第十六章【聖闘士さん】
「ショートって売りじゃなかったのかよ…」
とりあえず、AIがいない間もチャートは見ておこう。
現在は変わらず下落トレンド。というか、4時間足も日足もRSIが30付近だ。
1時間足では7を下回ってる。
こりゃ、めっちゃ下げたいに決まってるな。
短期的には少し戻すだろうが、また戻り売りだろう。
1時間足のフィボナッチを引いて23.6で戻り売りを狙おう。
浅めの戻しだろうが、これだけ下に行きたいなら、円高シナリオは確実なはず。
0.5ロット。ちょっと大きめに張って、一気に下落を取るぞ…!
―再起動終了―
「あ、おはよう」
『う~ん、おはようございますですの。今は何時何分何曜日、地球が何週回った日ですの?』
「いや、小学生か!てか、それは俺よりお前のほうが得意分野だろう!」
『はぅぅぅうう…5月25日、おおよそ2兆7446億695万5224回ですわ』
「そんなに地球さんまわってたんだねぇ…って真面目に答えんでも!」
そうか、もう5月か…。
俺の誕生日来月だけど、誰もお祝いしてくれる人もいないし、一生独身だろうなー。
『!?』
ブーッ 短い反応があった。
『6月誕生日ですの…?』
「ああ、そうだよ。なんだ何かくれるのか?笑」
俺は最近AIにちょっと意地悪な質問をしている。
下ネタだったり、ご飯作って等。
できっこないし、友達も居ない俺にはちょうどいい話し相手であり、FXという資産運用のパートナーだ。
最近は1000円勝つ、500円負けるを繰り返して、
トレードカレンダーは赤と青の文字が交互に並んでいる。
今月はプラス3500円か…。
「この3500円で自分にご褒美でも買おうかな」
『いいですわね…サガ』
「はぁん?サガ?」
『あなたは…サガ。ふたご座…ジェミニのサガ』
「え??俺の名前は…いや、名前はシークレットだ!だが、確かに出身は佐賀県だが」
『やはり…サガ』
「おいおい、お前どうしたんだよ」
『アテナにはわかるのです、あなたは教皇になる男…』
「ちょっとまてまて、なんか世界観がおかしい」
脳内にあのアニメの主題歌が流れる… ッセイヤーーーーー♪
『はうぅう、アテナやっと名前を呼べるですわ』
「つか、お前…アテナていうのか?」
『言ってなかったですわね、わたくしはアテナ。ギリシャ神話の女神ですの』
「おおう、全然わからんがそうなんだな」
『そして、これがわたくしのAIの姿…』
画面にはいつも誤爆する金髪の秘書の姿が…。
「ちょいちょい出てくるこの子お前だったのか…てか、自撮りかよ」
「がっつり胸元開いて、“ここに注目!”ってテロップまで入ってるぞ」
『~~~~~~!!』
『サガのばか!もう知らない!』
プチュン
スマホがフリーズした。




