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禁固365年の男  作者: 獅斬武
第5章 変な王族
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閑話 1年、私のお兄ちゃんはノベルゲームの隠しキャラらしい

「大洋のため、美月結婚しよう」


呼び出された健ちゃんから言われた言葉、私は健ちゃんをぶん殴って出ていった。


お兄ちゃんがよく分からない罪で捕まって、何とかしようと奮起する私に、健ちゃんが言った、お兄ちゃんは365年後に刑期を終えて出れるっていう言葉。


最初は健ちゃんの頭がおかしくなったって思ったけれど、私やお兄ちゃんしか知らない事や、これから起こる事を言われそれが現実になって、ようやく健ちゃんの言ってる事を信じてみた。


信じてみたは良いけれど、結局私や健ちゃんじゃお兄ちゃんを助けられないって事。お兄ちゃんを助けられるのは、365年後の話。


私が何かすれば、神宮寺殿下にお兄ちゃんや私が何かされちゃうらしい、私がされても気にしないけどそうなるとお兄ちゃんが気にするからって健ちゃんに言われ私は未だに何も出来ずに生きている。


お兄ちゃんが捕まって、妹の私も世間に何か言われたりするかと思ったけれど、何も起きず、ただお兄ちゃんと言う存在が私の前から居なくなったという悲しい現実。


優しいお兄ちゃんが大好きなのに、私じゃなにも出来ない。


悲しくて泣きたくて、それを幼馴染の健ちゃんが支えてくれた。365年後、お兄ちゃんが生きて刑期を終えるとかよく分からない事は言っていたけれど、それ以外は頼りになるいつもの健ちゃんだし。


そんな私は、健ちゃんの事を……。


私を支えてくれて、365年後のお兄ちゃんの話をしたり色々としてくれた健ちゃん。最近、就職活動で忙しかったみたいだけど、無事に司法試験に合格して弁護士になるって。


忙しかったし、私も健ちゃんに頼ってばかりだとって思ったからLINEでしか連絡してなかったけれど、今日突然に話があるからって言われて会いに来た。


スーツ姿で、町中に立つ健ちゃんは格好良くて。私を見付けると、笑顔を見せてくれた、周りが健ちゃんを見てて、うん、幼馴染から見ても健ちゃんは格好良い。


健ちゃんと近くの喫茶店に入って向かい合うと、急に真剣な顔になって私を見詰めた。凄くドキドキして、健ちゃんが口を開いた言葉が冒頭の、お兄ちゃんのために結婚しようって言葉。


「……っ、お、お兄ちゃんのためって何よ!」


そして、殴って走って帰路につく。健ちゃんもお兄ちゃんと一緒で女心を全く解ってない!


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