表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/70

第四話ギルド登録 レイアとエンカウント!

初感想いただきました。励みになりますね。






部屋に戻ると、ザッと準備を整え腰のベルトに刀を差す。因みに今の俺の格好は、黒のTシャツにジーンズ。上着には日本刀に合わせて、着物の羽織を創って着ている。ちょっとした新撰組のコスプレみたいな感じだ。まあ自己満足ですけどね。


街を見た限り、結構個性的な格好の人も多かったし違和感は無い筈。たぶん。


部屋を出る際に回復薬を三本程の懐に入れ、余った回復薬はあっさり消すことができた。どうやら俺の魔法で創った物は、俺の都合で消せるらしい。便利だ。売れたらまた創ればいいし。


そしてマイルさんにギルドの場所を訊き、街へと繰り出した。





ギルドに着くと、そこはまさにRPGの建物然としたものだった。まだ朝が早いらしく、人は疎らだ。

俺はカウンターに立つ職員らしきお姉さんに声を掛けた。


「ギルドに登録したいんだけど。」

「はい。どうぞ。こちらの書類にサインをお願いします。」

「その前に俺、ギルドって良く知らないんだよね。少し説明して貰える?」


「分かりました。基本的にギルドは仕事を斡旋する組織です。仕事の内容は多種多様で、街での力仕事や人探しから魔物の討伐まで有ります。仕事を請け負う場合は後ろの掲示板から、仕事内容の書かれた依頼書をこちらに渡して下さい。後は書類にサインすれば手続きは終了です。」


サインだけか。シンプルでいい。


「それから仕事の完了を証明するためには、依頼主からサインを貰う必要が有るので気を付けてくださいね。魔物の討伐に関しては、依頼者はギルドになりますので、決められた各証明部位を持ち帰ることで討伐の証明となります。魔物の部位は需要によってはギルドで買い取りも行っていますよ。例外として、魔物の肉や部位を依頼する人がいます。主に肉屋さんや武器屋さん、道具屋さんですね。その場合は依頼人に部位を渡し、サインを貰ってギルドに提出すると依頼完了となります。」


「なるほど。」


「次にギルドランクですが、ランクはS~Eまであり、Sが最高ランクでEが最低ランクと成ります。ランクアップの条件は討伐依頼では証明部位の提出。それ以外は依頼主のサインの提出が必要になります。逆に仕事を三回失敗すると、ペナルティとしてランクダウンとなります。ランクが低いと請けられない仕事も有るので注意してくださいね。ランクはそのまま依頼人への信頼にも繋がりますから。」


「複数人で仕事を請ける場合は?」


「その場合、パーティーによる請け負いとなり、臨時パーティーと常時パーティーの二種類に分かれます。請け負った仕事の間のみ組むパーティーが臨時。パーティー名を登録して常に組むのが常時パーティーですね。それとパーティーにもランクが有り、メンバーの中で一番ランクの高い人のランクが、パーティーのランクとなります。」


「ありがと。良く解った。」


「それでは登録して行きますか?」


仕事を請けるかどうかは別として登録しても損はないな。


「頼むよ。」

「では、こちらの書類にサインをお願いします。登録の手数料として銀貨五枚になりますが、宜しいですか?」


……ピシリ……


俺の中で時が止まる。確か残高は銀貨三枚…うん。数えなくても分かるよね。


足りねえええええぇーー!!


まさか、仕事どころか登録の時点で蹴躓くとはOTL


仕方無い偽造するか?良いよね銀貨二枚くらい……


「おい!誰か、医療魔法が使える奴いないか!?」


と、俺が犯罪?に手を染めかけた時、入り口から声を張り上げて入ってくる人達。数は三人。その内の一人の男は、残りの男女に肩を担がれグッタリとしている。


「どうしました!?」


カウンターのお姉さんが三人に駆け寄る。


「猛毒のベルウルフに咬まれたんだ!もう時間がない!」


良く見ると全身に咬まれた跡があり、毒だけで無く傷だけでもかなりの重症だと判る。


「困りましたね…まだ朝が早くて、ここには人が集まって居ないんですよ。けど医院に行っても間に合わないですし…」


キュピーーーーン!閃いた!


俺は怪我人の仲間らしき男に声を掛ける。


「なあ、あんた。この人治すから、俺の登録料払ってくれない?」

「医療魔法が使えるのか!?」

「いや、けどこの人は治せると思う。」

「本当か!?だったら登録料でも何でも払うぞ!」

「それじゃ、契約成立って事で。」


懐の回復薬を取り出して蓋を開け、怪我人の男の口に飲み口を突っ込む。


「お、おい!」

「まあ、見てろって。」


慌てる男を制して薬を飲み終えるのを待つ。


ゴクッ…ゴクッ…ゴクッ……


ゆっくりだが、飲み込む力は残っていたようで、ビンの中身は空になる。良かった。野郎相手に口移しだけは断固拒否する所だ。




ガバッ!

意識を取り戻した男は、バネ仕掛けのオモチャの如く飛び起きた。


「ハッ!ここは!?」

「アイン!大丈夫!?」

「ミアン?ゲイル?俺は確かベルウルフに咬まれた筈じゃ…」

「あ、ああ。後で説明する。それで?身体は大丈夫か!?」

「絶好調だ。しかし、毒だけじゃなくて傷も無くなってる。その上魔力まで…いったいどういうことだ?」

「この兄さんに感謝しろよ。持ってる薬を飲ませた瞬間、半死人だったお前が飛び起きたんだ。驚いたぜ!」

「すげぇな!秘薬か!?」

「まあ、そんなトコ。で、いいかなゲイルだっけ?登録料の銀貨五枚。」

「ああ。しかしいいのか?本当に銀貨五枚だけで。アインも言ってたが、秘薬なんだろ?」

「いいんだよ。今回は初回サービスって事で。取り敢えず登録を済ませるからちょっと待ってて。」


銀貨を受け取り、受付のお姉さんに渡して、登録を済ませる。

タケル・カミジョウ……っと


「タケルさんですね。…はい。登録完了です。これがギルドカードです。ギルドランクの証明書になっています。再発行は有料なので気を付けて下さい。ランクはEからになります。頑張って下さい。」


登録を済ませ、三人の元に戻る。


「でさ、登録料払って貰う位だから判ると思うけど俺、殆ど文無しなんだよね。」


懐から残りの回復薬を出す。


「回復薬、あと2本有るんだけど買わない?」

「「「買った!!」」」


三人とも飛び付く。ワーーーオ。凄い人気。


「タケルさんズルいです!私にも売って下さい!」


カウンターから受付のお姉さんも飛び出して来た。


どうやら初回サービスのデモンストレーションは、効果テキメンの様だ。


「それでいくらで売られるんですか?」


ゲイルパーティーの女性、ミアンが尋ねる。




…あ~……考えて無かった。




結局、受付のお姉さん(ルイーズという名前らしい)に1ビン。パーティーリーダーのゲイルにも1ビンを売ることで話しは着いた。ミアンとアインには、後日優先的に売ると言うことで納得して貰う。


価格は、マイルさんの言う通り、、大金積んでも欲しがる人が居ると言われた。

だが、それじゃ二人とも手が出せないだろうと、1ビン金貨1枚で売ることにする。

計:金貨2枚。



何とか野垂れ死にだけは、回避出来そうだ。


タケルの残高

―――金貨2枚+銀貨3枚―――





アインに感謝されつつ、三人と別れた俺は、掲示板に目を通す。


「道路開拓事業……大岩の撤去か。…何だか工事現場の日雇い労働みたいだな。」


どうせなら、討伐系の仕事をやりたい。考えてみたら、こっちに来てから道具の創造ばっかりだったし。練習も兼ねて攻撃魔法も使ってみたいから。魔物は怖いが経験を積むには良い機会だろう。かと言って、ランクの低い俺が請け負える討伐依頼は、中々見当たらない・・・・




ザワザワ・・・




掲示板とにらめっこしていると、増え始めたギルド内の人達が騒ぎ出す。彼らの視線の先には、俺がこの世界で最初に出会った人物、レイアが居た。レイアは一応お姫様だったな。注目されるのは当たり前か。

俺に気付たレイアは、ギルド内の視線など意に介さず、こちらに近づいて来る。


「タケルじゃないか。」

「やあ、レイア。」

「その様子だと、登録出来たみたいだな。」

「まぁね。」

「格好も幾分マシになった。昨日より冒険者らしく見えるぞ。」

「金も多少は手に入ったからな。」

「ほう、一文無しから一晩でか…中々に優秀だな。どうやって元手を稼いだのか、教えてもらいたいものだな。」


しまったなぁ。レイアとはまだ半日の付き合いだが、彼女は博識で頭の回転も早い。この手の人間に下手な嘘は通じないだろう。それこそ嘘を重ねるとドツボに嵌まりそうだ。


「薬を作ってね。それが高く売れたのさ。」

「薬か・・・」

「凄いんですよ!タケルさんの薬!重症のアインさんが、一瞬で完治したんですから!」


うお!ルイーズ!聞いてたのかよ!


「まさに秘薬ですよ!医療術士顔負けの効果でした!」

「・・・しかしタケル。それだけ効果のある薬だ。材料費だけでもかなりの費用が掛かる筈だが?」

「企業秘密だ。俺の故郷の秘伝だからな。掟で他人には教えられない。」


秘技、「掟だから!」こういう世界の人間はこの言葉には弱い。


「そうか・・・それなら仕方ない・・・か。」


ようし!何とかフラグ回避の模様!明らかに不満そうなものの、これ以上は訊けないと悟ったのか追求は無かった。


「それで?何か依頼を受けるのか?掲示板を見て悩んでるようだったが。」


空気が悪く成るのを避けるためか、話を変えてくれるレイア。


「そうなんだ。討伐系の依頼を探しているんだが、ランクが低いと請けられないものばかりでな。」

「ふむ・・・」


レイアは顎に手をやり、何やら考えている。


「ならばどうだ?私と臨時パーティーを組まないか?ちょうど討伐依頼でも請けようと思っていたとこだ。」

「いいのか?そりゃ助かる。」

「決まりだな。さて、何の依頼を受けるか・・・。」

「ところでレイアのギルドランクは?」

「Aだが?]



エー…えー…A……ええええええエエエエエッーーーー!!



「お?これにするか。」


ペリッと依頼書を剥がす。


「えーとレイアさん?何の依頼を請けるつもりデスカ?」

「ほら。これだ。」





ベルウルフ討伐

―――五体以上――――

依頼対象―Bランク以上

場所―ヴィアズの森

報酬―一体に付き銀貨40枚

証明部位―牙




イーーーーーーヤーーーーーーー!!






心の絶叫2連続。

どうやら死亡フラグの方は、着々と俺の背後に迫っているようだ。







ギルド設定なんてテンプレですよね。

作者の力量不足がチラ付きます。

それでも読んでくださった読者に多謝。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ