[11].学習
‘私に契約のしかたを教えて下さい!’
◇
‘私に霊力の練り方を教えて下さい!’
◇
‘私に魔法の使い方を教えて下さい!’
◆◇◆◇
形成、発射。
‘どうですか?’
精霊魔法を教えてくれている先輩に自分の水弾を見てもらう。
「いいね、随分と上手くなったよ。あとは染めるかだけどどうしたい?」
自身を属性で‘染める’と特定属性が強化される代わりにそれ以外が扱い辛くなる。
一度染めた箇所は元には戻らないのでちゃんと考える必要がある。
染めなければ全てをそこそこに扱えるのだからそれでいいじゃないと思うかもしれないが強大な精霊ほど属性は定まっている。
一点でも特筆した箇所がある方がより長く存在を残せると考えられているのだ。
‘私はもう少し考えたいと思っています’
「ゆっくり考えたらいい。中には数十年悩んでいる子も居たぐらいだから」
‘やっぱり染めないっていう選択肢はないですか?’
「一般的にはそうなのだけど例外はいるよ。特殊属性とか権能持ちはその時は上手く扱えなくても待って、成長したら染めたり、そうじゃなかったり。どういうのかは分からないけど君は権能持ちっぽいからその方向性次第かな?あとは頑張れば特殊属性持ちになれなくはないから何か目指すものがあるのならそれを目指して頑張って。でもどこまでも染めないっていうのはあんまりおすすめじゃないかな」
権能のことやっぱり見たら分かるんだ。
でも属性と言われたら当てはまるものが分からない。
‘分かりました。これまで教えてくれてありがとうございました!’
「これまでいろんなとこに行ってたけど何個覚えたの?」
‘火、水、土、風の四属性と強化、回復、防御を教えて貰いました’
「沢山覚えたね。君の元の属性は何だった?」
‘実は無いんです’
「……そっか。君はいい子だったんだね。それなら尚更迷っちゃうね」
‘そうなんです。では、これまでありがとうございました!’
「いいんだよ。それじゃあおやすみぃ」
私の空間に帰ってきた。
そこでようやく人の姿をとる。
最初の契約者を元にした少女の姿に。
性別を変えてしまえば迷惑をかけることはないだろう。
移動の気配。
少年の姿、来たのは王だった。
「ひさしぶりー、姿をとるようになったんだね。やっぱり人間か、人間いいよね」
「あっ、すみませんここでだけのつもりだったんです」
精霊はある程度上位者だと自認すると精霊界でも姿をとるようになる。
でも私はまだそう言える立ち位置ではないので球体に戻る。
「戻っちゃうのね」
‘はい、私にはまだ早いです’
「君、物質界に行くつもりでしょ」
今は規制中だったりするのかな?
‘よろしいでしょうか?’
「別に規制しているわけじゃないしいいよ。ところで名前欲しい?いつまでもなかったら不便だからさ」
‘いいんですか!?’
名前をいただくことは大変名誉なことだ。
まして王からなんて尚更。
「欲しくなったね、いいよ今あげる」
‘あ、ありがとうございます!’
そわそわ。
どんな名前になるんだろう。
「実は君が起きる前から決まっていたんだ。君の名前はプーレ。日本語名なら富麗乃純なんてどうだろう」
‘ありがたく’
精一杯頭を下げる。
「そういう時姿があれば楽だよね」
私の姿に微笑みながら続ける。
「ある程度世界は安定したよ。また見守っているから、心のままに楽しんでくるといいさ」
‘いってきます!’
とりあえず行き先は学校にしようかな。
ではでは久しぶりに物質界にお邪魔するとしよう!
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