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異世界にて捨てられました  作者: 乃愛
捨てられた二人
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新人からの脱出

「報酬の25000ユールです。お受け取りください」


 首輪のような形をした機械に腕を通しお金を受け取るレナ。大金が手に入って財務大臣としてはうれしいかぎりだろう。

 お金に加えギルドランクは最底辺のFから一気にCまで上がり受けれるクエストも大幅に増えた。

 ちなみに説明によると合計金額が500ユールでEに上がり、2500ユールでD、25000でC、125000でB、250000になるとA級になるらしい。現在A級のギルドは3しかなく、この辺りまで来ると1つのクエストで報酬が金貨数十枚が最低報酬らしい。

 最後に手に入れた宝石もしっかりと売りさばきこちらは合計10000ユールとなった。

 

「装備買いにいこうか」


 ギルド連合を出た俺達は早速メルさんオススメの装備屋へと向かった。

 本当に一番先にクリアしてきた俺達にお馴染みの顔を見せてくれたメルさんだった。

 10分ほどで目的のお店が見つかり、別れて装備を探し始める。


「んー、魔法師は鎧と杖、アクセサリーだけか…」


 力を鍛えていない魔法師は重い装備だと動けなくなるのだろう。

 だが俺の場合鎧をつけても殆ど変わらない。ただしつけても変わらない。

 体すら覆ってくれれば魔法付加で効果を高められるし、魔力をまとって戦う俺にはそれすら必要のない場合が多い。

 だから俺が買うのはデザイン優先だ。そして探しまわった結果いいものが二着見つかった。

 一着目は黒を基調としたデザインで、値段も1500ユールとお手頃だ。

 二着目は白を基調としたデザインで、こちらは2300ユールとお高めだ。

 

「むう…レナの色に合わせるか」


 そう決めた俺は早速レナの鎧を確かめるため鎧コーナーへと歩き出した。


「こっちが動きやすそうだけどな…さすがにはずかしくて見せれないな」


 どうやらレナは一応機能性も重視しているようだ。

 だがさすがにその鎧は勘弁してほしい。理由は簡単!目のやり場に困ることだ。レナが見ていた鎧は動きやすさを重視したようで布地面積がとても少ない。下から何か着るにしても体のラインが強調されるので結局目のやり場に困る。

 

「レナ…鎧なら魔法で軽くできるし好きなの選べば良い」


 いきなり声をかけられて驚いていたのか、顔をあげようとしないレナ。耳が赤いのは気のせいだろうか?


「う、うん。そうだね」


「何固まってるんだ?」

 

 俺の問いにさらに縮こまるレナ。これはこれで可愛いのだが選んでもらわないと困る。

 数十秒そのままの状態だったが、ようやく鎧を選びはじめたレナ。服で迷う女子というものは何度か見たことがあるが(レナに強制的に連れられた)、鎧で悩むところをみるのは初めてだ。

 二人でいくつかの鎧を見て回り結局レナも2つに絞られた。

 一つ目は黒を貴重とした鎧。値段は3000ユールとお高めだ。

 二つ目は白を基調とした鎧。値段は2800ユールとお手頃だ。


「む…レナも黒と白の2色か」


「ん、そう言えば私の色で決めるって言ってたね。一度見せてよ」


 レナをつれて選んだローブを見せる。

 

「…黒にしよっか」


 ローブを見てそう決めたレナ。俺に白は似合わないようだ。

 二人で合計4500ユールしか使ってないのでまだまだ余裕がある。

 アクセサリーなどを買って戦力を高めようと決め、結局合計12000ユールとなった。


「んー久しぶりにたくさん買ったね」


「これ全部に魔法かけるのか。面倒くさそうだな」


 結構な量となった装備たちとレナを、荷車に乗せて次の場所へと向かう。

 鄙の宿亭に置いてきたライトに引かせればよかったと思いつつ次の目的地へと向かう。


「次はどこに行くんだ?道しか教えてもらってないぞ」


 俺の質問に「な・い・しょ・!」なんて可愛らしく答えつつ、少し笑っているのが気になる。

 歩くこと20分。レナの言っていた目的地へついた瞬間俺は帰りたくなった。


「服屋か…俺ここで待っとくよ」


「だめ。レオンのも買うんだから」


 女子の買い物は長い。それはレナも同じである。

 結局抵抗もむなしく合計3時間の買い物に付き合い(俺40分レナ140分)、合計6000ユール分の服(俺1300ユール、レナ4700ユール)を買った。

 ずっとただただ付いていったので下着売り場に行くことに気づかず怒られたのもしかたないだろう。

 雛の宿亭に戻った俺達は、部屋へ戻って整理をしたりした後ご飯を食べて就寝した。

 次の日装備に魔法をかけるため約5時間の労働を課せられた…

 レナはその間アイテムを売ったり薬に必要な物を買ってきたりと忙しくしていたが、そのうちの数時間はまた服を買いに行ったことに俺は気づいている。だって戻ってきた時謎の包み(軽そう)と幸せそうなレナの顔を見ればわかってしまうじゃないか?






「報酬1000ユールです。お受け取りください」

 

 一日にして3つめの調合クエストである。合計報酬は4500ユールだ。

 レナは別のクエストを受けたようでこちらは合計3400ユールを稼いだそうだ。

 

「目標まであといくらだ?」


「最低でもあと12000ユール。できれば14000ユールは欲しいかな」


 レナが答えてくれた目標金額。あと数日で稼ぐことができるはずだ。

 俺達がダンジョンにも行かずクエストで稼ぎまくってる理由は1つである。

 それは…家を買うことだ。いや、正確にはお風呂に入ることだが。

 鎧に魔法を付加した次の日、ダンジョンから帰ってきた俺達はいつものように濡らした布で体を拭き、俺の調合したシャンプーで髪を洗っていた。

 桶に水をためれば髪を洗うことは簡単だが、体を洗うのは一苦労である。

 それが宿屋となればなおさらで、頭すら数日に一度しか洗えない。

 そんな生活に不満をもった生粋の日本人である俺達は「家を買って風呂作ろうぜ(よ)」という理由で金稼ぎを始めた。

 その後降りてきた二人の顔を見てロレシアさんが引いていたのに二人は気づいていない。

 翌日、レナは討伐系や採取系を受注し俺はいつもと同じように調合クエストをこなし9000ユールという最高記録を叩きだした。

 そして次の日、レナはロレシアさんが紹介してくれたリーブスさんという土地商人の方にお金が確保できたと報告に行き、俺は変わらず調合クエストを黙々とこなし続けた。

 一人しかいないため5000ユールしか稼げなかったが、一応目標金額達成である。

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