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40,登場、六騎士・美美美美美美……あれ?


「アリスちゃん、無事!?」


 う、むぅ……フレア、か?

 そうじゃ、ワシは確か、イケメン・スカイサンクチュアリとか言う大陸に吸い上げられて、意識がトんだのじゃ……と言う事は、ここはそのイケメン・スカイサンクチュアリの上か?


 辺りを見渡すと……深い、森の中じゃな。鬱蒼としておる。


「良かった! 目が覚めたね!」

「うむ……む? フレアよ、他の者は……?」


 辺りにはフレアしかおらぬ。

 グリンピースや、気を失っておった他の者たちが見当たらぬ。


「吸い上げられている途中で乱気流みたいなのに揉まれて……みんなバラバラになっちゃったんだ」


 なるほどな。

 吸い上げられる際にフレアはワシを抱っこしておったから、ワシらだけは同じ場所におる……と。


「おそらく、その乱気流は偶然ではないな」

「うん。多分、ボクたちの戦力を分断する目的だろうね」


 確か、ここはイケバナのラストダンジョン……つまり、この世界でもトップクラスの連中の巣窟じゃろう。

 そこで戦力を分散されたと言うのは非常に厳しいな……厭な手を打ってくれる、イケメンカイザーめ……!


「であれば、ワシらが優先すべきは合流じゃな」

「そだね! ボクもそう思う!」


 グリンピースやプロメテスたちは手負いじゃし、勇者は無力な幼女状態かつメンタルも心配じゃ。

 合流を急ぐ……前に、フレアもプロメテスにやられたらしい火傷があったな。


「フレアよ。ひとまず貴様の傷を治療するぞ。万全を期そう」

「えへへ……何だかアリスちゃんに労わってもらえるの、前より一段と嬉しいにゃあ~」


 ……ワシも、神に気を遣う日がくるとは思っておらんかったが……まぁ、嫌悪は無い。

 貴様の人徳……神徳? ともかく貴様の性根の良さ故じゃろうな。


 などと考えておると、上空に異変が起きた。

 ジジジ……と言う快音の直後、空に薄い半透明の板のようなものが七つ表示されたのじゃ。ステータス画面のあれに似ておるが、かなり巨大じゃな。


 七つの板にはそれぞれ、一つずつ人影が映っておる。


『よう。魔王様とその愉快な仲間たちって話』

「ッ! この声は……!」

「アリスちゃん、知ってるの?」


 ああ、フレアは奴が現れた時、気絶中じゃったか。


「【美美美美美美(ヴィ・シックスメン)】とやらの一人……ダンダリィと言う闇イケメンの声じゃ!」


 察するに、あの七つの影の一人があやつか!

 そして、あの七つの影こそがマルクトハンサムとやらに仕えておると言う六騎士の――ん?


「一、二、三、四、五、六…………七」


 ……んん?


『ようこそイケメン・スカイサンクチュアリへって話。あらためましてって話だ。オレたちは至高イケメン・マルクトハンサムの六騎士こと――』

「……七人おらぬか?」

『ん? なんだって話だ?』


 こっちの声も聞こえておるのか。


「いや、察するに……その板に映っておる貴様らが、美美美美美美(ヴィ・シックスメン)とやらのメンバー、なんじゃよな?」

『ああ、オレたち六人が美美美美美美(ヴィ・シックスメン)だって話だ』

「……いや、七人、おるように見えるのじゃが」


 六人は美美美美美美(ヴィ・シックスメン)で、残る一人は至高イケメン・マルクトハンサムとやらか?

 それとも何かしらの冗談か?


『何を言ってやがるって話だ? そんな訳――』


 それから、しばらくの沈黙が訪れた。


『――え、なにこれ恐ッ』


 あ、普通に恐い奴か。


『待て待て待てって話だ……よし、一旦、点呼を取ろうって話だ。一席はオレ、ダンダリィ』

『ニ席ッ、クゼンヴォウだァッ!! 全力だッ!!』

『三席……リン・シェンヴ。健在すこやか

『四席のトビダンジョウでござるニン。問題無しでござるニン』

『五席じゃないよ。パンダンドラムでもないよ。無事でもないよ』

『六席、ジャンジャックです。特に異常はありません』

『…………………………フフッ』


 ……謎の笑い声を最後に、また耳に優しい時間が訪れる。


『………………よし! 全員一旦ロビーに集合って話だァ!!』


 少し震え気味のダンダリィの言葉を最後に、空中の板はブツンと消えてしまった。


「何じゃ、今の……」

「……さぁ?」


 ……とりあえず、フレアの治療が終わったら皆を探すか。


☆★イケメン豆知識★☆


美美美美美美(ヴィ・シックスメン)の席次◆

順番にこれと言った理由は無い。

記念すべき第一回六騎士会議の際、早く着いた順がそのまま席次になった。

闇属性の癖に一番早く会議場に入ってスタンバってるダンダリィを想像すると何か笑える。

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― 新着の感想 ―
[一言] なぜ一人だけパンジャンドラム?(笑) ……いやまあ、そういう名前付けたくなる気持ちは非常によく分かるんですが(笑)。
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