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作者: O馬鹿者

 わたしは一生、人と繋がれない。

 家の中で芽を出し、家の中で葉を伸ばし、家の中で枯れていく。

 家という植木鉢の外には出られない。



 自我の種。

 支柱に支えられて花開く朝顔のように、順調に育っていくものもあれば、芽だけを出してそこからいっこうに成長しない種もある。

 わたしは一生土の中に生きる種。どこにも伸びてゆけず、いつまでも土の中で暮らす。それでも水と陽の光は与えられるので飢え死にはしない。種のままで生きてゆくだけ。

 ずっと土の中で暮らす。神様は育たないとわかっていても、種を世界に植える。

 朝日の眩しさも、青空の美しさも知ることなく、暗い土のなかで生き続ける。

 願わくば、根っこが土から引き剥がされてもよいから、世界の美しさを知って死にたい。

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