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第七話すきっ歯と脳筋

新キャラ登場の予定!

そして、少しは話が進むのか!?

飯屋に入ると、店内にはアイン、ゲイル、ミアンが居た。


「よお!タケル!仕事は上手く行ったか?足は付いてるか?無いなら迷わず成仏してくれ。変わりにレイア様を出せ。つか野郎は帰れ。」


良い笑顔だアイン。そして良い度胸だ。


「ホァタァ!」


ズビシ!


「グフッ!」


俺はアインに天空ペ〇字拳を放つ!それと、こっちの幽霊も足無いんかい!

奴が悶えているうちに椅子に座る。俺は三人と相席する事にした。直ぐにウェイターが注文を取りに来たので、ルイーズオススメの日替わりランチを頼む。


「ところで今日の肉は何?」

「オークの肉と野菜の炒め物です。」


出た。未知の食材。オークって何?


「それって美味いの?」

「人気メニューです。」


こっちの世界で暮らすと決めたんだ食文化にも慣れたほうがいいか。


「…じゃ、あそれで。」

「少々お待ちください。」


注文を終えると、


「初仕事の成果はどうだった?」


とゲイル。


「ベルウルフが11体。ソッコー囲まれたよ。全部倒したけどね。」

「多っ!アインが襲われたときより多いですね。」


ミアンが驚く。


「その時は何体だった?」

「確か4体でした。振り返ったらアインが奇声をあげて齧られてました。あはははは。」

「笑い事じゃねぇ!」


おお、アイン復活。


「それで何体倒したんだ?俺の予想じゃ、レイア様が10にタケルが1だ。もしくは0。」

「お前、俺を舐めてるだろ?完全に。」


今度嫌がらせにベルウルフの剥製を送り付けよう。


「でも、レイア様はお強いですからね。タケルさんはまだEクラスですし。」


ミアンお前もか?そのフォローが悲しいぜ。


「お言葉ですが、一応7体は俺が倒した。レイアの魔法にビビッた残りがこっち来たから。因みに今回の仕事のお陰でDクラスになった。」

「7体!?タケルってもしかしてBクラス並に強い?」

「フフン!ギルドでルイーズにも言われたぜ!」

「アイン。こりゃあ、うかうかしてるとすぐ追い越されるぞ?」

「あ、ああ。もっと気合入れてないとな。」


アインが顔を引き締める。フフフ、どうだ参ったか。


「おまたせしました。」


焦るアインの顔を見ながらウェイターが持ってきたランチを食べる。

期待の?オーク肉の味は、さっぱりとした豚肉風。少々癖があるところはマトンっぽくもあるが、味付けが良くて臭みは無く美味かった。


この世界の人も味覚は同じみたいだ。今度色んな食材にも挑戦してみよう。これでも俺はグルメなのだ。いっそ食材専門の冒険者でも目指すかな?


「話は変わるけど、タケルよぉ。」

「ん?」

「噂になってるぜ。」

「アインが瀕死のときに脱糞したことか?」

「脱糞してねぇ!」

「小便の方か?」

「漏らしてねぇ!ギリギリ持ち堪えたわ!」


ギリギリだったのか……


「チョット二人とも…」


ミアンに嗜められる。さすがに飯屋で下ネタは拙かったな。店主が厨房から睨んでる。


「それで噂って?」

「レイア様の事さ。男の、それもEランクの冒険者とパーティーを組んでたってな。しかもその男はレイア様を呼び捨てにしているとか、そんな噂。」


そうか、お姫様だもんな。美人だから目立つし。


「でも興味はありますね!ズバリ!タケルさんとレイア様とのご関係は!?」


おいおい、ミアンくん。君はどこのレポーターだい?何処の世界も女の子はゴシップネタが好きらしいな。


「レイアとは身も心も通わせた深い仲だ。もちろん、あーんな事やこーんな事も…」

「うそっ!」

「ほ、本当に!?」

「嘘だ。」


ズルリ…


ナイスズッコケだ。二人とも。


「ご期待に添えず悪いけど、昨日一文無しの所をレイアの騎士団に保護されただけだ。レイアを呼び捨てなのは、俺の故郷に同世代の人間を敬称で呼ぶ習慣が無かったからだ。」


「そうだったんですか。」

「なんだー。つまんねー。」


あからさまにガッカリする。





と、大いに話しが弾んできた所に水を差す輩が居た。


「お前が噂の新人冒険者か?」

「レイア様を誑し込んだらしいな色男。」


俺の横に立ち、厭味を言う男が二人。


「相手にするなよタケル。」


アインが不快な表情を見せて囁く。


「すきっ歯サグと脳筋のヤズルだ。新人を見つけると絡んで来る。」


新人イビリか。どの世界にもこういう連中は居るもんだな。


「それも二つ名?」

「当人達は高速サグと怪腕のヤズルって名乗ってる。誰も呼ばないけどな。」


アイタタタタ!呼ばれない二つ名ってイタ過ぎだろ。


「オイ!聞いてんのか色男!?」

「聞いてるさ。すきっ歯に脳筋。何か用か?」


挑発気味に呼んでやる。


「ぐ、テメェ。」


すきっ歯と脳筋は青筋を浮かべて武器を取る。俺は直ぐに刀を抜き去る。


シュバ!


ストンと二人の穿いていたズボンが落ちる。俺が斬ったのは、コイツ等がベルトの様に、腰に巻いた帯だ。ミアンが『キャッ』と言って顔を隠す。けど指の間からしっかり見ているのは、お約束だ。


「絡むのは相手を良く見てからにしろよ。じゃないと、次はその粗末なモノごと斬っちまうぞ?」


できるだけ凄みながら、剣先を下半身に向けて言う。


「ヒッ…く、くそ!」


顔を青くした二人はズボンを引き上げ、店を出た。


ああいう輩は調子に乗せるとキリがないからな。レイアの件で同じ様に絡む奴が出てこないために、こちらの力を見せ付ける必要がある。彼らには見せしめになって貰った。


店に迷惑が掛かったかとも思ったが、店主は気にしていないな。流石はギルド御用達。下ネタはいかんが、荒事はOKらしい。


「まったく、迷惑な奴らだ。」

「すげぇなタケル。それ剣だったのか?」

「腰に棒を差してるだけだと思ってました。」


レイアにも言われけどやっぱ棒なのね。不意を討てて良いけど。俺は刀について説明をした後、店の前で三人と別れる。


「そうそう、回復薬の件、忘れないで下さいね。」


ミアンに釘を刺される。すっかり忘れてたな。明日ギルドに持ってくると約束し、俺は買い物に、商店の多い地区へと歩き出した。





色んな店を回ってみたが、実際に買う程の物はなかった。効果の怪しいマジックアイテムや曰くつきアクセサリーなど、見る分には面白いものはいっぱい有ったけどね。


最後に立ち寄った武器屋を出る頃には、夕暮れ時となっていた。


「この野郎!俺のサイフを!」

「ガキが!思い知らせてやる!」

「うわぁああ!」


宿への帰り道、路地裏から声が聞こえて来た。覗き込むと男二人が、歳が十二、三であろう少年を殴り付けていた。このまま見過ごす事も出来たが、殴られている少年が幼い頃の自分と重なり、つい声を掛けた。


「おい、その辺にしとけ。死ぬぞ。」

「ああん!?」

「なんだぁ?」


振り返った二人はごく最近見た顔。


「て、てめぇ!」

「なんだ。すきっ歯に脳筋じゃないか。こんな所で弱い者イジメか?かっちょわりい。」

「フ、フン。てめぇには関係無いだろうが。すっこんでろ!」

「関係はないが……そいつ何やったんだ?」

「俺のサイフをスリやがったのさ!それで今は教育中さ。」

「そりゃ折檻の間違いだろ。とにかくやり過ぎだ。これ以上は…分かるよな?」


チャキ…


刀の鯉口を切り、僅かに刀身の輝きを見せ付ける。


「チッ、この位で勘弁してやるぜ。」

「運がよかったなガキ!」


そう吐き捨てると、すきっ歯と脳筋は、少年の胸倉から手を離し何処かへ行ってしまう。


「あーあ。ズタボロだな。」

「ぐ…」


殴られた顔面が腫れ始めていたが、それとは別に身なりも酷い。服は破れ放題。靴は大きく穴が開いて、靴として機能していない。俺は回復薬を創造して少年の口に突っ込む。


「な!なにを!むぐっ!」

「いいから飲め。」


非難を無視し、ビンを押し込む。


「ゴク…ゴク…」


直ぐに効果が出て、少年の顔の腫れは引いた。


「け、怪我が治った!?」

「薬だからな。それで?なんでスリなんかした?」

「それは…」


言いよどむ少年A。警戒してんのか?


「安心しろ。事情を聞きたいだけだ。城に突き出したりしないさ。」

「か、金…」

「うん?」

「金が欲しかったんだ!弟たちが待ってるんだ。俺が守らないと…」


話を聞くとこの少年Aは、盗みで孤児院の弟(孤児達)を養っているそうだ。院長は生計が立ち往かなくなり逃げたらしい。


「なるほど。それで盗みか。」

「悪いとは思ってるけど…。」

「エライ!」

「え?」

「自分さえ生きていくのが大変って時に、他人まで助けようとは。中々できることじゃねー。お兄さん感動した!」


他人事とは思えねぇ。


「少年!名前は?」

「ユウです。」

「ではユウ!俺の事は師匠と呼べ!」

「え?」


あっけに取られるユウ。


「お前に生きてく術を教えてやる!」

「本当ですか!?」

「ああ。取り合えず行くぞ。」

「何処へ?」

「お前の家へさ」






今後、『すきっ歯』と『脳筋』に活躍の場は有るのか!?

ちなみに彼らの本名は書き終えた時点ですでに忘れてました!

悲しい脇キャラに合掌~。

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