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第九話ユウのギルド登録

累計PV10000アクセス突破!

こんな駄文でお目汚し頂き、読者の皆様に感謝です。

「むっかし~むっかし~♪タケル君は~♪助けた王女に連れられて~♪アルベルリア城に~来てみれば~♪絵にも描けない美しさ~♪」


話をするため城に行ったのはいいが、通されたのは何故かレイアの自室だった。


「なあレイアよう。」

「うん?」

「なんでお前の部屋なんだ?」


深夜に男を自室に入れるとか、もう少し体裁を気にしようよ。一応俺も男よ?襲うとかそんな度胸はありませんがね。ヘタレ?根性無し?ええい!どうとでも言え!


「気に入らなかったか?確かに王族にしては質素な部屋だが。」


いや十分豪華です。天井高っ!何だこの室内灯?本体の八割が装飾じゃん。


「悪いが我慢してくれ。直ぐにメイドが茶を持ってくる。」


「りょーかい。」







俺は茶を啜りつつ、ユウとの出会いから孤児院での出来事、セラを助ける為にジーグの屋敷に忍び込んだ事を話した。


「なるほど。大体話は分かった。しかしお前も無茶だな。孤児のためにそこまでするとは。」

「なーんか見てらんなくてね。」

「それに孤児院か…私も調べてみよう。もしその孤児院が国営のものならば、タケルが言うほど酷い状態なのは不自然だ。どこかで金の流れが変わっている。着服の疑いもあるな。」

「頼んだ。国営でなくとも、国から補助金くらいは出ていてもおかしくないからな。」

「分かった。だが、まったくの私設だったとしても心配するな。なんとしても議会に、孤児院のための予算案を捻じ込んでみせる。」


拳を握って決意するレイア。おお、頼りになりそうだ!背中にオーラが見えるぜ!


「話は大体そんなとこだな。そろそろ夜も遅いしお暇するよ。」

「帰るのか?泊まっていっても構わんぞ?」


へ?レイアさん何言っちゃってんの?それは拙いでしょう。これはフラグ!?フラグなのかぁ!?


「部屋は用意させるが?」


デスヨネ~。


「気持ちは有り難いけど、中途半端に分かれて来ちまったからな。ユウが心配してるだろう。顔を見せてやらないと。」

「そうか。当分はその孤児院に居るつもりか?」

「ああ。ユウを弟子にしたから、一人立ちできるまでは世話するつもりだ。当分そこが拠点になるかな。」

「私も調べ終えたらそちらへ行こう。」

「忙しいだろ?ジーグの件もあるし。今は孤児院の方には俺がいる。余裕が出来てからでいいぞ。」

「うむ…。正直ありがたい。明日一日では手が回りそうもなかったのでな。」

「だろうね。」


実際やることは山ほどあるだろう。ジーグの処断に共犯者の洗い出し、漏洩した情報の確認、デイモートへの対応等々。当分レイアの手は空きそうに無いな。


「それじゃ、帰るよ。またな。」


ガチャ…


「ん?」


扉を開けると妙な引っかかり。


「きゃ…!」


妙齢の女性が驚いた顔で立っていた。なんだこの人?


「母上!」


レイアが後ろで言う。母上って、レイアが姫だから…もしかして王妃?確かに赤い髪や顔立ちはレイアと良く似ている。


「もう、いきなり開くから驚いたわー。」


プクーと膨れる王妃さん。何だかお茶目だ。レイアとは随分性格が違うな。


「あーそりゃ失敬。でも覗かなけりゃ問題なかったんじゃ?」

「分かってないわねぇ貴方。」

「タケルです。」

「タケルさん、娘が初めて男性を部屋に連れ込んだのよ?覗くのが親心というものでしょう?」

「親心ですか。」

「親心よ。」


何故か自信満々に胸を張る。


「では、覗きなどと不埒な行いをする親を正すのも子の役目というものですね?」


振り返るとレイアが仁王立ちで王妃を睨んでいた。


ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!


スゲー!背中に擬音背負ってるよ!


「じょ、冗談よレイアちゃん。チョット聞き耳立ててただけ…」

「ほう、盗み聞きとは。益々母上には娘の心を聞いて頂く必要が有りそうですな。」

「オ、オホホホホ…」


また今度お会いしましょうとだけ言い残し、王妃さんは自室へと帰って…いや逃げていった。


「すまんなタケル。身内の恥を晒してしまった。」


溜息交じりにレイア。


「いや。なかなか面白かったよ。」


実際、親の居ない俺にとっては他人の親子の会話は微笑ましい。

今度こそ別れを告げると、俺は城を出て孤児院へと戻った。









「今帰ったぜー。」

「し、師匠ー!!」


ユウは深夜だというのに孤児院の前に立って、俺を見つけると飛び付かんばかりに駆け寄る。


「悪いな遅くなって。」

「心配しましたよ!俺達が逃げ出した後、騎士団に連れて行かれたものだから!」

「騎士団に知り合いが居たんで事情を話してたら遅くなったのさ。心配掛けたな。」

「そうだったんですか。」


ホッとするユウ。


「それで、あの…」


セラはまだ不安げで表情が晴れていない。


「セラ、もう大丈夫だ。あの貴族は色々と不正がバレて捕まった。仕返しされる心配は無いぞ。」

「本当ですか!?よかった!」


セラはユウと顔を見合わせて喜んでいる。


「さて、今日は忙しくて疲れたな。そろそろ寝るか。」

「じゃあ、師匠。汚いですけど、うちに・・・。」


…うむ。本当に汚い。さすがにあの掘っ立て小屋に寝る気はしないな。全身ホコリとノミで痒くなりそうだ。


「ユウ。全員こっちに集めてくれ。家を建てるぞ。」

「家をって…。師匠、アレをするんですか?」


アレとは創造魔法のことだろう。ユウには何度か見せたからな。


「アレ?」


ユウの隣でセラは首を傾げているが。


「まあ。見てなよ。」


俺は手をかざし、ソレを創造する!


キイイイイイイイーーーーン!!


光が形を成して収束し、掘っ立て小屋の跡に現れたのは二階建てのブロック造りの建物。


「すごーい!」

「お家だー!」


子供達は単純に喜んでるが、セラは目を見開き驚く。


「な、何これ!?」

「ホント無茶苦茶な魔法ですね。」

「魔法なの!?」

「たぶん。」


ユウが半分飽きれ顔で肯定する。


「間取りを説明するぞー。玄関の正面の部屋が応接間兼ダイニングキッチン。左が倉庫兼俺の部屋。右がトイレと風呂場だ。中央の階段から二階に行ける。二階は全て居住スペースだ。部屋は人数分作ってあるからな。」


中に入ると、子供達は探検だ!と、はしゃいで二階に行ってしまった。さっきまで眠そうに目を擦っていたのに、元気なもんだ。


「セラ。布団と毛布も創ったぞ。皆に配ってくれ。」

「はい!」


布団を抱えて二階へ上がっていった。


「何から何まで有難う御座います師匠!」


ユウに改めて礼を言われ、俺は少し照れる。


「気にするなよ。俺もやりたい様にやっただけだ。それより覚悟して置けよ?明日から本格的にお前を調きょ…鍛えてやるからな。」


「怖っ!今、調教って言いかけましたよね!?」


シーン


「無視ですか!?凄い不安なんですが。」


ユウの言葉はスルー。


「先ずは風呂だ!」

「はい!って…俺はもう入りましたよ?」

「馬鹿モン!師匠の背中を流すのは弟子の役目だ!着いて来い!」

「はい!お供します!」


うむ。いい返事だ。俺はユウを伴い風呂へと向う。








翌日、俺はユウとギルドへ来ていた。ユウにギルド登録をするためだ。そこには既にアイン、ゲイル、ミアンが来ており、約束通り回復薬を渡す。


「これが例のブツだ。」


「フッフッフ。今回のも上物らしいな。」


俺とアインが「クックックッ…」と低い声で笑う。


「二人とも、何で必要以上に怪しいんですか?」


ミアンが『取引ごっこ』に軽いツッコミを入れる。ついでに言うと、うちのツッコミ要員のユウは現在登録手続き中だ。


「それにしても孤児を世話するなんて変わってますねタケルさんは。」


カウンターでルイーズから熱心に説明を聞くユウを見てミアンが言う。


「ユウは気は利くし見所もあるぞ。他にも何人か居るんだが…」


「師匠!」


ユウが不意にカウンターから声を掛けてきた。


「どうしたユウ?」

「書類にサインが要るんですが、俺の家名はどうしましょう?」


そういや孤児だもんな。


「面倒だからカミジョウにでもしとけ!」

「いいんですか!?」

「いんじゃね?」

「はい!へへ。」


何故か嬉しそうだ。


「確かにハキハキしてて可愛いですねぇ。」


なんかミアンの見る目がおかしい。ショタか?ショタなのか?


「ゲイル~、ミアンが若いツバメにうつつを抜かしてるぜぇ。」

「む?」

「ば、馬鹿言わないでよ!私はゲイル一筋よ!ね?ゲイル!?」

「あ、ああ。」


ミアンに腕を組まれて赤くなるゲイル。


「へー二人はそんな関係だったのか。」

「そうです。この前婚約もしたんですよ?」

「そりゃおめでとさん。」


しかし、辛いなアインは。この桃色ムードの隣でいつも仕事してるのか。


ポンとアインの肩に手を置く。


「アインよ。独り者は辛いな。」

「分かってくれるかタケル?」

「ああ、今度一緒に飲もう。」


そこへユウが登録を終えて戻ってくる。


「お待たせしました師匠。」


シャァアアアーーーー!!


「近寄んじゃねーよ!!」

「何その理不尽!?」


彼女持ちは敵です。









街から少し離れた野原に来た。遮るものは何も無い。暴れても誰にも迷惑は掛からないだろう。

ユウに修行させるにはちょうどいい場所だ。


まずユウに課したのは、俺が創った木刀(重量2倍)での素振り、基礎の筋トレ、走り込みだ。


「あの、師匠?」

「どうしたユウ?」

「せっかくギルド登録したのに、依頼は請けなくていいんですか?」

「俺の時もそうだったけどランクの低い依頼は、ただの工事作業やら荷物の輸送依頼ばっかりだ。それが悪い訳じゃないがユウは若すぎる。舐められないためにも、まず地力を付けるべきだな。」


同じ冒険者ならまだしも、依頼人に舐められて報酬を削られるなんて事にもなりかねない。


「そうですか。」


まだ少し不満顔だ。


「そう落ち込むな。五日後には仕事に連れて行ってやるから。」

「はい!」

「しかし、修行は死ぬ気でやれよ?でないと五日目にはモンスターの腹の中かもよ?」

「うげっ!」

「セラが悲しむだろうな~。傷心のセラ!彼女を慰める男の影…ああ…やがて二人は……」

「死ぬ気でやらせていただきます!!」


皆まで言わせず素振りを開始するユウ。男の子だね~。こんだけ脅しておきゃ手は抜かんだろう。

俺はユウのフォームを見て、注意点とコツを教えてからこの場を離れた。









皆さん気付かれて居られるでしょう。はい。まったく話が進んでいません。

方向性に迷いまくりです。そろそろ他国でも絡めるか?それとも…


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