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マッサージと部屋着問題

翌朝、目を覚ますと、目の前に綺麗な顔がありました。

ララノアさんです。昨日から、同じ宿に泊まる事になったのですが、「折角だから、一緒に寝ましょう!」と言われて、同じベッドで寝たのですが、何だか、お母様と寝てるみたいで、程よい安心感にぐっすりと眠ってしまいました。お陰で、体が軽い気がします。ここ数日は、朝を迎えたくないと思って、寝付きが悪かったのでそのせいでしょうか?


ララノアさんもしばらくすると起きてきたので、身嗜みを整え、ララノアさんと食堂へ向かい、アルベルトさんと合流し、朝食を摂ります。


「では、今日の予定を発表します!」


ララノアさんが、唐突に仕切りだしました。アルベルトさんの方を見ると、『またか』と言いたそうな顔をしてるので、ララノアさんが唐突に仕切りだすのは、いつものことのようです。


「今日はねぇ、部屋に籠ります!」


「え?」


部屋にこもるって、私、昨日もしたのですが...


「おい、ララノア。それじゃあ、ミストに伝わらないぞ。ちゃんと説明しろ。」


「む~、ちゃんと説明するつもりだったもん!.....ゴホン!えっとですね、まず、ミストちゃん!」


「は、はい!」


「ここ数日、限界まで体を動かしてましたね!」


「はい!」


「疲れた体は、怪我や病気の原因です!訓練の成果も落ちます!ですから、今日は、私がミストちゃんをマッサージして、ミストちゃんの体を徹底的にリフレッシュさせます!」


え?つまり、ララノアさんが今日、1日かけて、私の体をマッサージでリフレッシュさせると言う事でしょうか?


「と言うことで、朝御飯を食べ終わったら、ミストちゃんはお部屋にレッツゴー!アルベルトは...大陸一周でもしてきてよ。」


「おい!まだ根にもってんのか!」


大陸一周?!それに、根に持つって、アルベルトさん、ララノアさんに何かされたのでしょうか?


「じゃ、そう言うことで、今日は、予定通りにお願いしますね♪」


「え?本当に俺、大陸いっs.....」


「...早く食べ終えて、行け。」


アルベルトの朝食のパンに氷の針が突き刺さり、ララノアはミストに聞こえない程度の小声で、満面の笑みを浮かべながら、アルベルトへ死刑宣告を告げると、アルベルトは大急ぎで食事を終え、宿を出ていった。

本当に大陸を一周して帰ってくるのであろうか?





「じゃあ、楽な服に着替えようね~」


ララノアさんがアルベルトさんに何か呟き、急にアルベルトさんが朝食を胃の中へと詰め込んだかと思うと、大急ぎで宿を出ていきましたが、どうしたのでしょうか?ララノアさんに聞いても、「ちょっとした用事だから、気にしなくて良いよ~?」としか言われません。


そして、部屋に戻り、マッサージを始めようとしたときに、ララノアさんから着替えるように言われたので、手持ちの数少ない服から楽な服を選びます。


これが良いですね!


「え?み、ミストちゃん?それ、着るの?と言うか、何でそれ?」


「え?だって、安くて頑丈そうで、楽そうだったんですもの。」


選んだのは、国境を超える前に寄った町の裏通りにあった、寂れた古着屋さんに置いてあった、貫頭衣です。所謂、奴隷服ですね。


「いやいや、え?買った理由は理解したくないけど、理解したとして、元貴族様なんだよね?着るのに抵抗なかったの?平民でもそれには抵抗あるよ?」


「実用性一択ですわ。今の私に、まともな服を買う余裕は無いのです!」


「...何だか、コメントしにくいんだけど.....取り合えず、抱き締めておくわ。」


何だか、哀れなものを見る目で見られて、不服ですが、抱き締められました。はい、安心感たっぷりで心地よいですね。


「まあ、その服は外で着ないようにして、部屋着ならもういっか。今度、買い物に行きましょう。私が服買ってあげるから。」


「いえ、大丈夫ですわ。問題はありませんので。」


「........」


何だか、理不尽です。また、哀れなものを見る目で見られました。


その後、服を着替えて、ララノアさんの指示に従って、ベッドの上へとうつ伏せに寝転びました。


「さて、久し振りにマッサージするわね。まずは、肩からいきましょうか!」


ララノアさんが肩を揉み始めると、どれだけ肩の筋肉が固まっていたか分かりました。


「うわぁ、むっちゃ固い!」


「あぅ...気持ちいいような...ひゃ!?、くすぐったいような...はぅ.....」


それから、肩からどんどん下へとマッサージしていき、気が付くと、夢の世界へと旅立っていました。

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