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禁固365年の男  作者: 獅斬武
第8章 ノベルゲームの始まり
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知らぬ存ぜぬ事柄2

今日も今日とて、噂話みたいなものが教室を飛び交う。


べ、別に盗み聞きしてる訳じゃないからね、俺は。偶々、偶々聞こえるだけであって故意に聞いてる訳じゃない。


噂話のほとんどは、とんでもない魔力持ちの子の話だ。前に聞いたのは何か誰かに追い掛けられてるだの、だったか?


で、今回はその魔力持ちの子が、追い掛けられてる相手に逃げるばかりじゃあれなんで、決闘したやら、何やら……。


いやいや、決闘!?どういう事だ、どういう思考回路で決闘になるんだ?最近の若者の考えに俺はついていけない。


決闘で思い出したが、佐渡さんも誰かと決闘したらしい。この学園は決闘だらけの学園か、と疑いたくなるレベルに決闘してるな。


ただ、佐渡さんの決闘理由が洋子ちゃん関係だと聞いた。この理由は洋子ちゃんには知らせてないようだった。


佐渡さんと洋子ちゃんの関係は、良くも悪くもなく、しいて言うなら関係は悪い方かと思ってたが、そうではなかったみたいだ。


洋子ちゃんが理由で決闘なんて、悪い方ならしないだろう、あの佐渡さんなら。 誰と決闘したか知らないが、無事に解決はしたらしい、佐渡さんから直接聞いた訳じゃないけどね。


これまでの噂話は、聞いたのもあるが、洋子ちゃんから貰った秘密ノートにも書いてあった事柄でもある。


ただ、佐渡さんの決闘云々に、洋子ちゃんは関係なかった筈だが、これはどういう事だろうか。 佐渡さんの決闘は、その、魔力持ちの子関連と書いてあったんだよな~。洋子ちゃん関連になってるんだよな…。


秘密ノートの書いてあった事を俺は思い浮かべてみる。 魔力持ちの子、と言うのが実際に俺は見た事がないが、この世界の、確かノベルゲーム…?乙女ゲーム…?の主人公だと書いてあった。


ゲーム……、健次も洋子ちゃんもゲームが、ゲームが言ってはいるが、本当にそんなゲームみたいな世界なのか?俺も攻略対象激ムズって赤丸で強調されてるが、俺みたいなこんな極悪顔の男でコミュ症の俺は本当に攻略対象なのか…?


竜馬や佐渡さん、熱血エルフに、黒髪イケメンが攻略対象なのはわかる、顔がとにかく良い。乙女ゲームと言われるものの認識は、とにかく顔が良い奴らを好きにさせて、イチャイチャするまでの過程を楽しむものだと、最近は顔が極悪でも好きな奴がいたりするのか?


教室では秘密ノートを開くわけにはいかないため、俺は物思いに耽る振りをして中身を思い出そうとしていた。


そう、思い出そうとしたが、ふと、我にかえる。


いやいや、何で関係なさそうな事を考えなきゃいけないんだ。 今のところ、魔力持ちの子となんも接点がないのに、先の事を考えるとか、やべえ奴じゃね!?


……攻略対象いっぱいいるなら、わざわざ俺を選ぶはずないな、うん、ないない。


「次の教室いくか…」


俺は考えるのをやめ、席を立って次の教室へ向かう準備をした。

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