捕まったオレサマ(エビ)
ということで、今回はYLさんにリクエストされたエビです。
残念ながら食材視点でのコラボは難しくビストロ『流星』らしい描写はこれっぽっちもありません。
申し訳ないです。
はぁ。文才が欲しい。
ヤベェな。
こりゃぁちと、マジでヤベェ。
まさかこの海の番長たるオレサマが捕まっちまうとはなァ。
いつも通りに海底を散歩してたらデケェ何かに捕まっちまった。
そして何が起きてるのかよく分からないまま水から揚げられちまった。
普段ならこんなヘマしねェんだが今回は違ったんだ。
その直前にタコから逃げ切って油断してたからなァ。
ア“ァ?勘違いすんじゃねえぞ?番長だろうが逃げるときは逃げんだ。
それに番長つったってあくまでオレサマ達エビのだ。
確かにオレサマは周りのやつらよりデケェから番長を名乗っちゃいるが、種族の差にゃァ勝てねェ。
サバじゃサメに勝てねェみてェにエビじゃタコにゃァ勝てねェのさ。
陸に揚げられてからもオレサマは必死で抵抗したんだがなァ。
残念ながらよくわからねェそこそこデケェ生き物に捕まっちまった。
その後は普段いる水の中なんて比じゃねェくらい冷てェ何かの詰まった真っ暗な所に入れられちまった。
そして地面が大きく揺れたと思ったらしばらく細かく揺れ続けやがった。
なんだこりゃァ?新手の嫌がらせかァ?
そのあとしばらくして揺れが止まったんだが真っ暗なところから出されると、そこにゃァさっきとは見た目の少し違う生き物がいやがった。
そして、そいつはギラギラした場所にオレサマや他のエビ達を集めだした。
何をするつもりなんだァ?
ん?なんだ?水?い、いや違う!!オレサマ達はこんな水は知らねェ!!ど、毒か!?
や、ヤメロ!!触るな!揺するな!ここから出せ!!
はぁはぁ、お、終わったのか?
するとヤツは一匹ずつオレサマ達を掴み始めた。
そしてオレサマも掴まれた。
ギラギラした場所から持ち上げられてそこにあったのは先に掴まれていったやつらだった。
ただし全員首から上がねェ。
よく見ればオレサマを掴んでいるヤツのもう一つの腕にはさっきの場所に似たギラギラを放つ何かを持っていた。
アレはヤベェ。
オレサマは直感でそう感じたがもう遅ェ。
その何かは無慈悲にオレサマの首に叩きつけられた。
彼女はちゃんとこのあと海老フライになりました。
はい。『彼女』です。『彼』ではありません。
何でも日本でブラックタイガーと呼ばれる海老はほとんどとれないのだとか。
なので今回はクルマエビという設定です。
クルマエビは雌の方が大きくなります。
出来れば調理された店が綺羅ケンイチさんのビストロ『流星』でとにあさんの時雨に尻尾を食べられたらいいなと自分は思っています。
はたしてどうなることやら。




