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第十八話魔法開発

久しぶりに早いペースでの投稿です。

レイアの魔法講義から三日後、基礎は大体把握した。次はいよいよ魔法の研究だ。レイアに許可を貰い城の書物庫で魔法についての蔵書を調べる。その間、一緒に来たユウはレイアに預け、彼女の指導の下、騎士団に交じり特訓中。


俺は手始めにこの世界の魔法に対する認識を知る事にした。いきなり新魔法開発!と行きたかったが、もしも突飛な魔法を作って世間の反感を買おうものなら、たちまち迫害の対象に成りかねない。現代人の俺が魔女狩り(男だけど)に遭うなんて考えたくもねぇ。


ブルブル・・・


だからまあ、リスク回避の為にも知っておいて損はないだろう。しかし調べてみて分かった。この世界の魔法に関する書物の出来は酷すぎる!著者によって解釈はバラバラ。主観入りまくりで、酷いものだと何故か物語仕立てになってる物まで有った。なんで俺が作者のラブロマンスを読まなイカンねん!


俺にしてはかなり辛抱強く、様々な本と照らし合わせて導き出した内容をノートに書き込んでいく。因みに後でレイアに感想を聞くために文字はこちらの言語で書いた。何故この世界の文字を俺が扱えるのか分からないが、恐らくじいさん(創造神)が気を利かせてくれたのだろう。


そして判明したのは以下の内容だ。


まずこの世界で魔法は大きく三つに分類されている。一つ目は新約魔法。現在使用されている魔法の殆どがこれに当たり、通常、魔法といえば新約魔法を指す。


二つ目は精霊魔法。文字通り精霊や神の眷属が使用する魔法で、プライドが高く警戒心も強い彼らが研究に協力する事は皆無なので、詳しい事は不明。ただ単に確認されている精霊が使ったとされる呪文の羅列が並ぶのみだ。


三つ目は旧約魔法。古代の人々が使用していたとされる失われた魔法で、新約魔法の基礎とされている。これは俺の推量だが、旧約魔法は今の新約魔法より万能だったのではないだろうか?単に古代からの口伝や書物の中から残された中で使用できるものを掻い摘んで、新約魔法と称して使っているだけだと思う。



調べてみて分かったのだが、この世界で特定の魔法が宗教的な禁忌になるという考え方は無いようだ。言ってみれば魔法は手段。信仰の意味合いは薄いらしい。これで少なくとも異端審問に掛けられる心配は無くなった訳だ。お陰で安心して魔法を開発できる。

しかもこの世界の呪文は地球で使われている英語。一般の人間ならば残された古代の書物から一々意味を調べ、内容を紐解く必要が有るが、俺にはその必要は無い。直ぐにでも作り出せる筈だ。


「我が魔力において、明かりを灯せ!ライト!」


俺の手から周囲を明るく照らす発光体が生まれた。光量は30Wの蛍光灯程度。こちらの世界で夜の明かりといえばランプや松明が主流だからな。夜でも明るく過ごせる明かりは便利だろう。そして恐る恐る発光体に触れてみる。


「うん。熱は持ってないな。」


これなら火事の心配も無い。


「何やら面白そうな事をしておるなタケル。」


声のする方に目をやると、書物庫のドアを覗き込むエリスの姿。


「エリスか。丁度良い。今、暇か?」

「うむ。」

「なら、こっち来て少し手伝え。」


手招きするも何故か躊躇するエリス。


「し、しかし大丈夫か?何なのじゃ、そのピカピカしたものは?物の怪ではあるまいな。」


どうやら俺が作った発光体にビビッてるらしい。


「心配ない。こりゃ俺の魔法だ。今、俺以外の人でも使える魔法を作ってるところだ。」

「なんと!魔法であったか。」

「そ、ほらよ!」


エリスに発光体を投げ渡す。


「わわっ!」


危なっかしい手付きで発光体を受け取る。


「い、いきなり投げる奴があるか!」

「別に熱くもないだろう?」

「確かに・・・。しかし明るいのう。眩しい位じゃ。」

「これをランプの代わりに明かりにすれば便利だろ?」

「うむ。夜に本を読むのにも苦労しなくてすむのう。これは妾にも使える魔法なのか?」

「それを今研究中なのさ。」


俺は光が消えるように念じると発光体は直ぐに霧散した。


「エリス、試しに詠唱と呪文を教えるから、やってみてくれ。」


これで魔法が発動するならば俺以外にもこの魔法は使えるという事になる。呪文を教えるとエリスは喜び勇んでそれを唱えた。


「我が魔力において、明かりを灯せ!ライト!」


ポワー


エリスの手の平に俺のより一回り小さい発光体が生まれる。


「ぬう・・・小さい。」

「一度目だしな。だが成功だな。慣れれば大きさも光量も調節できるさ。魔力の減り具合はどうだ?疲労感は無いか?」

「うむ。問題ない。必要な魔力も微量なようじゃ。」


成功だな。これなら一般家庭でも使用可能だろう。


「それじゃ次に行くぞ。」

「まだ何か有るのか!?」

「当然!試してみたい事はまだまだ有るぞ。」

「・・・もしや妾は魔法文化の革命に立ち会っておるのでは?」


次に試すのは浮遊魔法だ。俺は本に手を翳す。


「我が魔力において、これを浮かせ!フライ!」


本が浮き上がり、俺の目線の辺りで停止する。


「おお!!浮いておるぞタケル!」


エリスは本の周りに手をやり、何も支えが無い事を確認する。まるで浮遊マジックでタネが無い事をアピールするマジシャンだ。


「これが成功すれば荷物の持ち運びが楽になるな。」


浮かせるだけでなく動きも制御できるだろうか?試しに本に動きを与えてみる。


パタパタ・・・パタパタ・・・


開いた本が羽ばたくようにページを開け閉めする。


「まるで鳥のようじゃ!面白いのう!」


飛び回る本をエリスが追っかけ回す。


「エリス、次はお前がやってみてくれ。」


ポン・・・パサ・・・・


本をエリスの頭に着地させて魔法を解除する。


「分かったのじゃ。」


頭の上の本を取り、手を翳す。


「我が魔力において、これを浮かせ!フライ!」


ゆっくりとだが本は浮き、同じ様にエリスの目線で停止する。


「出来たぞタケル!」

「良し。次は動かしてみてくれ。」

「うむ。」


浮遊した本は羽ばたきはしなかったものの、平行に移動する。


「む・・・流石にタケルのようにはいかんのう。」

「まあ、十分だろ。今度は・・・」


俺は浮いている本に手を掛け、ぶら下がってみる。


「ふおっ!!」

「どうだエリス?」

「お、重いぞタケル!」


顔を真っ赤に堪えるエリス。負荷は感じるのか。持ち上げる重さには上限が有るらしい。試しに俺も自分で浮かした本にぶら下がる。


「確かに負荷は感じるな。」


辛いという程でもないが。もしかしたら魔力も人によって出力に差が出るのかもしれない。


「ではエリス。今度はこれの応用編に挑戦しようと思う。」

「応用?」

「そうだ。今のは物を対象に浮かしたが、これを自分に掛ければどうなる?」

「ま、まさか!?」

「そう!空が飛べる!・・・かもしれない。」

「凄いぞ!それは凄い!」

「浮かれるまえに実験だ。ぬか喜びになるかもしれないしな。」


俺は詠唱だけを変え、フライを唱える。


「我が魔力において、この身を浮かせ!フライ!」


フワッ・・・


俺の足が地から離れ、自分の背丈の高さで止まる。


「成功だな。しかし本にぶら下がったとき程の負荷は感じないな。対象が自分だと影響を受けやすいのか?」


自分を対象にすると効率が上がるのならエリスも飛べるかもな。


「妾も!妾も飛んでみたいのじゃ!」

「はいよ。」


俺は地面に着地する。


「さ、やってみな。」

「うむ・・・我が魔力において、この身を浮かせ!フライ!」


フワッ・・・


「おお!浮いたぞタケル!わはははは!」

「エリス、細かい制御はできるか?試しに高度を上げてみてくれ。」

「了解じゃ!」


フワ・・・フワ・・・・


「むむむ・・・以外と難しいのう。」


エリスの体は天井近くまで浮き上がって行くが、その挙動は大分怪しい。


「もういいぞ。戻って来い。」

「分かった。」


ゆっくりと高度を下げるエリス。


「わわ・・・さ、下がる方が難し・・・あっ!」


途中で制御をミスって落ちてくる。


「よっと。」


ポス・・・


落ちるエリスをキャッチ。お姫様をお姫様抱っこ(笑)。


「要練習だな。」

「う・・・うむ。」




更に実験は続き、計五つの魔法が成功した所で日が暮れた。



本日の研究成果


1:とってもエコロジーな照明 光魔法ライト

2:ボーイ要らずの荷物運び 浮遊魔法フライ(対象:物)

3:ライト兄弟もビックリ! 浮遊魔法フライ(対象:人)

4:遠くの人と話が出来る 会話魔法 トーク

5:主婦必見!皿洗いに便利 浄化魔法 ウォッシュ


「ライトとフライはともかく、残りは地味じゃのう。」


成果に些か不満を漏らすエリス。


「そうか?トークなんてかなり便利だと思うけどな。」

「もっとこう・・・威力のある派手な攻撃魔法なんぞ作らんのか?」

「攻撃魔法はなぁー。」

「なんじゃ考えつかんのかえ?」


俺は一つ、有名な話を引き合いに出してみる。


「エリス、これは俺の故郷で有名な話なんだがな・・・」

「む?」

「ライフル銃という武器の開発に携わった一家が居たんだ。」

「ふむふむ。」

「その武器は売れに売れ、瞬く間に事業は大成功を収めた。」

「万々歳ではないか。」

「しかし後に、その武器で殺された人達の怨念が一家を襲い、その一族は衰退の道を歩んだそうな。それは呪いとも悪魔の仕業とも言われ、一族の人間には奇行に走る者も少なくなかったとか・・・」

「ヒッ!」


怯えるエリスを横目に言う。


「攻撃魔法でも同じように被害を受けた人が作った人を呪うかもな。因みに俺が考えた攻撃魔法の呪文は・・・・」

「良い!言わなくて良い!というか聞きたくないのじゃ!」


エリスは耳を塞いでしゃがみ込んだ。


「はっはっは。まあ、そういう事で攻撃魔法は中止か先送りだな。」

「うう・・・聞かねば良かった・・・。」





「しかし、フライは上手くなったな。」


エリスは飛べるのが余程嬉しかったのか、研究中ずっとフライの練習を続けていた。もはや完全にマスターしている。まさに飛行(非行)少女。古い?うん。俺もそう思う。


「フフン。練習の甲斐があったというもんじゃな。もう落ちる心配も無いぞ?」


得意げに辺りを飛び回るエリスに一言。


「どうでもいいがエリスくん?高度を上げると完全に見えてまっせ。」


目線を下げるエリス。高度は順に、エリス→スカート→俺。


ス・・・


屈んでみる・・・じゃない見る。


「ギャーーー!見るな!!」


ゲシッ!!


「ぐはっ!」


エリスの足裏が俺の顔面にヒット!スカートを押さえながら慌てて高度を下げる。


「ももも、もしや練習中ずっと見えていたのか!?」

「さーてどうだろう?」

「正直に申すのじゃ!」

「・・・この国でも白は基本なのか?」

「死ね!!」







魔法の解説がしんどいっす。メンドイっす。

作者は黒かブルーも捨てがたい。何がって?そりゃパン・・・ツー・・ツー・・・(以下電波障害のため不通)

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