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地球魔力改変  作者: 443
別章 精霊
74/151

[7].学校の講師達

一夜明けるも興奮冷めやらぬ様子の生徒達。

しかし授業が始まるとそれが抑えられる。

ここでは1週7日の内6日間の授業が行われている。

休日の前日は午前授業となっているがそれ以外の授業日は16時頃まで集団行動を求められているのだそう。

本日は基礎訓練というカリキュラムらしい。

これは週に2日ある熟練者から武技や魔力の扱い方を教わる時間だ。

自分の習いたい分野の講師の下に集いそれらを習う。

私は人間がどこまで魔力を扱えるのかが気になるので魔力応用を見に行こう。


男女別での授業の為かここには男子生徒約10名が集まっていた。

講師は生徒とほぼ歳が変わらないんじゃないかという程の男性。

しかし魔力の扱い、特に物質化に秀でている。

体内で身体強化の為に(スキル)を使わずに成しているその安定感。

一部位に集中させ効率的に強化。

皮膚に集中させることで相手の魔力を纏った攻撃の威力を大きく下げる技術。

手のひら、体外に短剣ほどの太さの釘を物質化させたりと素晴らしい。

杖や魔導書などを扱わずにこれ目を見張るものがある。


場所を移動し属性魔法。

属性魔法使いの教師として最も秀でていたのは火属性だった。

火の生成から始まりそれを飛ばして火弾。

質量はないが熱量で攻撃するものだ。

火弾の連続射撃や形状を矢にして速度と貫通力を増したもの、魔力を多く使い火の槍を飛ばしたりもしている。

教え方の上手さは別として魔力を扱う講師陣はほぼ全員ハイヒューマンというのもあってその授業は良いものだった。


次に武術。

やはり武器系は男子生徒に人気が高い。

片手剣や盾などは何と教師がおらず、生徒が集まって議論し習練をしていた。

講師がいるのは刀や槍、弓などというこの土地で育まれた武技や世界的に有名だというフェンシングやアーチェリーといったものだ。

人気が無い分野は身体同士を接触させるもので空手や柔道などがある。

魔物と戦うのに無手でゼロ距離は厳しいと思ってしまうのは当然というるだろう。

実際それらの講師も武器を振って自己練習を行なっている。

暇そうだし話しかけてみよう。

可視化の後魂器を取り出しそれに乗り込む。


‘講師の方、私に技を見せて貰えませんか?’


目を見開き固まってしまった。

近くでいきなり発光体が現れてそれが人の形になった何かに乗り移ったのだからそうもなるだろう。

ガタイの良い40代前半程の男性に再度呼びかける。


‘すみません。気になったので私に技を見せて貰えませんか?’


他講師たちは本気は出してなかったりもするが皆何かしらの技術を見せてくれている。

しかしここにいる方々は教える人がいないので見ることができないのだ。

どんななのか気になってしょうがない。


「……ええ、もしかして精霊だったり、しますか?」


‘そうだよ、今はこの学校を守ってる守護精霊といっても過言じゃないかもね’


ここを守る半年間はそう名乗っても問題ないだろう。


「精霊さんってのはみんな人型になれるん、ですか?」


‘みんながみんなってわけじゃないよ、私はちょっと特別だからね!’


そのそも魂器を使っているから普通ではないのだ。


「ありがたやありがたや。ご利益ありそう」


‘心の声まで漏れてるよ。そんなことよりあなたはどんな技を持ってるからここにいるの?私に見せてほしいな’


「自分は空手というものを専門にしてまして、ええと、では型というものをひとつやらせて頂こうと思います」


‘うんうん楽しみ’


服装と呼吸を整え集中し始めたようだ。

自身の号令と共に緩急をつけた型というらしいものが始まった。



「なおれ」


その号令で特徴的な体勢から元に戻る。


「どうでしたか?」


‘うーん、あんまり実用的じゃなさそう’


「型は身体操作を鍛えるものなのでそう感じるのも当然だと思います。実際の戦闘では基本動作を絡めた組手で戦うことになりますから」


‘その組み手というので魔物と戦える?’


「ここに生徒がいないことから察していただけると嬉しかったのですが残念ながら活用は難しいですね」


‘でもあなたがここに呼ばれたということはあったら良いってことだよね’


「どちらかというと対人の技術になるので暴漢などを制圧するには役に立つかもしれませんね」


彼の技はあまり役に立たないものだと感じてしまっているらしい。


‘そのまま精進すれば君の技術は魔物に通用する物になりうるよ。迷える人間よ頑張りたまえ’


少し大物っぽく振舞って元気付ける。

実際に魔力を纏えばある程度は使えるものになるだろう。


「精霊さんにお世辞でもそう言って頂けるのはありがたいですね」


‘もう少し見せてよ。基本とか組み手とかっていうのもさ’


空手講師2人の動作を観察し真似してみる。

この人たちは20年ほど空手というものに打ち込んでいるらしい。

ただの殴り合い蹴り合いにしか最初は見えなかったものも段々とその中にある駆け引きが見えてくるようになり面白かった。


昼食を挟み男女で講師が交代される。

午後は柔道の講師さんに声をかけて見せてもらう。

人間の構造や重心などを利用した技は空手のそれよりも難しそうに見える。

どの技術も欲しくなってしまうほど面白い物だ。

人間の積み上げてきたものを軽く見てはいけないなと感じさせられる。


私が講師を観察するのと同じく人間にも私は物珍しいそうで観察された。

近くに集まっている同胞には目を向けられていないのでやはりここには相手に認識されようとしていない同胞を観測できる人はいないらしい。

こっちの分野は未発達。

次の基礎訓練日は契約者との対話に費やすのも良いかもしれない。

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