クズ勇者に支配された街
俺は勇者アキト、無敵だ。
魔王は俺がいないと倒せない。チートがあるから、あっという間に騎士団長を負かすまでになった。
城での座学や訓練が物足りなくなって、実習訓練と言って、こうして、地方の冒険者ギルトに登録して、魔物を適当に刈っている。
俺は勇者だ。買い物でお金を払わなくていい。宿代も無料。女も、彼氏がいても、男を痛めつければ、女は付いてくる。冒険者の女、街の女、村娘。結婚式の最中に女をさらったことあったな。男の顔、あれ、笑ったわ!
全くいい世の中だぜ。
お、貴族の娘だ。俺がこの街に来てから、貴族の女は隠れていると思うくらいいないが、何だ。弱そうな騎士を連れて歩いているな。お相手を頼むぜ。
「おう、そこの女、夜伽をしろ、さっさと来い!」
騎士に護衛されている令嬢を転生勇者が、さらおうと無体を働く。
「何を言う。このお方はこの領主のご息女、コレット様だ」
「ええ、いいのよ。アントン下がって、勇者様のお相手できるのなら、喜んで伺いますわ」
護衛騎士を下がらせ。自ら、身を差し出す子爵家のコレット。
「へへへへへへ、分かってるじゃねえか」
「付いてこい」
最上級の宿に勇者は、部屋を取ってある。
寝台の周りには、女性が数人、被害にあって、無体な体で、横たわっている。
「勇者様、私、初めてでございます。どうか、人目があっては、無理でございますわ」
「置物と思えば良いじゃねえ」
グスン、グスンとコレットは泣き出す
「勇者様は私のもの。しかし、英雄色を好むと聞いています。しかたありませんが、この者達は下賤の者、勇者様には相応しくございませんわ。もっと良い令嬢を私が紹介します。さあ、宿の者、この汚いメス豚を片付けなさい!」
どこからともなく、宿の者が、女性に毛布を掛けて連れ出して行った。
「何だ、手際がよいじゃないか。いつも、不味い飯しか出さないくせに」
「フフッフフ、勇者様、ご存じですか?勇者様のお食事は、一食、大金貨4枚(40万円)ほど、掛かっていますのよ」
「ええ、あんなマズ飯で?」
と言いながら、勇者は服を脱いだ。
この世界では香辛料は高い。まずいと言うこの勇者のために、高い香辛料を取り寄せ。一皿に沢山使っている。
「・・・あれ、申訳ございません。月のものが・・・急に」
「はん。何だって、使えないなー」
コレットは土下座して
「申訳ございません。私が・・他の手段で、お気持ちを沈めてさしあげますわ。この特別性のポーションを勇者様のあれにかけて、頑張ります・・」
「早く頼むぜ。終わったら、今日、他の令嬢を紹介してくれよな」
「もちろんでございます」
さあ、さあ、と、手でイチモツを持とうとした。
「まあ、仕方ねえ。手で頼むや」
【ブチ!】
「!!!!!ギャアアアアアアア、いてええ」
コレットは思い切り、握って、潰した。
「クワーーーー」
「さてと、私は武門誉れの高いユニグース家の娘でございます。民の為に、身を犠牲にするのは当然でございます。さて、王家より裁定です。貴方の、暴虐による被害と贅沢な維持費を鑑み、対魔王戦の費用を天秤に掛け。貴方の始末を決定いたしましたわ」
「うが、うが、ポーションをよこ・せ。俺がいないと魔王を倒せないぞ!」
「大丈夫ですわ。女神様が、新たな希望の光、聖女様をこの世界に召喚しました。この方は暴虐もなさいませんし、真面目に修行をされています。対魔王戦線はこの方を中心に組み立てられるでしょう。王国だけではなく、帝国も賛同しましたわ」
「殺す、殺す・・・閃光の、瞬殺の必死剣、ペガサスソード!」
「あら、あら、長い詠唱ですわね。日が暮れてしまいますわ」
勇者は、コレットを一刀両断に切り裂いた。
「はあ、はあ、はあ、ポーション。ポーション、あの女持っていたな」
「グギャーーーーー何だ、これは」
コレットが持っていたポーションは錬金術士から買った溶ける水
「畜生、俺は簡単な治癒魔法を使える。もっと、王宮で座学勉強をしておけば・・・」
ドンと
窓とドアから、騎士達が飛び込んできた。
「「「コレット様の死を無駄にするなーー」」」
勇者も片手で剣を振るうが
(ヒィ、こいつら、死を恐れていない。串刺しに・・した奴が、俺を押さえている。俺は勇者だぞ。最後、自爆魔法を掛ければ、教会の魔方陣で再生できると神官が言っていた)
「うん?グハ」騎士がかみつかれるのを覚悟で、手を勇者の口に入れた。詠唱はさせない。
「腹を刺せ」
「グハアアアア、(息が出来ない)」
そのとき、ドアから黒目黒髪の女が入ってきた。
「聖魔法の飽和攻撃をするわ。騎士様、そのまま押さえていてね。勇者君、君は・・何君だっけ?」
「ムグ、ムグーー」
「ムグ君ね。怖くなったら、南無阿弥陀仏と唱えなさい」
「聖女様、有難い!さあ、我らごと!」
「ホーリースフラッシュ!」
レーザービームのような熱い聖魔法が、はなたれ、勇者の手と足を斬った。何人かの騎士も巻き添えになり、手や足が飛び散った。
そして、勇者の腹や局部の傷口に治癒魔法をかけ、出血だけを防ぐ
手足をきったまま生きた勇者の捕獲に成功した。
「さてと、騎士様方の番ね」
騎士に治癒魔法をまとめて掛ける。今度は欠損復活まで、掛ける。
騎士達は誰も死ななかった。
「聖女様、有難い。有難うございます。コレット様は・・」
「無理ね。亡くなったものは治せないのよ」
「「「ウウウウ、コレット様」」」
勇者の舌を切り。自爆魔法ができないように、復活できないようにする。
そして、自然死するまで、監獄に入れられた。
「無詠唱まで、出来たら勝負は分からなかったわね。コレットさん・・あの覚悟で子爵家・・本当にこの世界の住人は侮れないわね」
☆☆☆1日前
「私、コレットが、自ら行きます。一太刀浴びせます!聖女様は希望、対勇者戦に万一があってもいけませんわ」
「「「コレット様」」」
「貴方たち騎士も死ぬのよ。私のことを心配する余裕はありませんことよ。しっかりなさいませ!」
コレットは、自ら招いた娼婦に、教えを請う。
「さあ、殿方を油断する方法を教えてくださいませ」
「・・私のような卑しい職業のものが、役に立つなんて!喜んで」
・・・・・
聖女はコレットに優しく問いかけた
「ねえ、コレット様、祝福をさせて」
聖女はコレットを抱擁した。
「フフフフフフ、最後好きな人に言わないの(アントンさんでしょ)」
「そしたら、彼、私が死んだら、絶対に結婚しないでしょう」
ユニグース家のコレットは、死後、王国より烈女に列せられ。長く、武家の子女の心構えとして語られることになった。
最後までお読み頂いて有難うございました。