を結ぶ学園、他交流も目的とされた学園だ。貴様は本来()の枠だが庶民枠で入らすつもりだ、彼奴が言うには」


「国々の王、学園…、た、他交流?王の枠?」


さらり、と竜馬の言っている事を理解しようとするも、余計に頭が混乱する。独房を出たら学園通うって、しかも王の枠?王の枠って何だ、推薦みたいなもんか?


「詳しくは刑期を終えた後だな、そんな事より今は彼奴の入学祝いだぞ!早く決めねばならん」


竜馬の言葉に、そんな事じゃないからね!?と心の中でツッコミした。と、取り敢えず、竜馬が帰ったら整理しよう、うん。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ