03 モフモフはやっぱり最高でした
「黒い...犬なのか?」
「ワゥ...」
洞窟で一晩明かそうと思っていたら、そこには黒い大型犬っぽい動物がいた。それに倒れているし大分弱っているようだ。特に襲ってくる気配もないしなんとかしてあげたいな。目立った傷もなく、少し痩せているようにも見えるし空腹で倒れているのか?そう思いさっきの狼肉をアイテムボックスから取り出し目の前に置いてみた。
「ほら、肉だぞ」
すると、ゆっくり体を起こし目の前に置かれた肉を警戒しているのか匂いを嗅いだり前足でツンツンしてる。果たして食べてくれるのだろうか...?それから何度かそんな動作を繰り返した後、食べてくれた。美味しそうに食べている。僕にはとても美味しいとは思えなかったのに、もしかしたらコイツも美味しいとは思っていないかもしれないけど。
「ワン!」
肉を食べ終わって、こちらを見て座り尻尾をブンブン振っている。やだ、何この子超可愛い!というかとても野生とは思えないくらいの態度だな。それにモフモフだ、どうしようめっちゃモフりたい!モフったら起こるかな...?そう思い、恐る恐る撫でてみる。すごい、モフモフだ。これは最高だ!そして僕はコイツが何なのか不思議に思い鑑定をしてみた。
「【鑑定】」
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黒狼族 14歳
体力:280
魔力:30/100
筋力:310
魔耐性:40
物耐性:200
俊敏:280
技能:【身体強化】【獣化】
【称号】――
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黒狼族と言う種族なのか、名前らしいものが出ていないということは名前はないのか?称号もないようだ。それに魔力と、魔耐性以外僕よりステータス高くないか?筋力なんて3倍近く違うぞ...。やはり僕はあまり強くはないのか...。というか【身体強化】って単体のスキルもあるんだな。しかも【獣化】ってなんだ?【鑑定】してみたところ
【獣化】:獣になり一定期間身体能力を上げることの出来る技能
とのことらしい、魔力も減ってるしコイツは【獣化】したってことなのか?それに獣になりってことはコイツは元からこの姿じゃないのか?もしそうならこれはいつ解けるのだろうか...解けた瞬間襲われるとか無いよな?そんなことを考えていたらまた突然頭に声が響いてきた。
《黒狼族がテイム可能になりました。》
「テイム?」
黒狼族ってことはコイツがテイム出来るようになったってことか?出来るならテイムしたいな、モフモフだし。それに一人なのは気楽でいいけど、ずっと一人でいても寂しくなるだろうし...。しかしテイムなんてどうやってやるんだ?
「なぁ、僕にテイムされてくれるか?」
僕は動物に向かって何を言ってるのだろう...言葉がわかるわけ無いのに...。でもテイムって言ってもなぁ...。
「ワン!」
そんなことを思っていたらコイツはまるで僕の質問に答えるかのように元気よく鳴いた。
《黒狼族をテイムしました。それに伴い技能【テイム】、【念話】を習得し、職業【従魔士】を獲得しました。》
「おお!」
どうやらテイム出来たようだ。やった!それにスキルも手に入れたし、なんか新しい職業を手に入れた。職業って一つじゃないんだな、ずっと一つだけだと思ってた。
「テイム出来たことだし、お前に名前をつけなきゃな」
名前...名前かぁ、ゲームとかでも名付けのセンスは絶望的になかったしなぁ。黒いしクロってのは安直だよなぁ...
「よし、アンコだ!今日からお前の名前はアンコだ」
「ワン!」
気に入ってくれたのだろうか、さっきよりも元気に吠えたし尻尾もブンブン振っていて凄いことになってる。残像が見えそうだ。
「今日はそろそろ寝るかな」
今日はすごく疲れた、本当に怒涛の一日だったな。まるで夢みたいな日だった。これで目が冷めたら夢でした、なんてなったら嫌だな、そうならないことを願おう。不思議と日本に帰りたいとは思わなかった。明日は魔法についてあの本を読んで勉強してみよう。あとは周りの探索なんかもしたいな、それに一度森からも出てみたい。そしてこの日はアンコのお腹を枕のようにして眠るのだった。とてもモフモフで最高だ。
そして翌日。僕のお腹の辺りが重い事に気づき目が覚めると
「え、誰!?」
そこには見知らぬ黒い犬耳の生えた女の子が眠っていた。




