表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/5

到着

校門を跨ぐ。


この学校には校門が3つあり、僕はいつも東側の門を使う。

門のすぐ後ろには川が流れていて、冬になると水面が薄く凍り、雑草には霜が降りる。


小学生の僕でも、綺麗だなと思う景色だった。


残り二つの校門は、ここからでも見える。

でも、要注意人物の姿はない。


見えるのは知らない顔ばかりだ。

たぶん、他の学年だろう。


校舎に入り、上履きに履き替える。

下駄箱を開けるたび、アニメみたいに泥や動物の死体が入っている、なんてことは一度もなかった。


そんなことをしたら、大問題になる。


……いっそ、そこまでしてくれればいいのに、と思う自分もいる。


下駄箱の上にある時計を見る。


7時42分。


——うん、ちょうどいい。


階段を、ゆっくり登る。

一段一段、音を立てないように。

真ん中は避け、手すり側を選ぶ。


僕たちは五年生なのに、教室は4階にある。

5階は4年生、6階が6年生。


理由は、分からない。


5年3組の教室。

後ろの扉から、そっと中に入る。


……


よかった。


僕の机には、誰も座っていない。


なるべく目立たないようにランドセルを置き、椅子に座る。

すると、何人かが声をかけてくれた。


「おはよう!」


明るく、笑顔で。

でも、あまり大きな声ではない。


僕も、聞こえるくらいの声で返す。


「おはよう」


別に、僕に友達がいないわけじゃない。

アニメみたいに、クラス全員からいじめられているわけでもない。


要注意人物は、まだ気づいていない。


……よかった。


胸の奥が、少しだけ軽くなる。


教科書と筆箱を出して、1限目の準備をする。

今日も、静かに始まる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ