歯車
入学式はスムーズに進み、特になんということもなく終わった。
主席は、イケメンな青年で、2位とかなりの差が出ている。まぁ、自分とは縁がなさそうな人物だ。
とまぁ、入学式は終わり、クラス分け。クラス分けでは、ミサ以外の二人とは同じクラスになった。
「またこれからよろしくな、レンヤ」
「よろしくレンヤ」
「ああ、そうだな」
レンヤたちは、6組。対してミサは、1組だった。クラスは全部で10組まである。
「……」
ふてくされた顔でいるミサ。
ミサが一番、レンヤと同じクラスになりたがっていたのだ。これは、仕方がないだろう。
「ミサ、別にクラスが違うだけで学校はおんなじだぞ?」
「ん…」
「行きも、帰りも一緒ならさみしくもないだろ?」
「うん…わかった」
レンヤたちとミサは分れそれぞれのクラスに移っていく。
クラスは、机とPCが合体している。そして、授業は実技以外は基本的に映像の授業となっており、ノートを使う学生もほとんどいない。担任は、各クラスにおり、行事やホームルームなどを仕切っている。
初日は特に何もせず、これからの確認ということで授業は終わった。
帰宅途中に、カフェやら本屋など、ミサの行きたいところにより、帰宅した。
帰宅すると、なぜかシズエさんがいつもより早く自宅にいた。何かの手紙とにらめっこをしている。
「シズエさん、今日は遅いんじゃなかった?」
「今日は久々に、3人で夜ご飯だね」
「……」
「シズエさん、どうかしたんですか?」
「レンヤこれを読みなさい」
「なにこれ?」
この時、運命の歯車が動き出した大戸が、俺には聞こえた。