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地球魔力改変  作者: 443
序章 移ろい
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46.強敵

最下層はこれまでよりもずっと薄暗く、壁や床がただの土ではなくちゃんと舗装された通路になっていた。

道幅も10メートル無いぐらいには広く、高さは5メートルほどだろうか?

これまでと比べかなり開放感がある広く、長くなった通路を慎重に進んだ。


敵は3-2のように集団で行動しているのも印象的だ。

氾濫収束作戦の時にもいたような大剣を持った大柄なゴブリンが通路を闊歩している。

その後ろには剣と盾持ちが2体に加え長い杖のような物を持っているゴブリンが1体。

計4体が最初の敵となった。


見つかり、寄ってこられたので観察はここまで。

敵の先頭は大柄ゴブリン。

それを確認した組長が指示を出し始める。


「いくお、ひろつぐ前。盾構えろでかいの来るぞ。じゅんとあいはそれぞれ剣持ち、終わり次第魔法を倒せ。くにひろ、あきひろはいくお、ひろつぐのカバー。魔法警戒」


「「了解」」


指示が終わるかどうかという時に大柄ゴブリンの大剣が前2人に届いた。

その初撃は当然と言わんばかりに前2人を吹き飛ばした。


「ひろカバー、2人ともすぐ立て!呆けている暇ないぞ!」


追撃はダブルひろが余裕を持って受け止めてくれた。

しかし僅かの“ため”があった次の攻撃でまた2人が吹き飛ばされる。

1,3発目と2発目の威力が明らかに違う。


少し遅れ4人が吹き飛ばされたので私が受けなきゃと前に出るがその時には既に組長が大柄ゴブリンに接近していた。

攻撃を躱し、お返しとばかりに剣を叩き込む。

その剣が敵の肉に挟まれ抜けなくなったのか盾で身を守りながら体当たりをし、剣を引き抜く。

敵の大剣を持つ側の腕に盾で殴り、攻撃を出させないようにすると引き戻した剣を胸に突き刺した。

刺された大柄ゴブリンは左腕で組長に殴りかかる。

それを後ろに下がり回避したがその手に剣は無く、敵に突き刺さったままである。

刺さった剣を左で抜き少しの“ため”の後に組長に向かって投げる。

その角度は丁度やっさんの後ろで起きあがろうとするくにひろさんがいる。

組長もそれが分かっているのか避けずに受けようとしている。

組長はこの隊員内で一番強いのだがその組長が吹き飛ばされたら最悪全滅だ。

そう考え組長に体当たりし、投擲された剣を受け止めた。

衝撃が強すぎるため私は吹き飛んだがこれがきっと最善手だろう。


平衡感覚を取り戻し組長の方を見るとそこには敵の首を剣で突き刺す組長の姿があった。

しばらくジタバタと暴れた後にダンジョンに消えていき、少し安心すると直後にその後ろから火球が5連射されてきた。

最も近くに居た組長は大火傷だが痛みを感じないその器は焦げて溶けるに留まった。

その攻撃が終わる瞬間に組長の左右をいくおさんとひろつぐさんが駆け、魔法使いに攻撃をしようとするがこれは大柄ゴブリンが中央で暴れるためにこちら側にこれなかった剣盾ゴブリンがそれぞれ受け止めていた。

後ろに下がる魔法使いを追いくにひろさんが討ち取り、残った2体のゴブリンも無事倒され、私達は何とか勝利を掴みとったのだった。


弾け飛んだ組長の剣を回収しお返しすると組長もあいさんに剣を返していた。

向こう側から大柄ゴブリンはいないが5体でまとまっているゴブリンたちがやってきたので、後ろに下がりながら応戦。

倒したらすぐに8階層へ戻った。


「な、やばかったろ」


組長の声に皆が反省する。

勘違いをして、必要のない無謀な戦いに向かった自分たちを。

しかし大きな負傷はない、強いて言うならば新たな敵の矢があきひろさんのすねに当たったことぐらいだ。


周囲の敵を倒し、少しのお話しがあった。


「自分ら強くなったって勘違いしてだろ。それ自体は間違ってない。ただ自分の実力と敵の強さを客観的にわかるようになって、尚且つ油断しない心構えが大切だ。分かったか!」


「「はい!」」


「誰も死ななくてよかったな。今日は夜までここを回るぞ」


すっかり堂に入った様子で説教する組長。

目が死んでいる私たちだがきっと内心は組長すごーだろう。

私は見れなかったが見事な立ち回りで大柄ゴブリンを倒したのだそう。


「こうして、こうして、こうやって受けてこうずばーって感じだったんよ。マジ尊敬」


あきひろさんが見てなかった私に身振り手振りで凄さを伝えようとしてくれるが吹き飛ばされるまでは見ていたので凄さは十分に分かっているつもりだ。

狭い視界で周りを見て、それらに対応するための選択の速さと選択を実現するだけの武器と体の扱い方。

どれをとっても真似できるものではない。

だが感動してばっかりの彼らも多くの人から見れば尊敬される側にいると思う。

大柄なゴブリンを倒した後の行動の速さは目を見張るものがあるのではないだろうか?

『俺だって、私だって疲れないし痛みも感じない体ならそれくらいできる』と言われそうだが思うのと実際に行動を起こすことの難易度は段違いであると冷静ならば分かるだろう。


みんなの動きは下に向かっている時とは違い、時間ごとに洗練されていった。

囲まれても前後でそれぞれ対応できるため時間をかければ勝てるのだ。

今だけでも時間は疲労しない私たちの味方である。




外は夜のため当然暗く、雨が降る中、遠くに明かりが見えた。

火は見えないが地面が明るい場所があるのでそちらに向かう。

ブルーシートとテントが張られた場所に人が所狭しと身を寄せ合い眠っている。

当然魂器組はいない。


暫く彷徨っているとようやく中心からかなり離れた場所に魂器組員が集合していた。

組長の元へ次々と各小隊長がやって来て被害報告などがされる。

本日の死者2名、共に器の魔力切れ。

新規魂器使用者8名、魂器組加入者6名。

レベル10到達者追加3名。

部隊移動要望と小隊長変更希望。

様々な情報が順に組長の元へ行く。

そして、3-3氾濫収束目標1ヶ所中1ヶ所尚被害甚大、とも。

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