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禁固365年の男  作者: 獅斬武
第5章 変な王族
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夢に出る幼馴染

「大洋さ、……大洋!」


「ああ、健次か」


キャンパス内を歩いていると、昔から知る声が俺の名を呼んだ。


妙な違和感、ああ、これは夢かと納得する自分がいるも会話は進んで行く。


「乙女ゲーム、転生、解るか?」


「ゲーム、健次やってたか?テレビは見た事はある」


「違う」


そういや、健次がインフルになる前にやたらとゲーム、乙女、転生、学校休め、神宮司には取り敢えず近付くな、とか変な事を言ってたよな。


神宮司に禁固365年を言い渡された日、乙女ゲームって言葉が自然と浮かんだのは健次が何度も言ってたからか、と納得した。乙女ゲームは名前くらいしか知らないが。


健次の神宮司に近付くな発言は、聞いてた方が良かったかもな、あの日、あの室内は異常だった。決められた物語が抵抗出来ずに進むような感覚、実際頭で考えた言葉と口に出そうとした言葉が別もんになりそうだったしな、俺が何かしたか?の錯覚に途中ではなったし。


「大洋様……、じゃない、た、大洋」


捕まる前の数日、健次の様子も違ってはいた、あの日そう感じてはいたが俺はそれを深く考えてはいなかった。


この夢は、俺に何か伝えてーのか?


「……だ、……ち………ん、で」


健次のあの時の言葉は、何だった?364年も前の言葉なんて、覚えている訳がない。ただ、夢に見るくらいなら重要な事か?


俺に予知夢とかそんなチートな能力はない、一瞬で聞いた言葉を全て覚えてますな能力もない、普通に平凡に生きてきた男だ、顔は悪役顔だが。


健次の途切れた言葉、耳に残る「だちんで」って、ちん◯って聞こえる、って安定な下ネタを思い浮かんだら覚醒した。


「…い、色々悪い、健次」


折角、夢に出てきた健次、最後は下ネタで覚醒とかいたたまれない気持ちになる。


気を取り直し、何で今更こんな夢を見たのかと考えたら、あの金髪の王様が来てからだ。また来ると言ってから1日経った。ウイッスくんにあの金髪の王様の事を聞いたら答えてくれるのか、試しにメモ紙を渡してみたが返事はなし。


また来るは、いつになるのか。そして、捨て台詞はどうにかならないのか。しかも昨日の捨て台詞に菓子を持ってくるとか、ちょっと普通に気が使える子じゃね?と考える。俺に対してツンっぽいが、目を見て話し、菓子を持ち込むとか、あれはデレか?所謂、ツンデレ王様か。


「神宮司とは系統が違うな」


金髪の王様は神宮司だとは思う、そろそろ金髪の王様呼びは疲れるし神宮司と仮定しよう。


俺の知る神宮司は、誰にでも優しい男だった。多分、空白の部分で王様にはなって入るだろう。優しい男だったし、良い王様にはなったとは思う、俺を捕まえてはいるが何かしらの事情があったかもしれねーし。


現代の王様である神宮司、金髪の王様だが会ったのは二回、しかし見る限り偉そうな周りから好かれてるか疑問が生まれる。ただ、悪気がなさそうだ、見目は麗しいし黙ってれば綺麗なお兄さん好きですかみたいな状態だ。話せば、え?ってなるが、実際に俺がそうだしね。


金髪の神宮司、俺を歴史的犯罪者って言うが、本来会いに来て良いもんなのか?周りに言ってなさそうだよな、と柄にもなく心配した。


それでも、誰かに会うという行為は俺にとって、少し楽しみになっている。カレンダーを見詰め、ぼんやりと思った。

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