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不死鳥!-ふぇにっくす!-  作者: 起始部川 剛
第6章 ゾンビ×ハツカ
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第4腐 人魚姫とヘルプミー

 僕が意識を取り戻した時には、日付が変わっていた。時間的に、少し早いが今起きても問題ないという時間だ。連休は、3日とも須藤と遊ぶつもりだったし、早めに用意をしといたほうがいいだろう。


 僕の隣で可愛らしい寝息を立てて幸せそうに眠っている死神を起こさないように、軽く頭を撫でてゆっくりと立ち上がる。


 それにしても、僕が意識を失うなんて珍しい事もあるもんだ。それだけ、メイの底力は恐ろしいという事だろう。それとも、別の何かか……


 着替えて、少し早目の朝ご飯を食べ終えて、ベッドにねっ転がって本を読んでいる最中にチャイムが鳴った。午前8時半。遊び始めてもおかしくないが、約束の時間よりも随分早いな、などと思いながらも玄関のドアを開けると、想像通り須藤雷花がそこにいた。


「よお、早いな。今から外でぶらぶらしても、店、開いて無くないか?」


 須藤が、少し困ったような顔をしながら、口を開こうとしたとき

「あ……」

 少し離れた位置で、誰かがつぶやいたのを、僕は聞き逃さなかった。魚住人美。

 以津花の、友達。河童に惚れられた人魚姫。


「魚住? どうした? 以津花ならもう部活だけど――」

 魚住に声をかけると、魚住は恥ずかしそうな顔をしながらとてとてと近付いてきた。


「ううん。今日は以津花ちゃんじゃなくて、燈火さんに用があるの……」

「へ? 僕?」

 珍しい事もあるものだ。しかし、どうもこの誤解を招くような言い方は、須藤の前で行ってほしくないものだ。須藤の下ネタに対応する僕の気持ちにもなってほしい。

「……」


あれおや?何この沈黙逆に気まずい。


「あれ? 須藤? どうした?」

僕が尋ねると、須藤はパッと顔を上げてぶんぶんと首を横に振った。

「え? 何がだ?」

「いや、いつもみたいに、何か言ってこないのかなって」

「え……あ、ああ。忘れていた」

ばつが悪そうに頬を人差し指でかいた須藤だが――やはりどこか様子がおかしい。

「まあ、いいや。で、どうしたんだ? 何か用?」


 魚住は、軽くうなずくと、ポーチの中から携帯を取り出して、カチカチといじった後、僕に画面を見せた。

僕が見るより先に、須藤が中身を見て、

「あ、それだ。オレもそれで燈火に相談しようとしたんだ」

とつぶやいた。


 魚住の携帯の中には助けてとだけぎっしり書かれたメールが送られてきていた。


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