STAGE2-2
矢の雨の歓迎を受けてから数刻、日が暮れてきたがまだ人の姿すら見当たらない。
「これ本当に人なんかいないんじゃないか・・・」
本当は本当に外れくじを作って俺だけ流刑された、とか。そう思ってしまうくらいだ。
「もう・・・敵でもいいから出てきてくれないかな・・・ん?」
明かりだ。かすかに明かりが見える。
「やっと人がいるようなところに!」
俺は必死で駆けた。やっと人がいる。のたれ死ななくて済む。その一心で明かりに向かい走った。
走りぬいたそこには、小さい集落があった。人も暮らしている。
「人だ、人がいる・・・」
もはやそれだけで感無量だ。
1人の村人が俺に気付く。さてどうやって話すか・・・など考えているとー数人の村人に取り囲まれた。
「おまえいきようとか?」
「異教徒?」
あの悪魔が言っていた支配者のことか?ここで狙われるのはまずい。
「いや、俺は神崎様を信じている!道に迷ってここに来てしまっただけだ!」
「ほんとか?」
「ああ!一晩で良い! ここにいさせてくれないか!」
住民たちは話し合っている。信じてはくれないの・・・か?
「たびびとおまえしんじてやるこっちこい」
「・・・!すまない!」
どうやら信じてくれたようだ。輪の中の1人が先導してくれる。
「そういえばこのあたりを任されている神崎様の部下はどんな方なんだ?」
だんまりか・・・どちらにせよあまり好意的ではないようだな。
「ついたぞこのいえおまえとまれ」
「あ、ああ、ありがとう。」
どうやらここが今日の寝床になりそうだ・・・とりあえず入っってみようか。
「おまえここのぼすきになるいってたな」
「ああ、どんな方なんだ?」
「それはすぐわかる!」
「はっ! ?」
俺が葉の家に入った直後、葉が崩れ落ち、地面から牢屋が飛び出した。
「しまった!罠か!」
「ばかないきようとあのかたにもらったこれであした あわせてやる」
くそっ!まんまと罠にかかってしまった・・・!能力は・・・!
「むだだそれのうりよくむこうする」
「くっ・・・」
なにもかも御見通しってわけか。
こうして最悪の異世界探検は一日目を終えてしまった。