STAGE1-1
突然現れた少女に対し、五人は唖然とする。
ノースリーブのシャツにホットパンツ姿に頭にゴーグル、ショートヘアーの少女だが、その背後には、悪魔のような尻尾がうにょうにょと蠢いている。
「私が案内人です!あれ?皆さん何か言いたげな…ああそうですね、椅子がないですね。今出します!」
すると少女は何も無いところから椅子を人数分出す。
「いや、その前にあんたは何なんだ?俺に変なメールを送ったのはお前か?」
「どうしてあたし達なの?」
「ぼく達どこに来ちゃったの?」
「…眠い」
「今の椅子はどうやって出したんだ?」
「あぁ待ってください待ってください!そんなに一気に言われても答えられませんって!とりあえず座りましょ?ね?」
五人は不満げな様子で座る。そんな状況でも少女の尻尾は何とも楽しげにゆらゆらと振られている。
「はい!じゃあ一つずつ質問に答えていきましょう!お名前と質問を言ってください!まずは威勢の良いお兄さんからどうぞ!」
威勢が良い、という言葉に不満を抱きながら、蘭太は先ほど聞いた質問を繰り返す。
「俺の名前は東雲蘭太だ。あんたが俺の携帯に変なメールを送ったのか?そしてあんたは誰だ?」
「そうです、その通りです。私があなたにメールを送りました。」
「理由は何だ?」
「理由、ですか。それにはまずこの世界の事を言わないとならないといけないんですが…」
「あ、それぼくの質問。」
音夢は、自分の質問が先に消化されてしまいそうな事に反応する。
「ああ、それもそうですね。多分、この世界の事を言ったらほとんどの方々の質問が消えそうですね。では先に自己紹介をお願いします。」
「ぼくの名前は白石音夢と言います。」
「ふむふむ、可愛らしい男の方が音夢さん…では次の方お願いします。」
可愛らしいって言われた…と不満げな音夢を尻目に隣の榊は言う。
「俺の名前は烏丸榊」
「ほほう、頭が良さそうな男の方は榊さん…次の方ー。」
実際そいつは頭が良いぞーと蘭太が言う。
「あたしは、橘茜。特技は走ることだ!」
「なるほど…元気っ娘の方は茜さん。特技もありがとうございます。」
特技は誰も聞いてねーよーと言った蘭太が叩かれる。
「…私は水色彩実…」
「うむうむ、静かな女の子は彩実さんですか…よし、皆さんありがとうございました!申し遅れました、私は輪廻観世と申します。以後お見知りおきを。」