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禁固365年の男  作者: 獅斬武
第4章 罪と罪
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神宮司の事

葵さんから渡されたメモ紙、この前聞いた神宮司の事、閲覧禁止の部分等を自分なりに考えてみる事にした。


「空白の部分か、神宮司は結局、王にはなれたのか?葵さんは可笑しいって言ってたが、単に記録がねーとか、だから一部王の部分が欠落とか?」


神宮司が禁固365年を言い渡した時の俺に向けていた目線、それは強く鋭い憎しみを込めた目だった。それだけは薄れず、記憶の中に留まってはいる。


ただ、友人として話してくれていた時の目や表情は、優しげな慈悲深げな雰囲気だったとこっちは朧気に記憶に収まってはいた。


「王になったかもな、だから何か都合が悪いから閲覧禁止にした、とか。いや、もしくはなれなかった?だから何かが起こった知られちゃいけない部分で閲覧禁止とかか?」


貰ったメモ紙を見詰め、考えるが答えが写る訳でもなく、達筆な葵さんの書いた文字があるだけ。


そーいや、最近葵さんが元気がないように思える。声が意気消沈というか、軽く溜め息とかも聞こえたりしてるしね。


コミュ症の俺は葵さんに慣れてるとしても、聞ける訳がねェ。聞いたとして、万が一相談されたとして、何て答える?二十歳になって、捕まって人生経験なんて無しに等しい、歳を取ってるが精神年齢はきっと10代くらいだ、そんな俺がまともな答え出せると思うか?出せない、出せない、俺なら相談しないからね。


相談か、相談と言えば神宮司はいろんな奴から相談とか受けていたような。王子だからといって俺様な性格じゃなく、分け隔てなく周りと上手くやってたなァと思い出した。


神宮司なら葵さんの相談にのれてただろうね、美月ものれてたと思う、美月も神宮司みたいに分け隔てがなかったし。


こう考えると美月と神宮司の方が兄妹に見える、実際、俺と美月と神宮司が一緒に居た時があったが周りから殿下の妹ですか?とか質問されてたからね、俺と美月が似てるなら髪の色くらいだろ、美月に言うと激怒りしてたけど。


神宮司と俺なんざ、住む世界が全く違ったが今思えば何で友人関係になれたんだろうな。


神宮司から話しかけて来たがコミュ症が発動した俺は全く話せず見るしか出来なかったし、あれで良く諦めずに神宮司も話しかけて来てたよなって思うわ。俺なら無視みたいな形を取られた相手に話しかける勇気はないね、俺は無理。


例え無視じゃないにしろ、聞こえなかった的にしろ無視っぽくなって返事がない事に気まずくなる筈だ、俺は気まずくいたたまれなくなる。


そう考えたら、神宮司のメンタル強いな、なんて考えた。

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