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声がした

(星が見えないなぁ)


学校帰りで暗い夜道を1人歩く私、木口虹は、雲のない空を見上げながら思った。

昔はこのあたりでもきれいな流れ星や星座が見えていたとおばあちゃんから聞いた事があった。

なのに、今は流れ星どころか星もほんの少ししか見えていない。


(まぁ、見えても何座かわからないけどね)



上を見ながら歩いていると、電柱にぶつかりそうになった。

慌てて前を見ると、遠くに赤い光。

今まであんな光見たことない。どこか忌々しい、でも引き付けられるような不気味な光。

興味だけで走って近づくと、


(……ロボット?)


そこには犬の形をしたロボット。さっきの赤い光は目からだ。

おもちゃ売り場とかでキャンキャン吠えている可愛らしい姿ではなく、金属で出来ていることと赤い目を除くと本物そっくりだ。

赤い光が私を照らす。


「キグチコウ?」

ロボット犬に名前を呼ばれ、驚きながらも返事をした。

「そうですけど……」


疑問に思うべきだった。

なんで、夜道にロボット犬が置いてあるの?って。



その時は、今どきの科学はすごいな、としか思っていなかった。

そう、それだけ。





「ターゲットハッケン」


さっきまで全身を照らしていた光が足元で一つに集まり、次の瞬間には破壊音、爆発音、そして立ち上がる煙。


煙がなくなって見え始めたのは、コンクリートの歩道に開いた小さな穴。

小さいけれど、その破壊力は確かで中指がまるまる入るぐらい深い。


「ツギハハズサナイ」



アクセントを感じない機械声に恐怖が背中を走った。


(逃げなきゃ……!)


頭でわかっていても体が動いてくれない。

必死になって動かそうとするけど、赤い光が急かすように動く。


「誰、かっ……!!」

怖さのあまり、カスカスな声で叫んだとき。





「もう大丈夫やで」


優しい声がした。




「緑のつた(グリーン・ロープ)」

ロボット犬がどこからともなく現れたつたでグルグル巻きにされ、赤い光が隠される。

「水の拘束(ウォーター・ロック)

その状態のロボット犬はどういう仕組みなのか、無重力の水の中にいた。

丸い水の中でジタバタともがいていたロボット犬は、しばらくして静かになった。




一度にたくさんのありえない事が起こる。


それは、人を気絶させるにはもってこいな事だ。


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