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地球魔力改変  作者: 443
序章 移ろい
54/151

41.3-2 3階層

「遅くなりました」


「お疲れさん、まだ時間あるから休んでな」


「分かりました」


周りを見渡すとすっかりみんなボロボロだ。

疲労もとれていないのだろう。

そういう顔をしている。

でもどうしてだろう、生き生きしているようにも見える。

ここだけでも小パーティーがいくつかある。

そうだ3週間前とはもう違う。

きっと次の氾濫も大丈夫だろう。


ダンジョンにはその周囲にある時限石を元に略称が付けられた。

三角形の時限石が1つのダンジョンは3-1、2つならば3-2。

四角形の時限石がある1つあるダンジョンならば4-1、2つならば4-2というように呼び分けられる。

何角形か、石は何個かで呼び方が変えられるようになったのだ。


久しぶりに予言とは別の情報ポスターを見に行く。

3-1の氾濫収束が8箇所、3-2も2箇所。

ダンジョン攻略、最下部のボスを討伐したのは3-1の氾濫収束たうちの2箇所。

そしてダンジョンの完全攻略、最奥のダンジョンコアを破壊した場所が攻略2箇所中1箇所。

コアが破壊されると内部の人は外に強制送還され、ダンジョン自体は消える。

消えること自体は良いことなのかもしれない。

しかし全く攻略の目処が立たない箇所がまだまだ多数あるので初期の人材育成が見込めるダンジョンを壊すのは無しの方針になったそうだ。


時間になったのでダンジョンに向かう。

レベルが一度10に到達し、《交換》を得たことでこれからはダンジョンに入場する為には入場料がかかるようになった。

私たちがいつも行く3-2のゴブリンダンジョンは入場料が5Pだ。

これは協会職員との“個人交換”により払われる。

ある程度戦えばすぐに取り戻せる程度なので私は気にしない。

でもいきなり現れて取り仕切り始める人が徴収まで始めたら嫌という人は大勢いるだろう。

自分だけで精一杯、そういう人は払わずとも入れる。

レベルが10に達していないといえば良い話だし、協会側も気持ちの面は分かっているようなので強制はされない。

しかし払わないと特権が得られなくなるようだ。

特権とは怪我などを負ってしまった時に治療と戦闘復帰できるまでの間、と言っても一定期間なのだがその間の最低限の生きるために必要な食事や水などが支給されるらしい。


ダンジョン協会では既にランク分けもあちら側でしているらしい。

基準は今のところ3つらしい。

1つ目はレベル所持者中の個人レベルが上位何%に当たるのか。

2つ目はどの程度の魔物を個人、パーティー(魂器組では小隊)で討伐できるのか。

3つ目は協会への貢献度、信頼度はどれほどか。

どうやら私たちのレベルというある種の個人情報があちら側にはダダ漏れらしい。


1,2階共に人でごったがえしている。

そろそろ別のダンジョンに行ったほうが良い気がする。


「やばい人だかりだな」


「そうですね、どうしますか?」


「明日からは組員皆で別ダンジョン行くか」


「その方が良いかも知れませんね」


「どこもかしこも人が多すぎる。こんなんじゃ敵も出ねえだろうよ」


「敵ってどこから出てくるんでしょうかね」


「分からんが日中はもうダメだな。3階行くか?」


「本気ですか?」


「マジマジ、複数の予備あるんだしまぁ良いんじゃね?」


「分かりました。気をつけて行きましょう」


そうして向かった3階には既にある程度の人がいるようだった。


「もうこんなにもここに来れるようになったんですね」


「そうだな、敵探しに行くか」


「了解です」


2階への登り階段前が一番安心できる場所なのだがそこは他のパーティーに占領されているので別に向かった。

3階層のモンスターは防具自体は2階層の敵と変わらないが武器が鉄剣になり、盾を使いながら連携をとる。

更に弓矢や武器の投擲などという遠距離攻撃も行うことが確認されている。

なのでここからが本当の“戦い”だと認識を改めなければ痛い目に遭うだろう。


「組長、3階の注意事項は覚えていますか?」


「覚えてる。お前こそ離れるんじゃねーぞ」


弓兵の数はそう多くないし、精度もそこまで良くはない。

それでも味方に当てない程度の援護射撃ができるのだから十二分に厳しい敵だ。

盾持ちは3階より大きく数を増やす。

敵に防御に徹するという選択肢が増えることがどれだけ厄介かわかるだろうか?

それらを持っていない敵も棍棒以外に刀剣類を扱っている。

上の階とは一目でわかるほど動きが鋭くなっている。

油断すれば自分の命と引き換えにしてでもこちらに攻撃を浴びせようとしてくる。

基本的に3~5ぐらいの人数で固まっているためバラバラで来た2階の敵よりどれほど大変なのだろう。


会敵、即接近して弓持ちが射撃をし辛くさせる。

あとは盾を使って防御しつつこちらも敵の盾に、あわよくば本体に攻撃をした。

ゴブリン棍棒とは違いメイスは素晴らしい破壊力を見せた。

敵の体が一部位ずつ容赦なく潰れる。

一箇所ダメにすれば敵はなりふり構わず攻撃してくるのでそれを冷静に対処。

1体倒した頃にはやっさんは既に1体は倒し次の敵と戦っていたので私は弓持ちに向かうが弓持ちは私が駆け出したところで既に逃走をしていたため深追いせずに見逃した。


「逃げたか」


「申し訳ないです」


「いや、いい。よくやった。あいつ他と違ってなんで逃げるんだろうな」


「自分の勝算がないと確信したからではないでしょうか?」


「それなら他の奴らも普通逃げるだろ」


「それなら、そういう命令をされているのでは?」


「ゴブリンも何言ってるか聞こえんが話してるんだろうし俺たちの情報を他の奴らに教えたりしてんのか?」


「そうかも知れませんね、敵です」


「おう」


組長の予想はもしかすると当たっているのかも知れない。

敵も息を合わせてこちらに向かってくるようになり、前衛の数の有利を常に取れるように立ち回ってくる。

明らかに私たちの初動を封じる動きだ。

対策されたとしてもその上から敵を叩き潰す。

もう油断はしないのだ。

敵と戦っていると前から続々と敵が増えてくる。


「階段方向に下がりながら戦うぞ」


「了解」


後ろに他のパーティーがいる場所まで戻り、前後を小隊のみで挟まれない位置で敵を殲滅した。

後ろにいた人たちに組長が御礼を言い私はお辞儀して感謝を示して2階に戻る。


「やばいな」


「氾濫の時みたいになってましたね」


「やっぱ数は力だわ」


「3階からの小隊人数を上方修正しますか?」


「最低6人にしよう。6~8で」


「了解しました。私も前に戦った時より強くなっているように感じたのでその方がいいと思います」


「これから俺らはダンジョン出て協会本部で他のダンジョンについての情報を貰おう。そんで明日からの行くダンジョンを変更する」


その言葉通りに私たちは協会本部に戻り他のダンジョンについて教えていただいた。


「関東圏は3-1が2つで3-2も2つ行ける。でも一定人数以上の応募がなければ扉開通してもらえないから実質行けるのは3-1が2つと3-2が1つと」


「はい。3-1では刀剣類を持った敵が出るのは6階層からで最下層は9階のようです」


「思ったより浅いよな。まぁ数がバカにならんし3-2は人が進んだ最深は12でもその下がまだあるんだろ?どこまであんだよ、いやむしろそこまでいけてんの凄すぎないか?」


「頼もしいですね」


「ま、そうだな」


情報を得た後は現地調査をすることになった。

3-1はどこも5階まではある程度安全そうだ。

6階の魔物もいつも3-2の3階ほどの強さではなかった。

だが敵が剣を持つことに変わりないのでレベル10になったら、だ。


魂器使用者も“目覚まし”を使えたら話は簡単になるのだがこれまで誰も正常に“目覚まし”の恩恵を受けた人はいない。

先に3-2の氾濫が抑えられダンジョンに向かいたい人が流れたからか、3-2よりも安全なはずの3-1に居る人は3-2の1/4に満たない。

人が多くいるというのはそれだけで安心材料になるのだろう。

じきに3-1の方に人が多く集まるようになると考えられるのでその前になるべく魂器組組員を強くさせたい。

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