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プロローグ
幼い頃から自分に対する他人の評価が常に気になった。
他人からの評価が自分のすべてだった。
誰かから必要とされ好かれていない自分など存在している価値が無い。
そう思っていた。
だからこそ、笑顔を絶やさず、面倒くさい事だって何も言わずに引き受けた。
たとえ馬鹿にされようとも笑顔を崩すことはなかった。
そうすればみんなから好かれ、必要とされると信じて疑わなかった。
実際みんなから好かれてると思っていた。
必要とされていると思っていた。
あの時まで。
「胡散臭いんだよね。お前って。」
一緒に仕事をしてきた、仲間だと思っていた隊の奴らは吐き捨てるようにそう言った。
嘲るような、蔑むような、そんな視線から俺は初めて、奴らからの信頼なんてものはなかったのだと自覚した。
信頼され必要とされていると思っていたのは、全て自分の幻想にすぎなっかった。
何を間違ったのか。
どこで間違ったのか。
どうすれば良かったのか。
好かれたかった。
必要とされたかった。
ただそれだけなのに…
そんなことすら出来ない自分の存在価値とはなんなのか
もう何も分からなくなってしまった。