日常2
シズエを見送った二人は急いで登校の準備を始めた。今日は入学式。
二人が入学することになる高校は、魔法士科学工業高校。約300年前に各大陸の裏社会に息をひそめていた、秘密結社がもたらした、魔法という神秘をより科学的な面でとらえた事を学ぶところだ。それも、関東内では屈指の施設と、情報を扱っている。
この高校では、将来は世界魔法士協に就職をしたり、日本の軍部に入るものや、研究者になるものと分かれる。
「ミサ、学校どーする?」
「何言ってんの、行くにきまってるじゃん」
「いや、誰かと待ち合わせしていないのか?」
「ううん、してないよ。にーにといくから」
「ジュンペイと、カナもいるけど大丈夫だよな?」
「もっちろん」
高橋 順平。俺の中学の時の友人の中で一番仲がいい奴だ。そして、三上 加奈。順平の幼馴染で、よく順平と三人で遊んでいた。
俺は、クラスでは性格がよくわからない、冷たい奴だと思われているらしい。そのため、中学時代はあまり友達がいなかった。
ピンポーン
「おーい、レンヤ。早くいこーぜ。初日から遅刻はシャレになんねーからなー。」
「ちょっと、ジュンペイだって、私が迎えに行ったとき、まだ寝間着だったじゃない!
レンヤも早くー。」
「カナちゃんにジュンペイ、やっほー」
「おう、ミサちゃん。今日から、俺たちと通学すんのか?」
「うん。よろしくねー」
「うん、これから三年間ミサちゃんよろしくね」
ミサは、中学生という歳で魔法を扱うのに必要な、魔力の数値が高く、その数値を安定させるため、基本的に病院づめだった。多すぎる魔力は、時に器すら傷つけてしまうのだ。だが、中学最後の年にようやく安定し始め、今に至る。
対するレンヤは、周りよりかは少し多いかなという程度で、今から行く学校の中では、どちらかといえば、真ん中に当たる。しかし、その分座学の点数は非常に高い。
「行くか。ミサ忘れ物ないな?」
「うん、もちろん」
ガチャン