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プロローグ死亡後の新事実!

初作品です。生ぬる~い目で見守って頂ければ幸いです。

「……ん?ここは?」


目が覚めたら俺は全く知らない場所に居た。辺りは真っ白な何もない空間。

そこで俺の顔を覗き込む白髪の老人。


「ふむ…起きたか?」

「…あんた誰よ?」

「ワシは総てを生み出しし者。総ての事象の管理者じゃ。」

「それって神様じゃね?」


ハァ…どうせなら美人な女神様と御対面と行きたかったよ…。


「うむ。創造神じゃ。分かっているとは思うがお主は死んだ。」

「ああ。だろうね。」


俺は死ぬ寸前の記憶を思い返す。確かマフィアの首領を殺った直後に流れ弾に当たったんだった。


「それで?俺は地獄行きかい?」


悪人とはいえ、あの組織を壊滅させるまでにかなりの数の人を殺した。普通に考えて地獄行きは確実だろう。


「何故じゃ?」

「そりゃ、マフィアやヤクザとはいえ、結構な数を殺したしな。」


まったく後悔はして無いけど。


「…しかしその理論だと、戦争で国を守った英雄は、裏を返せば敵国の人間を虐殺したとも言えるぞ?そういう人間も罪人か?」

「……。」


何が言いたいのだろう。このじいさんは。


「正義や悪の解釈や定義なぞ、何処に論点、視点を置くかで容易く変わる。時代や立場に因ってもな。そしてワシから個人的に言わせて貰うならばタケルよ……」


ゴクリ……


「でかした!ようやってくれた!」


「はい?!」


聞き間違いか?褒められてる気がする。


「実はお主が壊滅させた組織じゃが、あのまま行っておれば、いずれ世界の人口の三分の一が消える筈じゃった。」


わースゲー!俺が殺った数の何倍だ?


「壊滅した時点では、マフィアの中でも中堅レベルでしかなったが、その後は人身売買を足がかりに、兵器、麻薬の製造に手を伸ばして核戦争の引き金になる筈じゃった。」


どうやら図らずしも、俺は人類を救ったらしい。


「礼を言うぞタケル。危うく神界にも影響が出るところじゃったのだからの。」

「偶々だろ。俺としては好きにやっただけだし。」

「遠慮深いのう。エンマの奴なぞ泣いて喜んでおったぞ。」


エンマって閻魔大王か?


「書類に殺されずに済んだと大喜びじゃった。」


そりゃそうか。そんなに大量の死人が出たら大忙しだもんな。


「本題に入るが、そんなこともあってお主という人間について調べてみたが…タケル、お主不幸じゃろ?」

「何を唐突に。死んだ時点で不幸だろう?」

「そういう意味じゃなく体質的にじゃ。」


確かに。生まれは孤児だったし。引き取られた孤児院は人身売買のブローカーの末端組織。

やっとの事で逃げ出したが、その後も犯罪や事故にはよく巻き込まれた。考えてみたらマフィアなんかに関わったのもそれが原因か。


「ワシが調べた結果、お主にはまったくと言って良いほど、『運』という能力が備わっておらんかった。

ホッホッホッ!神のワシが、思わず二度見するほどデタラメなステータスじゃったぞ。これでよくもまあ成人まで生きたものじゃて。」

「マジでか?」


俺の不幸は筋金、いや超合金入りか…


「そこでワシの出番というわけじゃ。礼も兼ねてお主に二度目の人生を渡す為にの。」

「人生をやり直せるってことか?」

「そういう事じゃ。正確には続きの人生をじゃな。既に魂を介してステータスは改善してある。前のような不幸に見舞われることもない……ハズ。」

「ハズってなんだよ!?ハズって!」

「仕方なかろう。運命とは流動的なもの。絶対とは言えぬものじゃ。」


仕方ないって……じいさん、あんた仮にも神だろ?もう少し確実な方法は無いのかよ。


「まあ確かに、改善したものの、巡り合わせ次第では直ぐ死ぬことも有り得るかもしれん。そこでお主にワシの力の一部を与えようと思う。」

「力?」

「うむ。お主がこれから向かう世界は、魔法が存在する世界での。魔力を使い、ワシの力を発現出来るようになるのじゃ。」

「ちょっと待ってくれ。魔法?元の世界じゃないのか?」

「なんじゃ前の世界に心残りでも有るのか?」

「いや、無いけど。」

「だったらやめておけ。戻せんことも無いが、マフィアは壊滅したと言っても残党や同業者に、また命を狙われるぞ?死亡フラグ満載じゃ。」


「いざ!魔法の世界へ!」

「賢明じゃな。」


魔法…まるでファンタジーだな。確かに神様の力とか有れば、簡単には死なない…よな?


「それでどんな力をくれるんだ?」

「創造神の能力。その劣化版じゃ。魔力を介して己の想像したものが現実化する。」

「どの辺が劣化版なん?」

「生命の創造はできん。魔力を介する必要があるのも制限じゃな。正規版は無尽蔵じゃから。」


それでもほぼ無敵だな。反則的だと言える。


「あ、でも俺に魔力とかあるの?」


魔力がなかったら宝の持ち腐れだ。


「心配いらん。元々人間に魔力は有る。お主が元居た世界では魔法は使えなかったろうが、それは世界そのものが魔法の存在を許さなかったためじゃ。むしろ使えないだけで、あの世界の人間の魔力は他と比べてかなり高いぞ?」

「どの位?」

「これからお主が向かう世界の住人の平均が200~300。トップクラスの術者でも500かの。過去の英雄に1000というのが・・・・」

「俺は?」

「198万」

「多っ!そしてキリわるッ!」

『いちきゅっぱ』って!どこのお値打ち品!?


「ステータス改善の際に能力も渡してある。お主が想像した事象は、魔法として発現する筈じゃ。どれ、試しに何かやってみい。」


想像といってもなぁ。漠然としててどうしたらいいのか…。


「要はイメージじゃ。それが目の前で起きると思えば良いのじゃよ。」

「成る程…やってみるか。」


俺は右手をかざし、目前にソレが現れるよう想像…いや、創造する!


キイイイイイーーン!


「おおー!コ、コレは!」


硬く高い音と共に現れたのは、グラマラスな体型で妖艶に微笑む、氷でできた美女の彫像。


「スゲー!本当に出来た!じいさんありがとな!」


この能力を戦いに応用すれば簡単には死なない筈。これで人生の負け分を取り戻せる!


「う、うむ。しかしなんとまあ…リアルな彫像じゃな。まつ毛から瞼まで見事な造形じゃ。」

「そうかい?俺的には、もう少し胸のサイズと躍動感には拘りたいような…」

「フッ!乳に拘るとはまだ青いの。特筆すべきは、このヒップラインじゃ!」


ぺしりと彫像の尻を弾き、熱弁するじいさん。神って結構俗っぽいのな。


「垂れることなく、然りとて丸みを帯びた流線型こそ、女体の美…」


いやいやいや!!女体の美は先ず、その象徴の最たるモノ。即ち、胸!乳!

オッパイマイスターの(称号?)を持つ俺としてはこれは譲れんね!


「チッチッチッ!甘いなぁ。じいさん。胸の膨らみは女性にだけ許された唯一の特権だぜ!?この奥深さが解らないとは…少々耄碌したんじゃないか?」


俺はヤレヤレとばかりに首を振る。


「ハッ青二才めが!ただの脂肪に誑かされおって。ものの本質を見抜けぬとは情けない!良いじゃろう!神界のヒップマニアと詠われるワシが、尻の魅力を叩き込んでくれるわ!」


「上等!人間界のオッパイマイスターこと上條タケルが受けて立つぜ!」








―――三時間後――――



「ホッホッホ!タケル!お主も中々やるのぉ!」

「じいさんもな!尻がこれ程奥が深いとは知らなかったぜ!」


激論の末、俺とじいさんは互いを強敵(友)として認め合うに至った。

因みに、辺りには互いが主張のために創った女体のサンプルが散乱している。


「さぁて。そろそろ行くかなぁ。」


俺は名残惜しい気持ちを振り切り、出発することにした。


「ふむ…行くのか?ここは時間とは無縁じゃ。何も急ぐことはないぞ?」

「居心地がいいからな。あまり長引くと踏ん切りが付かなくなりそうだ。」

「そうか。ワシも久しぶりに話相手が出来て嬉しかったが……仕方無い。役目を果たすとするかの…」


じいさん……いや神が俺に手をかざす。


「それじゃ、二度目の人生を楽しめよ。」

「ああ。じいさんも達者でな…」

「ワシは神じゃぞ?」

「違いない。」



俺は苦笑いと共に意識が遠退くのを感じた……







「…にしてもタケルめ。一部とはいえ、あれ程能力を使いこなすとは…次に死した際は、ワシの後釜に鍛えてみるかの。」





どうもこんにちは。作者の爆裂です。プロローグは如何だったでしょうか?

ネタは常時枯渇しておりますので、要望等あれば感想よりお願いします。

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