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禁固365年の男  作者: 獅斬武
第8章 ノベルゲームの始まり
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握られて、連れられて

「ひゃっひゃ!ちょ、マジでェ?笑えるわァ!流石、大洋ちゃん!」


「笑い事じゃないですよ…」


姫川さんに手を引かれて行った先は教室、ではなく竜馬と佐渡さんが居る理事長室。 理事長の椅子に座り何やら書類を眺める竜馬と、豪華な黒色の座り心地が良さそうなソファに座りながら寛ぐ佐渡さん。


姫川さんが俺の手を握った儘に、佐渡さんと竜馬にさっきの獣人王決闘事件の詳細を話しているが、握られる手を意識してしまう。


未だに姫川さんのこの距離感とかに慣れない。


そうこうしているうちに、報告し終えた姫川さん、そして爆笑する佐渡さんの冒頭への会話となった。


まじで、笑い事じゃない。


倒れた自称獣人王のライオネスは、ヤバい顔して倒れたが生きてるだろうか、心配になる。し、死んでないよな?


自称獣人王も多少は心配だが、一番の心配になるのは自称獣人王ではなく、姫川さんだ。 自称でも王様言うんだから、鳩尾に一発食らわせてしまった姫川さんが処罰されないか、それが心配だ。


「取り敢えずゥ、大洋ちゃんは心配しなくても、非合法な決闘申し込みにィ、大洋ちゃんが承諾してねェから、平気、平気ィ」


「獣人王には俺様からも抗議はしておく、心配ないぞ、大洋」


「いや、俺の心配は、その、姫川さん…」


自称獣人王だったが、竜馬が獣人王と言ったから獣人王なんだろう、なら、ますます心配になる。


俺は佐渡さんや竜馬の言葉に、ちらりと視線を姫川さんへと向ける。姫川さんは、大きな目をパチパチと瞬きさせながら首を傾げた。


「えー?私ですかー?大洋様に心配させちゃう事、やっちゃったかな?」


首を傾げて答える姫川さんの言葉に俺は頷く、未だに手を繋がれた儘がどうにも緊張するが、自分から手を離すのもあれだし、そのままである。


「獣人王なら、偉い訳だし、殴っちゃった姫川さんが、処罰とかされないか心配にならないか?気絶してるみたいだったし」


気絶だけで済んでると思いたい俺が言葉にすると、一瞬の沈黙と視線が俺に集中する。み、見られると居心地が悪い。 沈黙の後に、佐渡さんが天を仰ぎ、軽くため息を吐いた。


「あー…そーいや、獣人王か……処罰は、まァ…平気だけどよォ、えらく面倒な事になっちまったかもなァ、どうするよ、竜馬ちゃん」


「どうもこうも、仕方あるまい。俺様でどうにか出来る範囲はするが……風習を変えるのは中々大変であるぞ、と言うか竜馬ちゃんと呼ぶでない!」


「ひゃっひゃ!しゃーない、しゃーない、おい、姫川ァ」 「はーい、何ですか社長~」


「取り敢えずゥ、獣人王がなーにか言ったりしてきたら、ちゃんと考えて言うんだぜェ?決めるのは姫川だからなァ」


何か意味深な言葉を言う佐渡さん、姫川さんは佐渡さんの言葉に頷き良い返事をする。


「了解でーす!」


にこにこ笑う姫川さん、うん、可愛いけど、そろそろ手を離して欲しいと俺は思う、言えないが。

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