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若作りする私(桜)

今回は昨日のお爺さんのお隣の樹です。


この二人?の周りは大きな樹が二本もあるせいで樹がなく、広場のようになっています。


あ、地面に花は咲いてますよ?時期によりますが。

ちょっと!!誰が若作りよ!誰がババアよ!!


私はまだピチピチの200代よぉぉおおお!!


はっ!?なんか、どこか私の見えないところで失礼なこと言われた気がして熱くなっちゃったわ。


いけないいけない。


淑女たる私が取り乱すなんて。


それにしても、隣のあの爺さんついにボケたのかしら?


なんか最近ずっと町の方を見てボーっとしてるけど。


歳ね。


私が生えたときにはもう結構大きかったし。


いったい何年生きてるのよあの爺。


というか、私のことを自分と同じくらいの歳に考えるの辞めてくれないかしら?


この前これを言ったら、「少しくらいいいじゃろう?」とか言ってきたけどあの人の少しっていったい何年なのよ!!


あの人、森の動物達に『長老』って言われてるのに私を同列にして話すせいで最近『オババ様』って呼ばれ始めたのよ!?


誰がオババよ!!


今すぐにその名前考えたやつ出てきなさい!!


前歯一本で許してあげるから!!


ふぅ。落ち着け私。


私は淑女。私はまだ若い。私は優しい。


よし。


まあ、それでも最近人が来ないのは私も寂しいわね。


何が嬉しくてあんな爺と二人きりになってないといけないのよ。


確かに私は実を落とすこともほとんどない。


けど、動物達すらあまりこないのはひどくないかしら?


もしかして、避けられてるのかしら?


いやいや、これはあの爺が好かれすぎてるだけよね?


私が嫌われてるんじゃないわよね?


凄く不安になってきたわね。


大丈夫。次の春こそ誰かくるわ!!


昔は春の私の下で花を見ながらたくさんの人がお酒をのんだり食べ物を食べたりしていたもの。


花が咲いている時間は短いけどきっとまた前みたいに賑やかになるわ。


だって町が賑やかなんだもの。


そうと決まれば来年の春に向けてまた栄養を貯めなくちゃね。


別に春以外に来てもいいのだけれど。


あ、冬だけは駄目よ?


葉っぱが落ちたせいで老けて……あー、みすぼらしく見えちゃうから。

彼女……は樹齢297年の桜の樹です。


200代ってぶっちゃけもう300代ですね。


そして動物達からは嫌われているのではなく面倒だと思われています。

歳の話題が禁句なので。



秋にはお爺さん、春には彼…女…と山の広場は皆さんを待ってます。


それではまた。

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