第六話暗殺未遂とランクアップ
レイアはクーデレになるんだろうか?
段々登場キャラの性格が掴めなくなっている作者です。
10分後、牙を集め終えた俺達は森の入り口まで来ていた。
「大漁大漁!」
ホクホク顔の俺。
「なあ、レイア。この牙幾らで売れるかな?」
「そうだな。1本が銀貨5枚として22本。金貨1枚と銀貨10にはなるか。」
討伐報酬の金貨4枚と銀貨40+金貨1枚と銀貨10。
合わせて金貨5枚に銀貨50枚か。二人で均等に分けても、金貨2枚に銀貨が75枚。
所持金と合わせてたら、金貨4枚に銀貨78枚か~!ムフフ。何買おう?
「ム?」
「どうしたレイア?」
俺が報酬の使い道を考えていると、遠くから此方を見ている男達が居た。
「フッフフ…。」
「ククク…。」
「ケケケ。」
やらしい笑みを浮かべる三人組み。
「レイア、アイツ…」
ドゴーーーーーーーーーン!!
「アイツ等は何だろう?」と言う俺の言葉は、足元で起きた爆音に掻き消される!通常なら跡形も無く吹っ飛ぶ筈の爆発。地雷みたいな魔法だな。昔、マフィアを潰した時に使ったC4並だ。懐かしい~。
「いや~おでれぇた。」
「さすがに死んだと思ったぞ?」
「な!何ぃ!?」
爆煙が風で流され俺達の姿が見えると、三人の表情が驚愕に変わる。
レイアも戸惑っている。
「これはどういうことだ?」
「あ~、…レイア、昨日あげた指輪持ってる?」
「これか?」
懐からオリハルコン(仮)の指輪を出す。
「それの効果だ。魔法無効化の能力を付与してある。あ、攻撃魔法限定な。」
「…驚いたな。これもお前の魔法か?」
「まぁ…」
「秘宝級の魔法具だぞ?」
「色々と言いたい事もあるだろうが、アイツ等はいいのか?」
固まっている三人を指差す。
「ハッ!?っで、出直しだ!」
慌てて逃げ出す三人。力を過信して姿を現したのが仇になったな。
「我が力、雷に成りて敵を撃て!サンダー・レイン(弱)!」
バリバリーーー!!
「ぐあーーーー!」
バタバタと倒れる。お三方。
「殺したのか?」
「いや、痺れさせただけ。動機を訊いてないし。」
「恐らく狙いは私だろう。前にも何度か暗殺されかけた。全て返り討ちにしたが。」
王女も大変だねぇ。
「だが助かる。黒幕を吐かせるとしよう。どのくらいで目覚める?」
「半日は起きないんじゃね?」
「では後で部下を寄越して捕らえさせよう。コイツ等にも訊きたい事は有るが、私はこっちについて訊きたい。」
指輪を俺に差し向ける。
「…。それは王女として?それとも…」
「私個人としてだ。安心しろ。王女としてお前を国のために利用するつもりはない。命を救われたんだ。それに私は、お前が思っている以上にお前を信用しているつもりだ。」
「う~む。」
短い付き合い、出会ってほぼ一日だが、レイアの人となりは分かった。約束を破ることはないだろう。
なにより美人だし。←ここ大事。
「分かった。口外しないって約束できるなら。」
「闘神マルスに誓って。」
闘神マルスってのがどんなか分からん。じいさん(創造神)からしてアレだし。しかしレイアの真剣味は伝わる。俺は創造魔法について話す事にした。
「悪いが私は城に帰る。」
街に着くとレイアは言う。
「刺客の件を報告しなければならんのでな。ギルドへは一人で行ってくれ。報酬は全て貰ってくれて構わない。」
「へ?いいのか?」
「命を救われた上に、この指輪だ。足りないくらいだ。」
でもレイアがいなかったら依頼を請けられなかった訳で。
「…じゃあレイア。指輪を貸してくれ。」
受け取ると、指輪に更に能力を追加する。物理攻撃の無効化能力。これでその機能は俺の物と同じになった。
「何をしたのだ?」
「機能の追加。魔法だけじゃなく物理攻撃も防いでくれる。俺のと同じでね。」
俺の指輪を見せる。
「だからそんなに軽装だったのか。」
「結構便利だぜ。重い鎧も要らないし。」
特にレイアは命狙われてるんだ。念のためとしちゃ十分だろ。
「便利どころの話ではないのだが…。だが心強い。感謝する。」
呆れながら指輪をはめる。…薬指に。
「あの…レイア?」
「うん?」
「こっちの風習は知らないが、俺の故郷では薬指に指輪をするのは、恋人同士か夫婦がするものなんだけど。」
「…恋人……。それもいいか…」
「何?」
「いや、なんでもない。ちょうどサイズが薬指に合うのだ。こちらには無い風習だから気にするな。」
当人が気に成らないなら良いけどね別に。
「では、私は行くとしよう。」
「本当なら一緒に昼食でもと思ったんだけどな。」
「悪いな。また今度付き合おう。」
「ああ。じゃあな。」
レイアと別れギルドに向かう。
「あ、タケルさん!」
ギルドのカウンターで迎えてくれたルイーズ。
「ご苦労様です。早かったですね。初仕事はどうでした?」
「バッチリ!ほらこれ!」
ドサドサ!
証明部位のベルウルフの牙をカウンターに降ろす。
「多っ!こんなに!?」
「11体分だ。驚いたよ。予定の倍以上居るんだもん!」
「倍ですか?すいません。こちらの調査不足です。」
「いいよいいよ。お陰で沢山狩れたし。ついでに、この牙買い取って貰える?」
「ハイハイ。1本が銀貨5枚。22本で金貨1枚と銀貨10枚ですね。こちらにサインをお願いします。はい。依頼完了です。どうぞ。討伐報酬と合わせて、金貨5枚と銀貨50枚です。」
「ありがとさん。」
「にしても、11体も。凄い成果ですね。そっか!レイア様と臨時パーティーを組んだんでしたね。あの方となら納得です!」
「4体はね。一応7体は自分で倒したよ?」
あの狼ども案外ヘタレだった。レイアにビビりやがって。
「7体!?単独だったらBクラス任務ですよ!」
「そうだった。」
「通りで誰ともパーティーを組まなかったレイア様が選ぶはずですね。タケルさん、ギルドカードを出して下さい。ランクアップの手続きをしましょう。」
「これか?」
カードを渡す。
「はい…。どうぞ。これでタケルさんはDクラスになりました。」
テレッテッテレー♪テッテレー♪
レベルアップ音が聞こえた気がする。これで少しは請け負える仕事も増えるか。
「今から昼食に行くんだけどオススメの飯屋はないかな?」
「ありますよ~。というか、ここのお隣さんです。酒場も兼ねてるので情報を集めるのにも都合がいいですね。日替わりの肉料理がオススメですよ。」
そういえば良い匂いが漂って来くる。ああ、無性に胃袋を刺激されるぞ。
「ありがとう。行ってみるよ。」
少し短かったですかね?
感想待ってまーす。