運命
~夕神 美紗様~
あなたの魔力量は、世界魔法士協会の既定の魔力量が上回っているため、協会のメンバー入りしました。
規定により、検定試験が行われるので、次の通知が来るまでお待ちください。
世界魔法士協会
人選部門 神崎 直人
簡潔な文。世界魔法士協会は、確かに魔法士からしてみたら憧れの職場だ。
しかし、ランキング制度を設けているためもちろん、派閥争いなどで中は荒れている。新人つぶし等とあまりよくない噂も耳にするぐらいだ。そして何より、魔法犯罪が行われた場合、ランキングに応じた事件へと出動を命じられる。
中でもランキング上位の人物は、命令への拒否権を、行使することができる。しかし、それはランキングで100位以内だ。100位というと意外と広いと感じるかもしれないが、世界の総人口文の100人と考えると、想像しやすいだろうが、もはや人間をやめている。
美紗は確かに、3~4桁のランキングに入れるほどの魔力量はある。しかし、実戦経験どころか最近退院したばかりの少女を、戦場に駆り出す可能性のある組織に入れるなんて、馬鹿も休み休みに言えってもんだ。
この手紙を読んだレンヤは、静かに怒りを募らせていた。
世界魔法士協会は、情報戦においてもどの国よりはるかに上回っている。あたりまえだ、協力の魔法士が集まる場所なのだから。なのになぜ?
ミサが退院したばかりなのは、少し調べればわかることだ。なのに何を考えているのか。俺にはまったくもって理解できなかった。
「おかしいでしょう、ミサは退院したばかりだ。なのに魔法士協会に入るよう促す手紙が来るなんて。」
「……」
「シズエさん?」
「ああ、ごめんなさい。私からも協会に掛け合ってみるけど、まぁキビしいでしょうね」
この時レンヤは必死に、ミサを助ける方法を考えていた。しかし、魔力量も実践力も今のレンヤには足りなかった。つまり、何もできないのだ。
「レンヤが、ミサを守りたい気持ちはわかるわ。でも、今は無理。あなたには、力がない。ミサは、何とか周りからは私が、守る。これでも、851位の実力だからね」
「はい…」
その後、この話はいったん打ち切って夜ご飯の時にミサに話すことになったのである。