STAGE1
「あ?ここどこだ?ってみんな居るし。」
「え?これあれじゃない?あんたのメールの所為であたし達マジで異世界に来ちゃったんじゃ…」
「いや…そんなことは無いでしょ…流石に非現実的過ぎるって…ぼくは信じられないな。」
いきなり見知らぬ場所に来てしまった蘭太達は言う。
「痛…あれ…?机が無い…」
先ほどまで寝ていた彩実は机が無くなった所為で崩れ落ちる。
「蘭太達…ここは、何か知ってるの?」
「…私も…聞きたい。」
疑問を抱き榊と、寝起きでノロノロ起きた彩実は蘭太達に聞く。
「あー…そっか…お前らはさっきの知らないもんな…実はさ(略)って事があってさ。」
蘭太は自分もよくわかっていない頭で二人に自習の時間に起きた顛末を話した。
「…なるほど…そういうことがあったのか…それだったら僕本当に異世界に来ちゃったと思う…」
「私も…その方が…面白そう…」
二人とも理由は違うが、蘭太の話を信じる。
「えー、じゃあ信じてないのはぼくだけか…って、何で蘭太はぼく達を巻き込むような事をしたかなあ…?」
音夢は不満げに蘭太に言う。確かに飛ばされた側にしてみたらただの傍迷惑である。
「だって迷惑メールの事が実際に起こるとは思わないだろ?」
「いやまあそうだけどさあ…」
「あたしは面白いと思うよ!学校にいても退屈だし!」
「私も…」
「僕もつまらないとは思わないな。」
音夢は嫌がっているが他の人はまんざらでもない。
「えーまたぼくだけ?しょうがないなあ…ぼくもこの状況を楽しむことにするよ…」
音夢が諦める。確かにこの状況下で蘭太に怒ってもどうにもならない。
「よしきた!それでこそ男だ!」
「え?そうかなあ?男らしいかなあ?」
男らしいと言われた音夢は嬉しがる。こういう仕草も女子に間違えられる原因なのだが…
「しかし…俺らはこれから何をしたらいいんだ?旅行なんだから普通ガイドくらいいるものだろう?」
「そうだよね、あたしもそう思ってた。」
蘭太と茜はそう言って辺りを見回すが、周りは人の手が入っていなそうな山くらいしかない。
そもそも旅行といっても何も荷物を持ってきていないのだが、彼らはそれに気づいていない。
「とりあえず歩いてみるか。」
蘭太がいてもたってもいられずそう言って歩き出そうとしたその時。
五人の前に少女が現れる。
「やあやあ皆さん!遅れました!私が案内人です!」