表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

多分相棒が主人公だと思います

作者: 僧侶A

 まだまだ冒険者駆け出しの頃、相棒と一緒にダンジョンに潜り始めた時、中堅冒険者すら苦戦するドラゴンに遭遇した。


 その時はダンジョン攻略の最前線を張っていた男に命を救われた。


「大丈夫か、少年よ」


 そんな言葉と共に。


 これだけならまだ不運を救われただけだ。


 しかし俺たちに向かってくる珍しいことはこれだけでは無かった。


 相棒と仲良くなった女が奴隷から逃げて来た奴で主人から守るべく戦うことになった。


 お忍びで街まで降りてきたこの国のお嬢様とお嬢様と知らずに仲良くなった。そのせいで国の兵士と戦わなければならなくなった。


 初心者狩りを生業としている盗賊と戦う羽目になり、負けそうだったが相棒がスキルを手に入れて勝利した。


 パッと上げるだけでも相当凄いものばかりだが、それ以外にも死にそうになると相棒は新たなスキルを覚えるかスキルを進化させる。


 冒険者をやっている中で出会った美女大体と仲良くなり、惚れられる。


 流石に相棒は主人公だと思う。


 俺は魔法使いであり、地道に図書館で知識を蓄えて強くなっているのだが、その息抜きとして英雄の本などを読んでいる。


 だから分かるのだ。相棒は英雄や主人公にあるあるなイベントをコンプリートする勢いで発生させている。


 多分俺以外もそういう本を読めば分かる。こいつはベッタベタの主人公だって。


 主人公になることを憧れている男の相棒が主人公になる。本当に皮肉なものだ。


 主人公の相棒ってことである程度恩恵は受けているので文句は言えないが。


 まあそれだけなら別に問題は無いんだよな。主人公とそれに並び立つ相棒。それはそれで悪くない。


 主人公ほどではないが主人公だ。


 だがしかし俺はこのままだと大問題なんだ。


 そう。この国のそういう系統の本だと俺は大体死ぬ。


 相棒枠は道半ばで死んでしまうのだ。


 俺は必死に探した。死なないパターンの相棒枠を。


 探している間にも色々イベントは発生した。新たな女が現れたり、新しい仲間が増えたり、相棒が英雄として覚醒する一歩を踏み出したりした。


 その中で俺も強くなった。現状だとまだ相棒と強さは変わらない。まだ死ぬことは無い。


 死ぬことを恐れ死なないパターンを探すこと1ヶ月。ついに見つけ出した。


 俺は相棒を裏切って一時的に敵に回ることにした。改心して味方になるパターンは死ににくい。


 しかしこれでも死ぬ可能性はある。改心して味方になった場合敵の攻撃から相棒を守って死ぬパターンが存在する。


 だからこそ裏切ってからな行動にも細心の注意を払う。


 ならどうするか。転移魔法と強力な防御魔法を習得する。


 攻撃を全て受け止めるか、当たる前に逃げれば良い。


 俺は今後現れる魔王側に付き、魔王側しか使えない転移魔法を習得する。


 これで完璧だ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ