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不死鳥!-ふぇにっくす!-  作者: 起始部川 剛
第1章 ストライク×フェニックス
1/60

第1羽 独りの男と赤い鳥

自分はプロローグ的なものを書くのが苦手なので、少々雑な面が多いかもしれませんが、我慢して読んであげてください。

基本主人公語り手で進行していきます。



(2015/09/20)

(2019/07/30)何らかの形で復活を考えているので、ちょくちょく修正、加筆を開始していきます。頭にスペースを入れました。今後他の話も更新予定。


 聞きなれたチャイムが鳴った。その音を聞いて、僕、鬼冴三燈火きざみとうかは眼を覚ます。今日最後の授業が終わった。担任が、通り魔がどうとかどうでもいいことを言っている。

 正直どうでもいい、そんなこと。どうせ僕には関係がない。

 まだ頭がすっきりしないが、帰りの支度を済ませて、足早に教室から立ち去る。


 放課後は、教室で友達と話す奴、校門で友達と話す奴、沢山いるが僕はどのグループにも属していない。

 その空気の中を一人で帰るのは気が引けるので、僕は生徒が溜まり始める前に家に帰るのだ。


 とはいえ、家に帰っても何もすることがない。故に僕は日課を行う事にしている。



 白波(しらなみ)公園。この公園は、近くにいくつかある公園の中で、一番落ち着いている。遊具が少ないので、子供も少なく、木々も多いのでのんびりできる。

 木陰のベンチに腰を下ろして、本を読むのが僕の日課だ。(日課と言っても週1、2回だが)



「うん。やっぱり落ち着いているな」


 とりあえず、手提げかばんの中らか今回読む本を取り出す。ごく普通の古典である。ラノベも嫌いではないのだが、あーゆーのを外で読んでいるとなんだか恥ずかしいので、ここで読む本は大体古典である。


 お気に入りのベンチに近付いた時、ベンチの後ろの植木が不自然なことに気付く。

 枝が折れており、中心部に何か大きな物を落としたようなへこみがある。そのへこみを中心として、植木が焦げていた。

 花火でも投げ込んだのか?迷惑だ。僕のお気に入りのベンチの落ち着いた風景を壊しやがって。


 本を読むときは茂みに背を向けるので、視界には入らないが、後ろにゴミがあると思うと落ち着かないので、ゴミを片付けようとその植木に近付く。


 数歩歩いたとき、ガサガサと、その植木の中心部のへこみで、何かが動いているような音がした。


 ネコでもいるのか?


 今日の弁当に入っていた鮭の塩焼き(の皮)があるから、あげてみるかな。

 そんなことを思いながら、僕はへこみを覗き込んだ。


「うわ……」



 思わず声に出してしまった。

 それ程までに美しかった、

 それは鳥だった。大きい、恐らくタカくらいある赤くて美しい鳥。

 その赤い鳥は、もう瀕死のようだった。僕は獣医ではないので詳しくはないが翼は傷つき、体に大きな傷がある。猫にでも襲われたのかもしれない。


「大丈夫か!?」

 反射的に、そう叫んで、その鳥を抱きかかえる。

 抱きかかえると、ほのかに温かかった。多分、人間の体温よりはある。熱いと 言っても過言ではない。夏場の、日の当たる所の砂と同じくらいの温度だ。


 そんなことを考えていると、その鳥は不意にこちらを見た。


 まるで僕を見つめているようだった。とても悲しそうな目で――助けてと訴えているようだった。


「大丈夫か……? 今助けてやる」

 言葉は通じないとわかっているが、そう言葉をかける。


 なんつーか、安心させたいというか、まあ、言葉が通じないけど、言っとかなきゃいけないみたいな――

「わらわを、助けてくれるのか……?」


 アニメに出てくる少女のような声で、鳥は苦しそうに喋った。


 喋った――!?


「うわぁ!?」


 驚いで、鳥を落としそうになるが、ぎりぎりの所で落とさずに済んだ。

 しかし、喋る鳥なんて……そんなまさか



「気持ちは嬉しいが、わらわはもうダメだ……治癒能力が限界に達しておる。それに、お主に迷惑をかけるわけにはいかんからのう……」


 治癒能力?何を言っているんだこの鳥は!やばいぞ。これは絶対に、妖怪変化の(たぐい)だ。鳥が喋っているという時点で危険な匂いがするが――やっぱりもう匂いがプンプンだ。アンモニアのごとし。

 え? これ警察に言えばいいのか? アレ。警察の番号なんだっけ。119だっけ? 畜生! 落ち着け。


 僕は、とりあえず出したスライド式の携帯の暗い画面を除いた。暗い画面は光を反射して鏡のように僕を映す。そこには見慣れた僕の顔と、フードをかぶった男の姿。


 ん? なんで僕以外に人が映って――――



 突如、背中に鋭い痛み。口から何か液体のようなものが出てくる。手で口を拭って、自分の手が血だらけになっていることに気付いて――状況を整理しようとするが――あれ?バランスがうまくとれない。

 僕はそのまま、抱いている赤い鳥を庇うような形で、その場に倒れこんだ。何が起こったのかわからず、とりあえず、立ち上がろうとするが、うまく体が動かない。




 視界に、龍の描かれた黒いフード付きのジャージ的なものを着た、手に血の付いたナイフを持って走り去る男の姿が映った。


 あたりに血の水たまりが出来ていく。その中心に僕がいることで、僕はようやく自分に何かが起こっていることを察知した。


 え? 僕は刺されたのか……? 嘘だろう? ――通り魔がどうとか言ってたよな。担任が。ちゃんと聞いておけばよかったよ。いまさら後悔しても遅い。ここは休日でも殆ど人がいないような公園だ。見つかった頃にはもう手遅れだろう。

僕に抱かれている赤い鳥が、必死に何かを叫んでいるようだが、僕は既にその言葉を聞き取ることが出来なかった。

 意識が朦朧として来た。僕は殆ど感覚ない腕で、抱いている赤い鳥を大事そうに抱えるようにしていた。


 最後くらいはカッコつけたいな。何にしよう――あ。そんなこと言ってる間に意識が――――



 そんな感じで、僕の短い人生は終わりを告げるはずだったのだが――














◇◆◇◆◇◆◇

 ん?眩しい?朝か?――夢?

 僕は、窓から差し込む朝日で目が覚めた。時間は6時半。まだ少し早いが、夢なら夢でよか――――え?

 体を起こそうとして、僕は伸ばして寝ていた右腕に重量を感じて右腕を見た。そこには、10歳くらいのポニーテールで、鳥の羽で作ったようなふわふわした感じの服を着た赤い髪の美少女が僕の腕枕で寝ていた。

 これなんてエロゲ?

 ていうか、洒落にならないぞこれ!警察沙汰だ!

とりあえず、寝ている少女を起こそうとぺちぺちとほっぺたをたたく。柔らかい。起きないのでぷにぷにとつついてみる。柔らかい。

 さらに今度は――

「何をしておる?」

 やっべ。起きちゃった。とりあえず謝る。ごめんなさい。


「えーっと……どちら様で?」

「何を言っておる。わらわを忘れたとは言わせんぞ」

 えーっと、確か僕は殺される夢を見て――


そこでふと気づく。服装が学ランだ。いくら僕でも、そんな服装で寝るわけがない。

恐る恐る背中を触ってみる。――――学ランの背中に穴そして、乾ききっていないのか、学ランを触った手に血がついている――――え?昨日のは夢じゃない?なんで僕は生きているんだ?


「え?何コレと、言うか君は誰?」

「お主は昨日わらわを助けただろう。あの時お主に助けられたのが、わらわじゃ」

「……お前はあの時の鳥なのか?」


 確かに、言葉を話していたが、まさかこんなことになるとは。鶴の恩返しか?


「鳥と呼ぶな。わらわは、『ウィンド・ファイアーハート』だ」


 ほう。名前は日本風じゃないのね。と、いうか、どうして僕はこんなにも落ち着いていられるんだ。自分で自分が怖い。


「ウィンド……。聞かせてくれ。どうして僕は生きているんだ?」


「簡単な話だ。お主は化け物になったのだ」

「すまない。理解できない。化け物ってなんだ。化け物って」

「腕を見ろ腕を。自分の左腕」



 言われるがままに、僕は自分の左腕を見た。それは、恐らく自分の左腕なのだろうが、ひじから先が、赤い羽毛のようなもので覆われおり、指先には鋭い爪が生えていた。一つだけ言えることは、これは人間の腕ではないということだけだ。


「なんじゃこりゃああああああ!!?」


 家中に響き渡るほどの大声で、僕は叫んだ。ちなみに、僕の家は一軒家で、両親は共に単身赴任。

 今は、妹と姉と暮らしている。姉は大学が遠いため既に出かけており、妹は部活で朝早くからいない。

 よって家には僕しかいない。セーフ。


「うるさいな。安心しろ。その腕は、わらわがお主に力を与えておる間だけだ。いくらお主がわらわに憑依されて、人間では考えられない力を持っているとはいえ、すでに瀕死だったからのう。わらわが力を貸してやっとるのだ。――どれ、そろそろいいだろう」


 ウィンドはパキンと、指を鳴らした。と、同時に僕の腕は、人間の腕へと戻った。


「ふう。助かった。じゃあ、これで僕は人間に戻れたわけだな」

「いや。お主は死ぬまで化物だぞ」

「え?」

「だが、不死鳥だからな。簡単には死ねない」

「は?」


「――どういうことだよ?」

「お主とわらわは死ぬまで一心同体だ」

「え?」


 僕は、一生化け物――――?


「――ふう、一通り話したら、疲れたわ。わらわはしばらく寝るぞ」

 言ったと同時に、ウィンドの体が炎に包まれる。そして、その炎は、僕の方へと向かってきた。

 思わず僕は後ろに下がるが、炎は構わず。僕の胸に向けて突撃してきた。僕の体に炎がふれる。熱くない?

 炎は、吸い込まれるように僕の体の中に入った。


――『こんな感じに、わらわとお前は一心同体だ。お前が死ねばわらわは死ぬ。だが、お主はそう簡単には死なないだろう。この力をどう使うか、何も使わずに人間として生きるかはお主の自由だ…では、わらわは寝るぞ』


 頭の中でウィンドの声が響いた。



冗談だろ――?僕が、化け物――――?

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