猫耳ィ!!
「くぁ〜……疲れた」
部屋のベッドでゴロゴロしながらため息を吐く。
あのあと、東郷、美玲は最後まで渋ってたけど諦めたらしく素直に泊まった
笹森さんと佐川は「よろしくっ!」と挨拶してくれた、良い人たちだ
「神月よ〜明日はどうすんだ?」
と、同じく隣のベッドでゴロゴロしていた瀬川が聞いてきた
「さぁ?ギルドに行って金稼ぎじゃないか?装備整えたりしなきゃならんし」
「あー、そうか。なぁ飯どうする?」
ゴロゴロしながら続ける
「どうするって、食べればいいじゃん」
ここはしっかりした食堂があるから夕飯も楽しみだ
「いや、あいつらと鉢合わせしたら面倒じゃん」
確かに、気にはしないけど鬱陶しそうだ
「軽く様子を見て夕食食べ終わってから俺たちが食べよう」
「そうだな」
これで話しは終了してその後は今まで俺が行った異世界の話しをしてここでも通じそうなものがあるか探して、その途中から黒衣さんが加わった。
そして結構な時間が経った
「そろそろ夕飯食いに行きますかー」
座っていたベッドから立ち上がり伸びをする。基本的に話す側だから非常に疲れた
「そうね、流石にもう食べ終わってるでしょ」
「正確な時間はわからんがな」
瀬川の呟きにそうなんだよなぁと頭の中で同調する。
この世界に時計は存在しない、変わりにそれぞれ街の中心にある鐘が二時間程くらいの間隔で鳴るからそれで決まっている。ざっくりしてるなとは思ったけど元の世界のキッチリした時間よりこっちのアバウトな方が好きだったりする
「あぁ、あんたたち。夕飯なら席座って待ってな」
階段を降りて、入り口から見て右にある食堂へ入ると女将さんが俺たちに気づいた。
おとなしく席に着こうとしたら女将さんが声をかけてきた
「あ!悪いけどあんたたち、料理はできるかい?」
と言われて三人で顔を見合わせる
「俺はできるけど……二人は?」
「俺もまぁ人並みには」
「私も」
「そうか!三人共できるんだね、ならちょっと手伝ってくれないかい?娘と旦那がちょっと今いなくてね」
客に手伝わせていいのか?と思ったけどまぁいいか
「「「わかりました」」」
と言う訳で料理完成、三人で別々の物を作ったからすぐにできた
「ありがとうよ、皿持っていって勝ってに食べていいよ」
「はいわかりました」
三人で皿を持ってさっきの席に着く、そしてみんなが座ったの確認してから食べ始める
「「「いただきます」」」
料理はみんな上手くてめちゃくちゃ美味しかった。
三人で料理をつつきながら話していると入り口から「ただいまー!」と言う声がして振り向くと猫耳の女の子が立っていた
「「「ね、猫耳だっ!!」」」
またまた三人の声が被る、俺この二人なら仲良くやっていける気がする
「猫耳だからどうしたの?」
キョトンとした顔をしている猫耳さん。あれ?この世界じゃ普通?
「どう思う?」
「猫より犬の方が私は好き」
「いや、そうじゃないから。この世界じゃ獣っ子は普通なのかって話しだ」
「あの人の反応を見る限り普通なんじゃないか?でも一日中街歩いてたけど誰も見なかったし……」
「ん〜?聞くのが一番早いんじゃない?」
「だな」
テーブルを囲ってコソコソ話していたからか、女将さんも猫耳娘さんも変な目で見ていた
「すいません、俺たちがいた所では獣人はいなかったので」
「へぇ〜、ところがあるんだ……もしかして人間しかいなかったの?」
「えぇ、まあそんなところなの。だからだから種族について聞いておきたいの。私は黒衣紗姫」
「俺は瀬川 智也」
「神月 玲だ」
「もちろんだよ!紗姫に智也に玲だね、私はカミュ!よろしくね」
俺の話しで納得してくれたらしい猫耳娘……カミュさんが元気よく挨拶した
「種族の話しだったね?あ、お母さん!ジュース頂戴」
「はいはい」
この世界にもジュースがあるのか、そうして出てきたのはオレンジジュースにそっくりな飲み物だった
「それは?」
「ん?オレンジジュース」
あ、やっぱりそうなんだ
「それで話し戻すよ。種族は全部で六つで『人間』と『エルフ』と『ドワーフ』、『フェアリー』私たち『獣人』、そして『神族』」
「獣人までは何となくわかったけど神族って?」
「まぁ待ってよ、最初から説明させてよ。おほん!まずあなたたちの種族である人間、突出した能力はなくて良くも悪くも平均的、だから何にでもなれるの」
器用貧乏ってことだな
「エルフは魔法に特化してるけど身体能力は低いの。ドワーフは手先が器用で力持ち物作りが得意なの」
概ね異世界ファンタジー通りだな
「私たち獣人は身体能力が強い代わりに魔法が使えないの、フェアリーは『精霊魔法』っていう特有の魔法を使うらしいの」
「精霊魔法?」
ここで瀬川が口を挟んだ
「精霊魔法は私も詳しくは知らないの。霊獣っていう特別な生き物の力を借りてるらしいぐらいしか……それで『神族』は全種族から生まれてきてその人だけが持つ『固有魔法』が使えるの」
「何で神族って名前なんだ?」
「その固有魔法が神様の様な奇跡の力だからみたいだよ。具体的には空から星を降らしたり天気を操ったり」
何そのチート紛いの奇跡
「あれ?でもそれどうやって知るんだ?確認する方法がないじゃん」
「えっとね、ギルドなんかに水晶が置いてあるんだけど、その水晶に触れると自分の適性魔法とかが色で大まかにわかるの。それで固有魔法を持ってると銀色に光るんだ」
そんな便利グッズがあるのか、明日行くからそのとき見れるか
「それであんまり関係ないんだけど、金色に光ると勇者の証って言われてるんだ」
「勇者?」
「そ、金色は固有魔法に加えて全属性の魔法に適性があるって意味だから」
ホントに関係ないな……あ、でもうちのクラスになら一人ぐらいいるかも、イレギュラーだし
「話すことはこれぐらいかしらね」
ふぅーと一息ついてジュースをグイッと煽る
「助かったよ、ありがとう」
「いいよ別に、そうだ!あなたたちが住んでたとこのこと教えてよ、全然違うみたいだし」
そこからは女将さんに寝ろと言われるまでお互いに楽しく話して過ごした。
どうやら夜は十時の鐘以降は鳴らないらしく体感時間で日付が回っていると言われてしまった
そして次の日……
「くぁー……良く寝たわ」
向こうで深夜過ぎが本番の俺たちはあの時間に寝るのは早いんだが、瀬川はまだ寝ていた
「やっぱり異世界に来て疲れていたのかねー……起きろ」
と、思いつつも腹を蹴って起こす
「げほぁ!……次からはマシな起こし方を要求する……」
「善処しよう」
一発で覚醒する辺りは流石だな。
準備して部屋を出ると黒衣さんが丁度出てきたから一緒に降りて食堂で朝ご飯を食べている……と
「おはよう、神月君、瀬川君、黒衣さん」
大澤たち食堂へやってきた。笹森さん手を振り佐川は手を上げてくれたが東郷と美玲は相変わらずだった
「ふぁ〜……あ、おはようみんな」
その後ろからカミュが眠そうな顔でやってきた、ただ服装が昨日は普通の服だったのに今は皮でできた胸当てや要所を守る装備に剣を腰から提げていた。
カミュってもしかして……
「ね、猫耳ィ!!」
そこまで考えていると突然、昨日と同じような叫び聞いた。
声の主は意外なことに笹森さんで、カミュを見ながらあげていた




