1話 楽しい楽しい冒険の始まり!……になるといいなぁ。
主人公リアムが自由気ままな冒険を目指す物語。
神様から得た異世界転移スキルでようやく見つけた(自由気まま冒険)が出来そうな世界に転移。今度こそ自由気ままな冒険を目指すぞー!
……見つけた世界に転移したのは、彼だけでは無かった。
注:あくまで自由気ままな冒険なので、勇者や魔王討伐等を楽しみにしていたらごめんなさい。
晴れやかな空・蒼い海・心地よい風・気持ち良さそうに鳴く海猫、こんな最高なロケーションの中一隻の船がある目的地に向けて進んでいる。
客船:プリンセス・デ・ラメール
大国であるヴィクトワール王国が、王女生誕の祝いで開発・製造した内の一隻で、客船のスペックとしては過去1の完成度を誇るとの事。
何故かって?無駄の無い外装!大型ながら整備性良し!耐久性良し!全部屋冷暖房付き且つベッドはふかふか!食事は美味い!サービス良し!船首や船尾、客室から見る景色は某有名映画のシーンをしたくなる程サイコー!等々。
そんな良いとこ取りの船、「でも、お高いんでしょ?」と聞きたくなる程料金が気になるだろう。
否!何と銅貨10枚で乗れるのだ!※日本円で約1000円
そんな格安良物件張りの客船に彼がいた。
「自由だあぁぁぁーーー‼︎」
…船首で魂の叫びを上げている彼。
見た目は14〜16歳・やや赤色を帯びた茶髪・ダークブラウンの瞳・幼さが残る顔立ちいわゆる童顔。
彼の名前は、リアム。何処にでもいそうな見た目の少年だが、彼こそが別の世界で活躍したパーティメンバーの1人であり、リーダーでもあった人物で自由気ままな冒険を望んで異世界転移した本作の主人公である。
「蒼い海!晴れやかな空!その中を行く船!冒険の始まりに相応しいロケーション、最高!」
テンション上がりまくりのリアム。それを、遠巻きに微笑ましく見る人がいれば「何だこいつ⁉︎」と若干引き気味の様子を見せる人が半々。
許してあげてください…、彼が興奮しているのは色々訳があるんです。
「はっはっはっ、船旅を楽しんでくれているようだな!」
「あ、船長!すみません、うるさかったですか?」
「構わんよ。それだけ、楽しんでもらえていると言う事だからな」
彼は、プリンセス・デ・ラメールの船長ダニエル・オーレン。かつては、有名な冒険者だったが数十年前に引退。冒険者時代の実績と功績でヴィクトワール王の護衛に就いたが、客船の完成と共に本人の希望もあり現在は船長職を務めている。
本人曰く「王城勤務より旅が好きだからそっちやりたい。」と、不敬罪に処されてもおかしくない発言をしたら叶ったとの事。
何でも、現王であるジャン・クロード・ヴィクトワール王はよくいる典型的な王ではなく、「良き国を作りあげるのは王族だけじゃなく、それを支える民の協力あって初めて作り上げれる物だよねー。」と至極真っ当な考えを持っている、いわゆる民の声をしっかり聞き民の希望を叶える光の王様(笑)との事。
え?普通だろって?ばっかおめー、それが難しい王様が多いんだろうが察しろ。ちなみに、困っている民がいれば颯爽と現れて問題解決を行うとの事。やだ、かっこいい。
まぁ、そんな王様だっから彼の要望はすんなりと通って今に至る。
「それにしても、お前さんを初めて見た時は余りにも軽装備だったもんだから元冒険者の性で、つい止めちまってすまなかったな。」
「あー…大丈夫、気にしてないですから。」
そう言うリアムの格好は確かにベテラン冒険者から見たら心配される格好をしていた、白い半袖に茶色い袖なしジャケット。茶色い長ズボンを履き腰には一振りの剣。
冒険者です、と言ったら「冒険を舐めるな!」と一喝されてもおかしくない姿だからだ。しかし、そこは大丈夫、これでも世界を救った経験のある実力者なのだ。因みに、軽装備の理由は「最初はシンプル装備!」、ただの拘りである。
そんな格好だから、乗船の際見かけたダニエルは冒険者特有の心配性からリアムを帰そうと思い腕試しという名の乗船お断り、俗に言う「乗りたければ、俺に勝て!」をしたものの、僅か数十秒で敗北。彼を含め、周りにいた野次馬冒険者と一般客は目を丸くしていたのと同時に、ダニエルは実力を認めざる得なくなった。
……この時、1人だけ別の意味で注目していた人物が居たのだが彼は全く気付いていないのであった。
「それに、丁度良い慣らしになりましたし。」
「…慣らしねぇ。」
俺も腕が落ちたなぁと、心の中でぼやくダニエルであった。
と、リアムは気になっていた事をダニエルに聞く。
「そういえば、あとどれくらいで着きますか?えーと、何て名前の港でしたっけ。」
「ポントロワだな。それなら…。」
とダニエルが伝えようとしたその時!
ざばばばばばばばばぁ‼︎
周りの海面からいきなり何かが飛び出してきたのだ。
「「へぁ⁉︎」」
いきなりの不意打ちに何処ぞの、お笑い野菜人みたいな驚き方をした2人は飛び出しできた何かに視線を向けるのであった。
さて、始まりました第1話。
散々悩みましたが、船旅から始まった方が良さげだったのでそうしました。
詳しい設定は後々投稿させていただきます。
光の王様…もっとマシな表現があったと思いますが、思いつかなかったから仕方ない。
それにしても、リアムを別の意味で注目していた人物は一体何者なんでしょうか?(すっとぼけ
また、いきなり飛び出してきたのは⁉︎
第2話をお楽しみに。