200万アクセス記念 二人のヒ・ミ・ツ
結局番外編を書いてしまった。しかもかなりはっちゃけました。
なにとぞ暖かい目で見てやってくだせぇ。
朝、目が覚めたら神様が居た。セリフだけ聞くと如何にも頭のイタい発言だが、俺の場合は現実だ。
ここは前に死んで別世界に送られる直前に居た場所らしい。
「タケル、急に呼んでスマンのう。」
「やっぱりじいさんかよ。」
俺を異世界に送ったじいさん(神)が柔和な笑みを浮かべていた。
「第二の人生を楽しんどるようじゃな。」
「お陰様でな。しかしこんな所に呼び寄せてどうしたんだ?」
「うむ…実はお主に頼みが有るのじゃ。」
じいさんは顔を引き締め真剣な面持ちで本題へと入った。
何だろうな?この表情…まさかやっかい事か?
「何だよ。そんなにヤバい事なのか?」
「うむ…事態がかなり差し迫っておるのは間違い無い。これを逃すとワシにとって大いなる損失となるじゃろう。」
神にとって大きな損失ってどれだけ大事だよ。そしてそこに俺を呼んでどうしろって言うんだ?
「タケルよ。これはお主にしか頼めぬのじゃ。この大役…受けてくれるか!?」
「神にとっての問題で俺個人に出来ることなんかあるのか?」
「何を言うか。むしろ直接世界に関われぬ神より、お主のような神と関わった人間だからこそ頼むのじゃよ。」
「だけど仕事の内容を聞かないと何とも言えないな。」
まさかどっか別世界で魔王を倒せとか言わないよな?また以前のような戦いに明け暮れる日々はゴメンだぞ。
「そうじゃな。お主に頼む仕事は…」
「仕事は?」
ゴクリ…
「お使いじゃ!桃尻娘11月号とHip and hips増刊号をコンビニで保存用、布教用、使う用の3冊ずつ買ってきてくれい!…って、どうかしたかの? 」
俺はじいさんの依頼を聞いて思わずズッコケる。
「エロ本じゃねぇか!!」
「いやー神のワシが直接買いに行くと世界が耐えきれんからのう。下級神は皆お堅い上にプライドが高くて誰も行ってくれんのじゃよ。」
そう言ってカラカラと笑うじいさん。俺は猛烈な肩透かしを食らい脱力する。
「ハァ…相変わらずだな。俺はまた神と悪魔が戦争でも始まるのかと。」
「フォッフォッフォ!こりゃまた懐かしいわい。魔界と天界の戦いなんぞとっくの昔に終わっておるよ。有名どころでいうと、サタンなどワシとはメル友じゃ。」
マジかよ。現代の宗教家が聞いたら泡吹いて倒れそうだ。
「で、行ってくれるかの?因みに今、お主の身体は自室で寝ているからの。ここに居るのは精神だけじゃ。用が済めば戻すから安心せい。地球には別の身体を用意してあるぞ?」
「準備万端かよ。エロ本にどんだけ労力使うんだ。」
「今回は付録にDVDが付いてくるでの。逃す訳にはいかんのじゃよ。さっちゃん…もとい、サタンにも貸してやる予定でな。見事購入出来たらタケルに呪術を授けてやろうかと言っておったのう。」
「呪術?」
「確か…おなごを自由に操り虜にする術とか。」
「……………要らん。女は惚れさせてナンボだろ?」
「即答出来ればも少し格好が付いたんじゃがのー。」
うるせぇよ。俺も健全な男子なんだ。
「頼むから行ってくれんかの?な?な?」
「分かった分かった!行くよ。行けば良いんだろ。」
すがり付くな。じじいに触られても気持ち悪いだけだ。
「さすがはタケルじゃ。話が分かるのう!では直ぐに地球へ送るぞい。」
じいさんが手を翳し、俺は懐かしい地球へと向かったのだった。
一方その頃
ガチャ…
「失礼するぞ。」
「あら、いらっしゃいレイア。」
孤児院へと訪れたレイアをリンが迎える。
「リンか。タケルは居ないのか?」
「それが珍しく寝坊してるのよ。昨晩アインと飲み歩いてたからお酒が残ってるのかしらね。」
「む…そうか。久しぶりにギルドにでも誘おうと思ったのだが仕方ない。起きるまで待つか。」
レイアは応接間のソファに座り、出された紅茶を飲みながらリンと会話を楽しむ。
「けど遅いわねぇ。こんなに寝てるなんて珍しいわ。」
「昨夜はそんなに遅かったのか?」
「そうでも無いと思うけど…」
一向に部屋から出てこないタケルに業を煮やす二人。
「レイア、起こしに行かない?」
「いや、しかしだな。タケルにも予定が有るのでは?」
冒険者という職業柄、寝起きが不規則なのは良くある事だ。
気を使うレイアだったがリンはそれを笑い飛ばす。
「大丈夫よ。こんな美女二人が起こすんだから。普通の独身男なら、むしろ喜んで起きるわよ。」
「そういうものか?」
「そういうものよ。運が良ければタケルの寝顔が見れるかもしれないわよ?」
「むう…」
結局、葛藤しつつも好奇心とリンに流される形で、レイアはタケルの部屋に入った。
「本当に珍しいわね。いつもなら人の気配だけで起きるのに。よっぽど強い酒でも飲んだのかしら?」
リンの記憶ではタケルは生い立ちの関係で警戒心が強い。これ程無防備に寝姿を晒す事は無かった筈だ。
実際は精神だけが別の場所にある為に起きないのだが、二人が知る良しも無い。
「フフッ、可愛い寝顔。」
リンが眠っているタケルの頬を突っつく。
「止めないかリン。」
レイアが窘めるが、リンの行動は止まらない。
「タケル?起きないと悪戯するわよ~。」
「うう~ん。」
パサッ…
タケルが寝返りを打つと身体に掛かっていた布団が落ちる。
「う……こ、これは…」
「あらあら……んふふー。朝だものね。」
二人の視線はタケルの下半身に設置されたテントへと集中した。
※注)ここからは音声のみでお楽しみ下さい。
「ウフフ、タケルもやっぱり男の子ねー。」
サワサワ…
「リン!ど、何処を触っている!?」
「もちろんタケルの【ドキューン】よ?」
「そうでは無い!そんな場所を触る必要は無いであろう!?」
「シィーー!起きちゃうでしょ!」
「う、うむ。(何故だ?そもそも私達はタケルを起こしにきたのでは…)」
「これでも起きないなんて強情ね。」
スルスル…
「リン!さすがにそれは拙い!」
「大丈夫大丈夫♪」
ブルンッ!←何かが。いや、ナニかが。
「キャッ!す、凄い…立派…だわ。」
「こ、これが男性の…ごにょごにょ…」
キュッ…
「やぁん…まだ大きく♪」
「リ、リン…」
「ほらぁ…レイアも触って。」
キュッ…
「あ、熱い…しかも何だ…この弾力と硬さは?」
「ふふっ、いずれはこれが私のに…」
「リン!今、何か非常に聞き捨てならない事を言わなかったか!?そして何故コレをシゴく!?」
コス…コス…
「レイアはウブねぇ。男はこうすると気持ち良いのよ?」
「そうなのか?…って違う!何故我らはこんな事を!」
「今更でしょ。チュッ…」
「何処に口付けしてるっ!」
「タケルの【ピーー】と【ドゴーン】だけど?」
「またそんな卑猥な言い方を。」
「良いのかしら?そんな事言ってると、また私が差を付けちゃうわよ?」
「唇を奪った事は治療措置だと聞いたぞ?」
「チッ、タケルったら余計な事を。でも一回は一回よ。レイアがしないなら、私がここでタケルの身体に教え込むんだから。頭では理解出来なくても身体は覚えてるって…フフッ、燃えるわね。」
「くっ!ならば私もっ!チュッ!」
「やるわねレイア。だったら私はくわえ…」
以下略。
※作者の脳内世界の崩壊により描写は控えさせて頂きます。
ータケルsideー
神のじいさんのお使いを終えた俺は、元の世界に帰ってきた。
「ふぁーっ!良く寝た。」
目を擦り部屋を見回すと、レイアとリンが居た。昨晩の酒とじいさんのせいで気付けなかったようだ。
「ウフフ…お早うタケル。」
「どうしたんだ二人して?」
「中々起きて来なかったから起こしに来たのよ。随分寝てたわね。」
「成る程。悪かったなレイアも。」
「い、いや…気にするな。」
何故かレイアが視線を逸らしたままこちらを見ようとしない。怒らせたか?
「それよりタケル、早く朝食を食べなさいよ。テーブルが片付かないわ。」
「そうだな。」
窓を見れば既に太陽が上っている。大分寝過ぎたみたいだ。
「レイアは朝飯は?まだなら一緒にどうだ?」
怒っているのなら機嫌を取るためにと提案するが、レイアは激しく頭を振る。
「必要無い!い、胃も胸もいっぱいで当分食事が喉を通りそうにないのでな。」
「あ、そう。」
胸?
「なぁ、二人とも唇がテカテカしてないか?先に何か食べた?」
「それは…だな…」
「ンフフ、とびきり甘くて苦いお菓子よ。ね、レイア?」
「そうだな!その通りだ!」
いつもにまして妖艶な雰囲気を醸し出すリンと、何処かぎこちないレイア。
甘いのに苦い菓子って何だ?
「ふぅん。程ほどにな。ところでレイアは今日は何しに?」
「暇が出来たのでギルドにでも誘おうと思ったのだが……やはり今日は止めておこう。私は帰る事にする。」
結局終始目を合わせる事も無く、レイアは早々に立ち去って行った。
「もしかして怒らせたか?」
「クスクス…心配ないわよ。逆だから。」
逆?意味が分からん。
不可解な言葉に首を傾げる。
「あ、そうそうタケル、ごちそうさま。」
「あん?」
リンがチロリと唇を舐め上機嫌に部屋を出て行く。
寝起きだからだろうか。この日の朝は全く持って理解不能だった。
リア充爆発しろ!