序話.あらすじ
ようやく「話の展開遅いけどその先からなら読み始めてみたい!」と作品に興味を持って下さった方々の入り口ができました。よければどうぞお楽しみ下さい。
もしよければ1話前の人物詳細他も読んで下さるとここから先が読みやすくなるかもしれません。
「混沌を超えた滅亡の未来。それが着実に近づいています。——だから先輩、あとは頼みます」
その目を手に入れた頃にはもう手遅れだと知る。裏切りは絶えず人はさらに数を減らす。
過去へと戻る方法は既に人の手の中にあった。しかし制限を超越するには対価が求められた。
たった1人、過去へ戻して意味はあるのか。対価が少なければ持ち越せるものは多くなかった。だからこそ人々の助けが必要だった。
この目があれば十分に勝算はある。だからどうか燃えてくれないだろうか。
未来を視る力を持つ者を過去へと跳ばす。その代償は数えきらないほど捧げられた2次進化者の命だった。
目を開ければ映像で見たことのある国会議事堂の目の前。警備員に声をかけられ逆に問い返す。『今は何年の何月何日だろうか』と。
成功だ。成功したんだ。記憶も、力も、道具までも、こんなにも持ち越せた。十二分の結果だった。
ああ、素晴らしい。まだこんなにも明るい未来が広がっているなんて。
空気に含まれる魔力はあまりにも微小でダンジョンが出現してからまだあまり時間は経っていないようだった。
まずはこの未来の邪魔になる人間を消そう。なに、今更数十人消す程度どうにも思わないさ。
この時代の自分は自分よりも存在力が弱いから消滅しているだろう。それでもここまで送ってくれた仲間たちはみんな生きている。
その仲間のためにも、頼りになる、自分を信じてくれる人に継承しよう。あとは先輩がうまくやってくれる。
未来の情報をありったけ残す。男は命が潰える前に首を切り落としてもらうことに成功した。
「君の意志とその力、確かに受け継ぎました。安心して休んでいて下さい。……さて、何から始めればいいやら」
その目、未来視の力を受け継いだ男は仲間を集める。大体の選定はされていたので人集めにさほど時間はかからなかった。
その途中、選定外の面白い未来の欠片を持つ人間に出会う。
「その1人が君というわけです。じゅんくん」
この子には適当なタイミングで死んで貰おう。そのタイミングを逃してはいけない。
その時々の継承者の近くに置いておけば適切な時に死なせてくれるだろう。そういう思いでその子供を継承者の手元に置くことにする。
もし失敗しても何かと使い道はある。面白いぐらい広い未来の可能性をその子供は持っていた。
結果的にそれは失敗した。目先の命に囚われた1人の継承者が視逃したことで。
その子供、古枝絢は初代継承者に拾われた時、特異な運命を辿ることが決定した。
いづれ訪れる未来、そこにはとても悲惨な景色が広がっていた。継承元が残した記憶の一部に自分自身が死を見る。
初代継承者は自分に付いてくればこの未来は訪れさせないと言った。ならばその人に付いていくために、より良い未来を目指すために実験体になっても良いと思い肉体を別の道具に変える。
新たな体は下位魂器と言われ魔力で動作し、痛みが軽減される代わりに五感や人間性が削られるものだった。
初代継承者が残した数々の“お願い”を守りながら魔物と戦い、継承者の話し相手をする日々が続く。
その間に文明的なものは時間経過で起こる迷宮の氾濫。魔物が迷宮から溢れると同時に崩れて行った。
歴代継承者はその身に宿す力があまりにも強力だった為に命の消耗速度が早く、絢は彼らの話し相手になることしかできなかった。
しかしそれも過去の話。当代の継承者は力を他者に制限してもらうことで延命を為した。そして彼女からの命令によって迷宮に長期間もぐり一定の成果を上げ、絢は遂に進化する。
未来視も万能では無く、どうしても救えないものがある。その苦しみはこれまでの継承者の全員が感じていた。その苦しみに、絢はようやく話しを聞いて苦痛を和らげることだけでなく自分自身で事態の解決に関与できる程度の力を手に入れたのだ。
ステータス
名前:古枝絢 年齢:7 職業:冒険者
種族:魂生 レベル:1 所属:先駆者
状態:従属(継承者に従属)
技能:中位自己鑑定・交換・天秤・魂在・魂浮遊・人形
変態・浮遊・魔力操作・強化・物質化・射撃・盾
片手棍棒・小盾・短剣・大剣
装備:魂器(等級不明)・召喚の腕輪(絢は被召喚側、召喚主は継承者)
魔鉄短剣・収納袋
スキル詳細
貸与技能:中位自己鑑定・交換・天秤(残り2つ)
種族技能:魂在・魂浮遊・人形
体得技能:変態・浮遊・魔力操作・強化・物質化・射撃・盾
片手棍棒・小盾・短剣・大剣
宝珠技能:変態(体得済み)
・下の文章は過去に活動報告にて書いた文章です。手抜き?……その通りです。きっと直します。
文明は地下迷宮の出現と共に崩壊を始めた。国を個々に隔てられ、人も明確に分けられる。インフラは消え去り家屋、街灯、どれをとっても既に過去の面影は残っていない。
そのまま国は滅ぶのか。私たちの知らない場所でもう起こったであろう滅亡を阻止せんと残った多くの命を束ね、希望を過去へと運び込む。人の身には過ぎる未来を見通す力を継承し希望を繋ごうとした者が何を視たのかは誰も知らない。その力の最初の継承者が選んだ魂の器、魂器の実験体は7ヶ月の時間を経てその成功を証明した。これはその実験体、古枝絢の冒険記である。
全て失ったと錯覚した人類は歩みを止めることは無かった。多くの者が知らない場所から継承者が希望を繋ごうとその時の最適解におおよそ導いて来たからだ。そのおかげかたった9ヶ月で一部ではあるが魔物を跳ね除け力の無い人であっても安全に夜を越せる土地が手に入った。
しかしそれは決して“人”本来の力だけでは到底成し得なかっただろう。そう、ダンジョンの出現と同時に魔力が、それを用いた魔法を始めとする数々の新たなる力が人の可能性となったのだから。
悲しいぐらいに文量が無いです。なんと2000字程度。
数話前に間話を差し込みました。その分と加算ということで……。
足りない、足りないよ!
正直前書きのような期待には到底応えられないと思いますが作者なりにやってみようと思います。
「面白い!」「続きを読みたい!」「連載頑張れ!」などと思っていただけた方は、ぜひブックマーク、⭐︎評価などよろしくお願いします。
作者のモチベーションが上がり作品の更新が継続されます。
誤字脱字、違和感のある箇所など教えて頂けたら嬉しいです。




