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変態、モブ敵になる。


「......きて…」


誰かが何かを言っている


「…起きてよ…」


起きろ?私は今寝ているのか。

身体が怠い、目を開きたくない。

そんな思いが湧き上がってくるが流石に声の主がうるさいので身体を起こす


「お、やっと起きた」


顔を上げて前を見る。

どうやら私は机に突っ伏して寝ていたようだ。


「おはよう、もう帰る時間だよ?」


目の前にいる人物にはすごく見覚えがある。

髪で片目を隠し大き目の制服のせいで萌え袖となってしまっている学ランを着ている男。

軽井沢 ルイ

背が小さく顔立ちも中性的なおかげか女子から人気がほどよくありある一定の男子からも支持を得ている男だ。


「私の唯一の友であり幼馴染のルイちゃん、私の話を聞いてはくれないか」


「なぁに、僕のたった一人の親友のエイジくん」


そう、この男は私の幼少期からの幼馴染であり、何故か友達ができない私の唯一の友達であるのだ。


「私こと、諸星 永治はどうやら今朝方変態に遭遇したみたいだ」


「何言ってんの、毎日鏡見るんだからそりゃそうでしょ」


「違う、私のことではない。別のヘンタイがいたんだ」


彼は私の幼馴染なだけあって私の趣味嗜好をちゃんと知っているのだ。

知っておきながらこうも変わらず接し続けてくれているのはとてもありがたいと共にコイツも十分変態である可能性を考えてしまうのが最近の悩みでもある。

類は友を呼ぶと言うが周りに変態しかいないのは困ったものである。


「へぇ、どんなヘンタイさんがいたのさ。エイジより変態なのは早々いないと思うけどなぁ」


人差し指を顎に当てながら斜め上を見上げる

どこを見てるんだどこを。あざといぞ

見るなら私が裸になっているとこを見ないさい。

いや…以前試してみてあまり興奮しなかったなそういえば…。


「いや、あれは手の込んだ変態だった…。かくかくしかじか」


私は今朝あったことを事細かに話した。





「うっわ…。きっしょ…。」


開口一番に罵倒されるとは。

興奮しちゃうじゃないか。


「今日学校来るの遅いと思ったらやっぱりいつものしてたんだね…。」


呆れた顔で言っているがカワイイ顔は呆れた顔もカワイイのだな。ズルいぞ


「というかさぁ…。その話が本当だったとしてその変態って普通に考えて魔法少女だよね」


「魔法少女?それはあれか、日曜朝にやっているあの幼女の将来の夢ナンバーワンに一時期なっていた武闘派女子がメインのアレか?」


「それだね。というか実在したんだねぇ」


なんてこった、アレは変態ではなくただの魔法少女だったということか…。

くそ、私の同類を見つけたと思った喜びを返してくれ。


「そういえばその話でいうと最後エイジは化け物に吹き飛ばされたんだよね?」


「いや、正確には魔法少女パンチの巻き添えをくらっただな」


「うん、どうでもいいけど。なんで吹き飛ばされてエイジはそんな無傷なの?」


「ふむ、確かに」


自分の身体を見てみる

ちゃんと新品の制服を身に着けているし身体に痛いとこは特にない

ベルトを外しズボンを脱ぐ。


「ちょっ、何してるのさ、他の人が来たらどうすんのさっ」


何やら慌てているが気にせずズボンをずり下す。

もう始業式も終わりやることは全てやった後であろう教室に戻ってくる奴などいないだろう。

それにしても始業式プラス配布物や説明があったとしてもこの時間は少し遅すぎるような気もするがルイちゃんは少し私を起こすのが遅くないだろうか。

いや、もしかしたら私がこうして脱ぐことを考慮した結果か…

流石私の幼馴染。素晴らしい判断能力だ


「ふむ…。」


「ちょ、ちょっと何ブリーフ丸出しで唸ってるのさ、早く履きなって」


目を隠してるつもりだろうがしっかり指開いて見てるのわかってるぞ

最早見慣れているだろうに…。

だが、今はそんなことより気にしなけばいけないことがある


「おかしい」


「…え?ナニが?」


「私が今履いてるのは純白のブリーフか?」


「え、うん。ちゃんといつものブリーフだよ」


「そうだ…傷も汚れも一つも無い純白のブリーフだ…」


「た、確かに吹き飛ばされたり落ちたりしてるはずだから汚れて無いのはおかしいね…」


「そうだ…、だが、それだけじゃない」


そう、それだけじゃないのだ

このブリーフは私が今日のためにこだわりにこだわり抜いた指向の一品。

全裸はダメだということで妥協点としてこのブリーフ着用となったため妥協に妥協を重ねるわけにはいかず、真剣に考えたオーダーメイドモノのブリーフ。


そう、これは私の勝負下着なのだ。


だからわかるのだ。




「これは私の相棒では無いッ!!!!」




タグも一緒、形も一緒、サイズも一緒、200色あると言われる白の色さえも一緒

だが、私の魂が、五感と第六感が、コレジャナイと否定しているのだッ


「はぁ、あっそう」


ルイちゃんは興味無さげになっているが気にしない。


「私のブリーフが誰かに入れ替えられた?何故だ…だが、このブリーフ、悪くなぁい」


私が前々から準備していたブリーフとは違うがそれでも悪い品では無い。

それどころか本来汚れているはずのモノが新品同様のモノになっているので万々歳なのではないだろうか。

そう、私はポジティブに生きていきたいのだ。

心が広い変態でありたい、私はそう思う。


「というかいい加減ズボン履きなって」


「いや、これから過ごすであろう教室で初日から脱ぐというのは中々気持ちが…」


ガララ…


「あ、まだ人残ってたんだ?」


「ちょっ!エイジ!」


バッとルイちゃんがこちらを振り向く


「おや、忘れモノかい?」


(いつズボン履いたんだ…?)


何故か眉をひそめてルイちゃんがこちらを見てくるが無視して扉を開けた女子生徒を見る


「あぁ~、まぁそんなとこかな…?アナタたちもここのクラス?」


入って来たのは茶髪ポニーテールの生徒だった


「あぁそうだ。自己紹介があったと思うのだが…」


もちろん自己紹介があったのかどうかさえ知らん。

何故なら気づいたら教室で寝ていたのだから。

そういえば私はどうやってここに来たのだろうか…

まぁ、今はどうでもいい

始業式の後は大抵が自己紹介があるだろうしな


「い、いやぁ~、ちょっと諸事情で始業式とか色々出れなくなっちゃって…席の確認とかこれから過ごす教室見たくって」


「ほう、それは災難だったな…気持ちはわかるぞ。これから青春が始まるであろう物語の舞台となる場所だものな、うんうん」


「そ、そうだねぇ~」


「おっと、自己紹介が遅れたな。私は諸星 永治、こっちは軽井沢ルイ、こんな顔だがちゃんと男だ」


「あっ、桃井ののかです、よろしくね」


「ああ」


桃井さんか、男子からも女子からも人気が出そうな顔をしている。

つまり美少女だ。

アイドルか何かやっているのだろうか…始業式に来れなかったのも仕事関係だったりするのだろうか。

いや、あまり詮索するのは気持ちが悪いな。


「これからよろしくね、桃井さん。会って早々だけど僕たちもう行かなきゃだからゴメンね」


ルイちゃんが私の袖を掴み引っ張って行く

しょうがない、ルイちゃんはたまに人見知りを発揮することがあるからな。


「あ、うん。私も別の用事あるし…じゃあね」


「また明日、楽しい学校生活を共に歩んで行こうじゃないか」


「あ、うん…」


ファーストコンタクトバッチリだな。




教室を出て二人廊下を歩く


「桃井さん、可愛かったね」


「なんだルイちゃん、一目惚れか?」


「違うよ、エイジが変態行為に走らないか心配になっただけ」


「はぁ。ルイちゃんも分かっているだろう、私はちゃんとTPOを弁えているさ」


「露出にTPOを何も無いだろうけど…」


「おっと、急に催してしまった」


「はよトイレ行け」


急に尿意が来たのでトイレへと向かう。


それは唐突に来た。



トイレに入ろうと角を曲がった瞬間、視界がブラックアウトした。




________________________________________________________




なんだ…騒音?いや、どちらかというと喧騒の方か?


とにかく煩い。


また教室で目覚めた時のように身体が怠いかとも思ったがそんなことはなく、

逆にすごく身体が軽い感じがする。


視界が明けてきた。


目の前にはコンクリートの瓦礫があった。


どこだ?ここ。


「イィ~?」


声を出そうとすると何とも間抜けな声が聞こえてきた。

もしかしてこれが私の声なのか?


とりあえず周りを見渡す


ほう、どうやらここはショッピングモールらしい。

所々に見覚えのあるものがあるので間違い無いだろう。


が、壁が壊れていたりガラスはほとんどが割れてしまっている。

そして何より人が黒いシルエットの人のようなモノから逃げ回っている


何かのテロか?

起きたらテロの現場にいるという夢を疑いたくなるような景色だが私の鍛え上げられた五感がリアルだと叫んでいる。



とりあえず逃げるか。


冷静に考えその場を離れようと振り返ると私の学校と同じ制服を着た男がバットを持ってコッチを見ていた。

若干の怯えを感じさせる表情に違和感を感じたが私を殴ってきそうな感じがしたので慌てて会話を試みる


「イーッ!!」


そういえば声おかしなってたな


瞬間、頭をバットで叩かれる。


見事なまでのフルスイングだった。


頭に衝撃が走る。


見知らぬ男子生徒にバットで殴られる。


私はイった。


「イィィィイイッ!!!!!!」


倒れ込みのたうち回る


思っていたより痛くは無いがそれでも痛みがある。


脳内麻薬というのだろうか、溢れ出してくるのを感じる。


いや、そんなのがどうでもいいと思える快楽が襲ってくる。


身体をビクビクさせながら快感に身をゆだねていると痛みが引いていく。

名残惜しさを感じながらも冷静になっていく頭で何故殴られたのかという思考に切り替わっていく


テロという非日常の現場でおかしくなってしまったか、はたまた変な声を上げる男に恐怖してか。

いや、なんとなくはもう予想はついている


今朝会った変態を魔法少女とわからなかった私がよくそう思い当たったとも思うが、今はそれがしっくりくると思ってしまう。


ゆっくり立ち上がる。


どうやらさっきの男子生徒は私がビクンビクンしているうちに逃げたようだ。




横を見ると都合よく割れずに残っているガラスがあった。




そのガラスは反射して鏡のようになっており





そのガラスには、






黒い全身ぴっちりスーツの男がセクシーポーズを決めていた。





「イイィィィィィィィ~!!!!!!!!!!!」






はい、ほぼショ〇カーイメージで大丈夫です。

めっちゃぴっちりしてます。

もっこりです。

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