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賊討伐と内乱の始まり

さて、王都を出たのは良いのですが、どこに向かいましょうか。ここから行ける外国と言うと、北のスノーエンド公国か、南のケルモス共和国。海を渡って他の大陸に渡るのも良いですね。でも、スノーエンド公国以外は、ボルシュタイン侯爵領を必ず通らないといけませんし、スノーエンド公国しか選択肢はありませんね。ほとぼりが冷めたら、他の国にも行ってみましょう。


北へと街道を進むミストリアは、端から見れば、一目で良いところのお嬢様だと分かる。これを放っておく賊はおらず、王都を出て直ぐに、森から賊が現れた。


「よお、お嬢ちゃん。ちょっと俺達と遊ぼうや。なぁに、悪いようにはしねぇさ。直ぐに気持ちよくしてやるからよ。ひひひ」


「...お断りいたしますわ。私、あなた方のような方とは子供は作りたくありませんもの。」


「.....てめぇ、自分の立場がわかってんのか?こっちは20人だぞ?舐めやがって...てめぇら!この女を孕ませてやれ!どれだけ泣き叫んでも容赦は要らねぇ!」


「「「おう!!!」」」


一斉に賊が襲い掛かってくると、ミストリアは片手剣を構え、襲い掛かってくる賊を、目にも止まらぬ早さで次々と斬り伏せる。


「おい!なんで、こんなお嬢様が強ぇんだよ!おかしいだろ!」


学園の剣術の授業では、騎士団長の息子や教師まで圧倒するほどの強さを発揮しており、学園内でも『姫騎士』と称されるほどであったが、勿論、賊がそんなことを知るわけもなく、あっという間に賊は全滅した。


「今後もこう言うことがあるのでしょうか?面倒ですわ。何か対策を考えないといけませんね。」


その後も、10分おきくらいに賊に襲われては、返り討ちにすると言うことを繰り返し、夜営をする頃には、精神的にささくれていた。


なんなのですか.....王都の周りってこんなに賊が出るんですの?...騎士団は何をしているんですか。絶対に職務怠慢ですわ!もう、賊討伐は結構ですわ!!!


その日の晩は、やけくそになり「夜這いされてももう良いです!」と思いながら寝るも、周りの賊達は、今日の賊大量討伐の噂を聞き、あのお嬢様が、ただのひ弱なお嬢様ではなく、手を出してはいけない危険人物だと判断し、襲われることは無かった。






一方、王城に住むフェルモンド連合王国の国王は、1枚の血文字で書かれた手紙を震える手で読み、真っ青になっていた。


「あのっ!馬鹿息子!!!何てことをしてくれたんだ!!!」


手紙には、『我が侯爵家の至宝、ミストリアへの言われなき罪と、非情な行いを私は、決して許さない。どう責任を取ろうが、我が侯爵家は王家を敵と見なし、フェルモンド連合王国からの離脱を宣言する。


ボルシュタイン侯爵』


アリスへ行われたとされていた嫌がらせは全て、アリス自身の自作自演だったと、騒ぎに荷担した多くの学生が、侯爵の“説得(脅迫)“に応じ、真相を話したことによって、ミストリアの無実は証明されている。


国王はこの事件が発覚したとき、直ぐに王太子とアリス嬢を王城へと呼び出し、国家争乱罪で投獄が確定していたアリス嬢は即行で投獄され、王太子は国王から真相を聞かされ、説教されると顔を青くして、「う、嘘だ!そんな、そんなこと...嘘だ!」と半狂乱に陥り、騎士達に連れられて自室へ軟禁された。


それからは何度もボルシュタイン侯爵家へ王家の使者を送り込むも、使者は首だけで返ってくるのみで、内戦へと事態は進んでいった。






そんな事も知らずにミストリアは今日も、スノーエンド公国へと旅を続けており、遂に国境を超え、雪に閉ざされた国。スノーエンド公国へと入った。

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