お姉さんとの出会い♡
「う~む、今日はパーティメンバーのお姉さんに迫られる妄想でいくか。」
今日もベッドの中で妄想に浸る。
僕は18歳の無職。恥ずかしさ?そんなもの微塵も感じない。
引きこもり生活を続けた僕はある真理にたどり着いた。
この世は楽しんだもの勝ちなのだ。
人生の大部分を労働に費やすなんてあほらしい。
妄想でも何でも楽しければよいのである。
「あれ?田中くんも興奮してたんだね?笑」
「あっ///これは生理現象なんです、、!」
ん?さっきエナジードリンクを飲んだのが悪いか。
良いところで尿意が来てしまった。
引きこもり生活のベテランの僕でも流石にトイレには向かうぞ。
ペットボトルに的確に狙いを合わせるのは中々難しい。
「ブーン」
虫がいる。ゴミを一年ほど溜めたツケが来たか。
チリも積もれば山となる。なんてね。
そんなことを考えていたら虫が顔めがけて飛んできた。
しかも僕の大嫌いなゴキブリ!!
「あああああああ!!!!」
僕は声にならない叫び声をあげて倒れた。
「!?どこだここ」
「おはようございます、田中様」
目覚めると女神のような女性の目の前にいた。
「お目覚めですか。
田中様は倒れられたショックによって亡くなられたのです。」
「まじすか、、」
死んでも意外と冷静なものなんだな。というかこの展開見たことあるぞ。
「まさか僕は魔王討伐に行かされるとかじゃないですよね、?」
「よくご存知で。好きな世界に転生することも可能なのです。
こちらからお選びください。」
女神が色々な世界を提示する。
天国で自由奔放な生活、転生先としては王道だな。
独裁国家からの脱出、これ北朝鮮じゃねえか。
魔王討伐!!!!
これだ、素敵な仲間との友情、努力、勝利、ハーレム
今までの人生で足りなかったすべてを満たしてくれるはず。
「魔王討伐でお願いします。」
迷うことなく即決した。
「承知しました。いってらっしゃいませ。」
女神がふっと微笑む。
次転生するときはこの女神といちゃいちゃセッ〇スライフに決定だ。
なんてことを考えていたら
「おおおおお!?」
視界がぐるぐる揺れだして立っていられない。
またもや一瞬で意識を失った。
はっ、気が付くと馬小屋にいた。
「くっせえ!なんだこれ」
たまらず外に出ると驚愕する。
鎧を着た人たち、レンガでできた家、掲示板に貼られたクエストたち
これだよこれ!王道すぎる始まりの街に間違いない。
まずはパーティの募集といこう。
大きな建物に入ると屈強な男たちがたくさん。臭い。
受付に話しかける。
「すみません冒険者になりたいんですが」
「承知しました。こちらに手をかざしてください。
お客様の能力、適性が分かりますので。」
おおお!ここで僕の驚異的な能力が判明してしまうわけだな。
「田中様はすべての能力が平凡ですね、ちょっと幸運なくらいです」
あれ?まあ成長するにつれ強くなるものなのだろう。
パーティ募集の張り紙もつくっておいた。
【簡単な軽作業のみ!誰でも募集】
これじゃあ派遣をこき使うブラック企業じゃないか。
僕はハーレムも求めているので女性限定で。にやにや。
【屈強な女性メンバー募集!】
あとは寝て待とう。臭い馬小屋で。
なんて思いながら張り紙を貼る。
ぽんぽん。
振り向くと僕は驚愕した。
大きな赤い瞳、主張強めの角、出るべきところは出たすらっとした体。
誰もが羨む絶世の美女がいた。
「は、はい!」
思わず声が裏返ってしまった。
引きこもり生活の弊害である。
「あはは!可愛い笑
お兄さんパーティメンバー募集してるんでしょ?
入ってあげるよ。」
けらけらと笑う顔もまた美しい。
どうやら年上のお姉さんのようだ。
顔を見ただけで首を縦に振りそうになったが冒険には強さも必要だ。
「あ、ありがとうございます。
一応ステータスも確認させてください。」
「どうぞ~。私結構強いよ?」
「す、すごい、ほとんどの能力が高い上に
戦闘が大得意な竜人族じゃないですか。
なぜ僕のパーティに!?」
「お兄さん可愛い顔してるから
私が手伝ってあげる。」
大きな瞳に見つめられて思わずドキッとする。
答えはもちろんOKだ。
「本当ですか!よろしくお願いします。」
「こちらこそよろしくね。田中くん?でいいのかな。
新米冒険者みたいだし、私が手取り足取り、教えてあげるね♡」
「ひゃ、ひゃい」
思わず瞬間的にテントを設営しようとしたがなんとか耐えた。
さあ!夢にまで見た異世界イチャイチャライフの始まりだ!