表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地球魔力改変  作者: 443
序章 移ろい
51/151

38.《交換》

ダンジョンから戻りステータスを確認したことで、その事実を知る。

幾日もの戦いの末に私とやっさんは無事にレベル10、つまり《交換》を得た。

ゲームの様にレベルが上がったら謎音声に教えて貰えるなどと言う便利な機能などないのだ。

したがって我々魂器も目標レベルに達しても気づくことは無い。

ちなみに私よりもやっさんの方がレベルの上昇が早く、既に器を交換しレベル6である。

武器による効率の差だ。


そういえば最近武器防具がダンジョン前の露店や協会内で売買されている。

刃のついたものやゴブリン棍棒以外の武器はちゃんとした場所でしか販売されていないが大きな進歩ではないだろうか?

使える通貨は既に日本円ではない。

物がないので物としか交換できない日本円の価値は既に無いに等しい。

まだ無いとまではいってないがそれよりも更に強い価値を持つものが広く知られ始めたのである。

それこそが《交換》のポイントである。


“目覚まし”という例外もあるが《交換》は一定以上のレベル、即ちレベル10に達した者は皆得ることができる。

そして敵を倒すことでポイントが貯まる。

そのポイントを使って自分の望む多くのものが得られる“世界交換”。

誰かが売りたいものを値段を定めて売りに出し、買いたい人がポイントを払う“通常交換”。

特定の人同士がお互いに交渉し、他人に手を出されない特殊な売買形式の“個人交換”

売り側の値段の数割増しが買う側に追加で課され、交換後に追加分は行方知れずとなる。

通常交換に関しては特定条件の人々間でのみ交換が行えるらしい。


通常交換で売られているものは世界交換の同等のものよりも大部分が微妙に安く売られている。

これに関しては当然といえば当然だろう。

なんでも買える世界交換よりも通常交換の方が高いならば世界交換を利用するに決まっているからだ。

《交換》はダンジョン内では使用できず、売りに出せる物はひとつまで。

出した物は手元から消え、約3時間後に売買欄に出されるらしい。

3日後になれば取り下げ可能。

買ったものは直ぐに受け取るか3時間以内まで受け取らない選択も可能。

受け取る選択をするか時間になると自分の前にどこからともなく物が出てくる。

ダンジョン内などの《交換》使用不可能な場所にいた時、外に出た瞬間に物が出てくるそうだ。

何か物を探す時はそれを思い浮かべるか検索欄で文字を入力するかしたら欲しいものかその類似品が見れるそう。


とりあえず下位魂器を……中位魂器?

今の体の上位版らしきものが見受けられる。

下位魂器と何が違うのかは分からない。

使ってみるまでお楽しみ、というわけだ。

私の交換ポイントは3429。

下位魂器の値段は30と750。

中位魂器は1000だった。

不思議に思ったので近くに居るやっさんに声をかける。


「組長」


「ん?」


「《交換》で組長が見れる下位魂器の値段は幾らですか?」


「確か一昨日は30と750があったけど今は750だけしかないわ。値段の違いの意味は中に込められた魔力量で、安い方はほぼすっからかん、高い方は魔力ぎゅうぎゅう詰め状態みたいだね」


「ありがとうございます。ちなみにどうやって知れるんですか?」


「職員の人に無理言って解析お願いしたら次の日にはすんなり答えが返ってきたんよ」


「なるほど、これは罠ですね」


「そうそう、そんでこんなの交換すっかよ、と思うと消えたんよ。ついで言うと魔力半分のが欲しいと思えば750の半額の375で買える下位魂器が出るんよ」


「ほんとだ、もしかすると自分である程度条件設定した方が自分の望むものに近い物が出てくる感じかもしれないですね。その分高くなりそうですが」


「その考え方で合ってると思う。そうだ、これで魂器組レベル10到達2人目か?」


その疑問を同じくビル1階のエントランスで休憩中の魂器組のメンバーに向けて大声で問うた。


「魂器組!お前らレベル10行ったのどんくらいいる?もう10のやつは挙手」


静まり返る組員に隊長ことやっさんは再び声をかけ続ける。


「9!無しか。8!おうおういんねぇ。7!はいはい、いいねぇ。6!まさかの無し。5、4、3。あとのやつはまぁ頑張れ。前言った様に焦って3階なんか行くんじゃねーぞ。死ぬからな。なぜだか分からんと言うやつは先輩方に聞いとけよ」


「まだ時間がかかりそうですね」


「これでいいんじゃないの?死んだらそれこそ何にも無くなるんだし」


「その通りだと思います。器変えたらスキルはどうなるのか分かりますか?」


「スキルは残る。だけど魂器の予備を現物でストックしとけよ」


「分かりました」


「ところで3階層にはいつ頃なら行ってもいいと思う?お前の意見をくれ」


「はい、私はあと2人ほどレベル10になり、魂器のストックができたらそのメンバーで行くのがいいと思います」


「分かった。俺もそのぐらいが丁度いいかと思ってたんよ。剣系以外の武器はあんまモンスター共持ってないらしいし魔物武器はあんま使いやすくないから持ち武器を《交換》で強そうなのに変えとけよ」


「了解しました」


ダンジョンにはその周囲にある時限石を元に略称が付けられた。

三角形の時限石が1つのダンジョンは3-1、2つならば3-2。

四角形の時限石がある1つあるダンジョンならば4-1、2つならば4-2というように呼び分けられる。

何角形か、石は何個かで呼び方が変えられるようになったのだ。


魂器組は現在5月29日20時30分時点では組員27名の現時点での中規模ギルドになっている。

このギルドの基本方針は安全第一、自己責任、組員共闘である。

安全の為、器の替えができるまでは3-2ダンジョンでは3階以降には進まない。

その他のダンジョンについては危険度の確認が出来次第指示がある。

替えの体を得る前になんらかで死にそうな状況になっても助けは無い。

だが一定以上の功績が認められたらその通りではない、がそのラインは現時点では未定である。

2人以上6人以下で共闘し、各小隊長の指示に従い動くべし。

反対意見があるのなら休憩時などの戦闘時以外に話すべし。

小隊長が禁止区域に足を進めようなどという明確な危険行動をしようとした場合は小隊長補佐が小隊長の権限を持ち部隊の指揮をとる。

不満は組長(隊長)に伝えるべし。

不満解消のについては編成替えや小隊長の変更、組からの強制脱退などの案がある。

よく無いことだがこのままの勢いでメンバーが増えるのならば、現在の極めて初期組と言えるメンバーは小隊長クラスになっていくと思われるので生き残ってもらいたい。


次の扉開通までまだ暫くの時間があるので新スキルである《交換》を調べることにした。

その物の名前の下に自分で決めた商品名、そして値段と商品写真が見れる。

面白いと感じたのは“通常交換”だった。

ゴブリン棍棒が捨て値で売られている。

ゴブリン剣はまだそこそこの値段を保っているがこれも直ぐに値崩れするだろう。

他には工作された様な可愛いダンボール製の盾や自分の服。

さらに気になる物としては革製の“強化された防具”があった。

胴体のみの皮鎧で値段は3000交換ポイント。

“強化”という言葉が気にはなるがこれは高い。


“世界交換”で革製の防具と金属製の強そうな棍棒が欲しいと思い良さげな物を探す。

武器防具ともに高い。

とりあえず棍棒は金属製の新品で攻撃性耐久性共に良く、自分の体格に合う物。

3400Pは高すぎる。

せめて500Pぐらい、と思うとその値段の武器が表示された。

とても便利である。

さっきの3400Pの物は所持ポイントの限度で買える良いものだったのだろう。

それならばやはり中位魂器も1000Pの物は魔力がたっぷり入ったものでない可能性が高そうだ。

実際に3000Pで中位魂器を買おうと考えたらそれが欄に現れた。

下位魂器の魔力最大がふたつで1500P。

金属製の合成棍棒のメイス、当然グリップに何も巻かれておらずとても質素なもので500P。

盾はパイオニアでもらった金属製の丸盾があるし残りは……食料系を見てみよう。


スーパーにあったような食パン1斤で25P。

25P?これは高いのか安いのか分からない。

菓子パン系を見てみると30を超え高い物では100Pを超えている。

私たちがこれまで当たり前に食べてきた物たちは贅沢品だったのかもしれない。

逆にイメージが出来ないぐらいにパサパサで味がないむしろ石のようで臭みがあって死にたく無いから食べる程度のものならば、2Pで買えるらしい。

そんなものまであるのか。

その他水やお米、麺類まで見るだけ見ているところで気がづいた。

今私は、自分の魔力を使っているのだと。

「面白い!」「続きを読みたい!」「連載頑張れ!」などと思ってくれた方は、ぜひブックマーク、⭐︎評価などよろしくお願いします!

作者のモチベーションが上がり更新が早まるかもしれません!



誤字脱字、違和感のある箇所など教えて頂けたら嬉しいです。


いきなり用語が出てきてこれはなんぞや、と思った方は『○○についてTips入れて』と伝えていただけるとありがたいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ