二月十四日
幸せな思いは一人でも作れる!
楽しいことは一人でもある!
でも世間はそれを不幸と呼ぶ
ふぁー
とても眠い
時間は14時20分
この時間は特に眠くなる。学生時代もそうだったな
そんなことを考えながら洗い物をする
シャーー
なかなか汚れが落ちないな
そう嘆きながらも、いつも通りの日課を済ませていた。
ふぅ、なんとか落ちたか
えーと、次はー、、
洗い物を済ませて、乾かす。次に修理のための針とオイルがこぼれないためにバケツを持って来る
ガラガラ ガシャッ
この作業は割と楽しいんだよねー
そう無駄口を叩きながら作業に専念する
ピューーーーーー トポポポポ
結構勢いあるね!この部品!修理しがいがある
そんなことを言ってる間にバケツはオイルでいっぱいになった
次に最終工程の修理道具を持ってくる。
ガチャガチャガチャガチャ
金属音が響く。
この音好きなんだよなー
そう呟きながら出前で夕飯も頼む。
しゃ!今日は寿司にすっかー!久しぶりにいいもん食いてえし!
お、あったあった
ペンチ、ノコギリ、ヤスリを取り出す。
これだけあれば充分♪充分♪
ピンポーン!
お!来たかな?
インターホンに早足で向かう。置き配にしているから、ドア横の袋が今日の飯だとすぐわかった。
とりあえず、作業だけしてから飯食うかー
イヤホンをして音楽を聴きながら作業を再開する
ギギギギ ギギギギ ギギギギ ギギギギ ギギギ ビギンッ
職人顔負けのノコギリ捌き。どんなに硬いものでも切る技は自慢できるものだった。
一通りノコギリで作業した後はペンチとヤスリを使う。
あっつー、、だるいなぁ
まあしゃあないか
汗を拭いながら作業に取り掛かる。
バチッ バチッ バチッ バチッ ピキキッ バチンッ
シャッシャッシャシャッシャッシャッ
言葉とは裏腹に作業は丁寧にやる。
これとこの部品か
こんなの欲しいんだ、馬鹿な奴ら
その辺にいくらでもあるのに
そうぼやきながら最後の作業である部品取りに移る
バチュン バチュン プチュン バチュン
ゴト
おー綺麗な部品
俺が横取りしちゃおっかなー、、なーんて
でもこうしてみると本当に綺麗だな
あー集中しねぇと
最後の部品摘出に取り掛かる。
バチュン バチュン
ん?、、!!
これまだ微かに動いてるじゃん!毎日やってても驚かされるよ
結構強いんだよね、これ
バチュン ビチャッ ビチュッ バチュン
ゴト
ふぃー、疲れた
我ながら完璧!飯食うかー
出前の寿司を味わって食べる。
サーモンとマグロっていい勝負してるよなー
今回はマグロの勝ち!血合がないのがよかった!美味え!!
歯磨きと同時に作業後の「部品」を冷凍室に
他の要らない部品は黒ゴミ袋に満遍なく入れて、黒いゴミ袋の上から指定のゴミ袋を三重に重ねて別の冷凍室に入れる。
生臭くなっちゃうからなぁ
人間も動物だし、仕方ないか
ゴミ袋の中身は人。
宇野ひろたか25歳 男
血は完全に抜かれ、採寸なしで20センチ四方に切られた肉
ヤスリをかけて骨まではみ出さぬように切り取られていた。
心臓、肝臓、腎臓、睾丸、両目は抜き取られ厳重冷凍保存されている
明日処理するのはー、、っと
んー
公園の池に捨てるか、ウチの漁師を手配するか、、
うーん、眠いから寝るか
明日考えよう
そう言って男は眠りについた。
この男は無職
殺し屋ではない。
しかし臓器売買や暗殺稼業で生計を立てている。自分から殺し屋とかヒットマンだとかは彼は絶対言わず、世間には無職と言い続ける。
不安要素を徹底して排除し、殺したい人間や殺しの依頼を安定して引き受ける。
それが彼のやり方だ。
息の根を止めて永遠の眠りという幸福を運ぶ。それが彼の価値観だった。
読んでくださった方、ありがとうございます。
この小説は改めて本腰を入れて連載します。
よろしくお願いします。