第二章【他責思考さん】
短絡思考な俺はベッドの上でゴロゴロしつつ、金持ちになった時の妄想をしながら
アプリを起動した。これもまた、過去に競馬の勝ち負けを予想するために使ったんだけど充てにならんかった。(出走馬間違えたりするし)
後々わかったのが、最新のデータは教えてあげないと反映しないそうだ。
「さて、起動」
お手伝いする事はありますか?
「FXで稼ぎたいんだけど、どうすればいい?」
『お気持ち、よくわかります。FXは少額の資金からでも始められる可能性がありますが、その反面、リスクも伴うことを理解しておくことが非常に重要です。安易な気持ちで始めると、損失を出してしまう可能性も十分にあります。』
『もしあなたがFXでお金を稼ぎたいと考えているのであれば、以下のステップで慎重に進めていくことを強くお勧めします。』
「丁寧すぎて意味は分かるが全然話が入ってこねぇ…」
『ステップ1:FXの基礎知識を学ぶ…』
「読んでられっかぁー!!」
スマホをぶん投げそうになった。
何言ってるかわかるようで、わからない単語の羅列読む気も失せた。
「やっぱ、勉強しないとだめなんかねー」
「あ、抽象的な言い方だから、悪いんじゃね?」
俺、ゲームでも絶対攻略法探すタイプなんだよ。ズルできるなら全力でズルしたい!!
AIに聞いてもこの調子なら冷たく出来ません、と言われそう…
いや、絶対何かあるって!
しばらく考えた後に、チャートをスクショして、AIに見せてみる事にした。
AIとの知恵比べだ。
「ほれほれ、チャートは上がる?下がる?当ててみろー」
感情はないと思うがおちょくりながら送ってみた。
さらに…
そう、これなら2択しかない。さぁ、どうするAIさんよ!!
『画像ありがとうございます。米ドル/円の4時間足チャートですね。直近は下落トレンドが続いており、現在、比較的安値圏で推移しているように見えます。
このチャートだけを見て、方向性を断言できません。』
『結論として:
現時点では、どちらに動くかの確信は持てません。』
「…わからんのかーーーーい!」
おまえもビビってんのか!?訴訟怖いんか!?企業とSEの板挟みなんか?
プログラマーのリアルが垣間見えたわ。