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序章
東の底辺がパステル画のように赤みを帯びはじめた碧水のような空に、小さく煌めく星たちが消えようとしていた。
曙光に照らされたラーメンチェーン店の待機用の簡易なベンチに腰かけて、愛犬シーズーのシーにオヤツをあたえ、大宇宙のパノラマを眺めた。
ススキのように体毛が煌めくシーも、おすわりをしたまま、つぶらなひとみでじっと東の空を見つめていた。
地平線から光源たる太陽が顔をだしはじめると、最後まで南東の空に輝いていた一等星が、ついに見えなくなった。
そのままiPhoneで、YouTubeに投稿されたひとつの不思議な動画を観た。明け方とともに消えていく一等星のように、あるいはすぐに削除されてしまい、視聴者の記憶からも忘れ去られてしまうだろうと感じながら……
オレは、この少女が撮影した動画をなんとか言葉にしようと試みた。少女の小さな叫びを、消し去ってはならないと強く感じたから……




