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不死鳥!-ふぇにっくす!-  作者: 起始部川 剛
第7章 ダークネス×フェニックス
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第8闇 赤き不死鳥とその言葉

 音も上げずに燃え崩れる化け物を見つめて、隣に並んだウィンドに聞いた。聞きたいことだった。

「……お前、どうして僕を選んだ」

「何、気紛れだ」

「同化できる確率がほぼ0%だって知っていたのか?」

「もちろん知っていた。わらわとしては、どちらでも困らん」

 ウィンドはにやりと笑った。考えてみれば当然だ。僕を助けようとしたんじゃなく、僕の体を乗っ取ろうとした結果、何故か僕は消えずにウィンドは同化してしまったのだ。僕からしてみれば考えられない悪行だが、彼女が黒くなっていないところを見ると、罪悪感というか、「黒」の意識が無いのだろう。便利なもので、不死鳥の場合、重要なのは憎しみや恨み等の感情なようで、殺意や悪意は「黒」の対象ではないらしい。そう考えると、僕が吸血鬼の時に「黒」くならなかったのもおかしく思えるが、僕が彼を憎み切れていなかったのかもしれない。


 人間視点から見れば理不尽だけれども、あの時の僕は化け物視点からも見る事が出来たから、化け物視点からしてみればおかしくもない極普通の行いだ。

 人が豚を食うのと同じ。釣りをして、捕った魚を持って帰るのと同じ。罪悪感等そこには存在しない。

「お前は悪魔かよ」

「いいや。不死鳥だ」


 僕は、人目もはばからず、パソコン室で紅い少女と話をした。不思議と、誰も僕らの事を怖がりはしなかった。まるで、星空を見るような眼で、僕達を見つめていた。

「龍は、僕達と闘いたいのか?」

「さあ。わからん。だが、そうかもしれん。この辺りに潜んでいるのも、自分と戦える者の臭いを嗅ぎつけたからなのかもしれん」

「やっぱり、戦闘か。仕方ないな……ほっとけば、また、こんな事件が起きるかもしれない。……僕じゃ倒せないけれども、お前となら、いける気がするよ」

「フン。期待するな。わらわはいつも通り、お主の中で観戦と行かせてもらう」

「それじゃ、負けるよ……この引きこもり少女め」

「汚れるのは嫌だからな。だが、お主にわらわの力を殆ど貸す」

「そんなことできるのか?」

「なあに、少しばかりリスクはあるがな」

「リスクって?」

「お主とわらわは、今まで複雑に絡み合った魂の糸だった。それが一本になるというだけだ」

「どういう事だ?」

「今と変わらん。ただ、思考が、痛みが、感情がすべて共有になるだけだ」

「うるさくなりそうだな」

「全くだ」


 静かに、僕達はパソコン室のベランダから飛び降りた。僕達の世界は、廻っている。

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