完治
気づいたら治っていた。
そんな体をしているからこそ、こういう職業に就いたんだと思う。
体質と言ってしまえばそれまでだが、俺は他の人に比べて回復力が異常に高いらしい。
一番思ったのは、恐ろしい勢いで増える擦り傷や切り傷だ。
こいつらも、1日あればきれいさっぱり消えている。
そんな俺が選んだ仕事は軍に入ることだった。
正確には手野武装警備という武装警備業の会社だ。
訓練から実戦まで、いろんなことを経験した。
国連軍として派遣されたこともある。
それでも大事に至らなかったのは、この体質故だろう。
そう思うと、今となっては感謝している。
この体質に。